９月22日、メットライフドームで西武vs楽天戦を観戦。２対４で楽天の勝利でした。この試合、西武が非常に痛い盗塁死を２つしました。ひとつは９回の代走・金子。そして、１点ビハインドの３回裏、１死１、３塁の大チャンスでの１塁ランナー源田です。結局この回無得点となってしまうわけですが、この盗塁死がスタンドから見ているとどうにも不可解。西武ファンは皆さん、「え？なんで？」と唖然としていました。
この回１ナウトの後、川越がフォアボールを選びます。そして、源田が見事にヒットで繋いでの１、３塁。押せ押せです。盗塁はもちろん考えられたのですが、源田のスタートがやけに遅かった。自信満々で投げる楽天キャッチャーの太田。今盗塁王争いをしている源田ですから、いつもならキレキレのスピードの落ちないスライディングを見せるところなのに、それも崩れ気味で、余裕のアウトになってしまいました。そして、これもいつもなら盗塁失敗した時は表情を変えずにサッとベンチに帰る源ちゃんが、この日はベース付近にしばらく座り込んで、ホームの方を眺めている。スタが見ていたのは後ろ姿でしたが、その背中にも「なんで？」と書いてあるような雰囲気でした。
ただの盗塁失敗じゃないんだろうな、という気配が漂うグラウンド。でも、スタンドで見ているだけでは全く原因が推し測れない。一瞬、エンドラン？と思ったけれど、打席の岸は全く振る様子がなかったし、Wスチールにしても、３塁ランナーの川越が無反応。結局、「なにかあったんだろうけど、なんだかわからないけど、とにかく、なんか野球巧者の源田らしくなかった……」というモヤモヤだけが尾を引くプレーでした。
そして、翌日の試合の家観戦。同点の５回裏に、やはり１死１、３塁のチャンスが西武に来ます。今度は打者おかわり（中村）、１塁ランナー森、そして３塁ランナーが源田。ここで森が走ります。楽天のキャッチャー炭谷も一瞬３塁を横目で見ているようですが、源田が３塁に戻りかける仕草をすると２塁に送球。その瞬間、源田はスタートを切り直して見事にホームイン。
ああ、前日やりたかったのはこれだったんだろうなあ。ダブルスチールだったのかあ。あの時１塁走者だった源ちゃんは快足と知れ渡っているから、あまり良いスタートを切ったらキャッチャーが送球を諦めてしまう。あまりゆっくりすれば、セカンドが３塁ランナーの走り出しに気づいて本塁送球してしまう。源ちゃんは、キャッチャーの気を引くために、意図してギリギリ遅めのスタートを切ったんだな。無謀な失敗ではない、本当なら絶妙な野球巧者のプレーになるはずだったんだ。
そう納得していたところへ、昨日、ネットのABEMA(アベマ）TVのパ・リーグ動画紹介番組「ABEMAバズ！パ・リーグ」で、この両日のプレーを紹介・解説してくれていました。プレーの状況や選手の表情など、流れを詳しく追っていてわかりやすいことこの上ない。里ちゃん（里崎）、よくぞこの場面を取り上げてくれた！という感じ。
22日の中継中に、ベンチでの源田と川越の事後の会話の様子が映されていたことも知りました。日頃温厚な源ちゃんが、後輩のプレーにあんなに納得いかない表情をするのも珍しい。川越も投手から野手転向して日も浅く、細かいプレーについていけないところがまだまだあるのでしょう。23日の時は、同じような状況とはいえ打席に立つのは４番のおかわり君です。通常ならフリーで打たせるところ、西武ベンチはあえて、この状況を若手のOJTの場にしたのでしょう。
現地観戦と動画を突き合わせるのは楽しいですが、今回は特に面白かった。本当に、これは非常に珍しいシーンの、とても貴重な動画だと思います。必見です。
（当該プレーの解説は16:00 辺りからですが、ほかも面白いのでぜひ最初からどうぞ！）
