フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

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【パ首位攻防】「あれ?もうCSですか?」と混乱する大熱戦名場面振返り【ロッテvsオリックス】

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昨夜のパ・リーグ首位攻防戦、熱かったですねえ。ロッテもオリックスも試合後半の粘りが素晴らしい。「もうCSが始まってしまったのか?」と、思わず頭が混乱するほど手に汗握るシーソーゲームを見せてくれました。

 

試合前半は、両チーム先発、2人のダイキが力投しました。ロッテの岩下大輝は6回被安打2無四球でほぼパーフェクト。夏場からずーっと失点の多い投球が続いていて、ようやく前回立ち直ってからの今回。球に気迫がこもってめちゃめちゃ力強かった。オリックスの田嶋大樹も、3回に死球からあっさり1失点したものの、その後は本当に我慢強く投げ続けました。後半は名場面続出。写真集作ってほしいほど。思い出しながら振返りましょう!

 

 

名場面1.  重なる失敗をやっと取り返した太田椋


吉田と安達が休養日で、オリックスのスタメンに名を連ねた20歳の太田椋。今年は開幕時に紅林と共に期待枠起用されていましたが、チャンスを掴めず降格。ここに来て1軍に呼ばれたけれど活躍は目立たず、昨日も最初の打席は見逃し三振。2打席目は味方のチャンスでの送りバントをポップフライにして芽を潰し、「何ならできるの?」状態でした。もともと女の子のように優しい顔立ちで、中々ファイティングスピリットが伝わらないタイプ。歯痒さがつのります。

 

そして試合はロッテが勝ちパターン継投に入っての8回表。投手は今季鉄腕セットアッパーとして、勝ち運も背負っている佐々木千隼。期待されるTー岡田と伏見が凡退してしまった2死後に打席に立った太田は、スーッと甘く高めに入ってきた球を見逃すことなくバット一閃。スタンド中断に届く見事な同点ホームランを放ちました。こんなに完璧なホームランはいつ以来だったか。最初の頃は失敗した後のガックリぶりが露わだったけど、昨日はバント失敗の後もじっと噛み締めるようにベンチに戻っていた太田。失敗をすぐ取り返す、気持ちの切り替え方を覚えてきたのかもしれません。仲間に迎えられてほっと安堵した表情が印象的でした。

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佐々木は、神戸の試合でも大下という伏兵に手痛い一発を浴びていて、その時とほとんど同じようなボールです。やはり、深層心理で少し相手を舐めた気持ちが出てしまったのかなあという感じ。もちろん貢献度が素晴らしいので、1本2本のミスでそれが翻されることはないけれど、後悔は残るかなあと思います。ここからの試合では、命取りになるので下位には十分気をつけてほしいですね。(でも千隼は打たれてもかっこいい)

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名場面2. 隙を見逃さないロッテ打線とベンチの荻野貴司の表情


少し前までの勢いが落ちているとはいえ、少しでもチャンスを貰えばすかさず付け込むロッテ打線のしぶとさは相変わらずです。3回、田嶋が死球で走者を出すと、送りバントの後の打者荻野が2球目をセンター返であっという間に先制点奪取。

 

同点に追いつかれた8回裏は、2死から四球を2つもらうと、そこから打率の低いエチェバリア、最近好調な藤岡が、コツコツと短打を繋ぎ、相手エラーも誘って2点奪取。いやらしさ満開の攻撃でした。

 

印象的だったのは、先頭打者で凡退した荻野貴司パパのベンチでの表情でした。一番前で身を乗り出して味方を見守っていました。その彫りの深い横顔の頬がいつもより一層こけていて、ああきっとヘトヘトなんだろうなあ、ボールを強く叩きたくてもフライになっちゃう状態なんだろうなあ、って察せられるのです。レギュラーを張ってきた選手たちは、そろそろ疲労が見えてきてもいる。でも山場はここから。もうひと踏ん張りみんな頑張れ!と思いました。

 

名場面3. 勝ち越しを許した後の田嶋のベンチでの横顔

 

荻野パパと並んでベンチでの表情が印象的だったのが、味方が追いついた直後の8回裏に勝ち越しを許した、オリックス先発田嶋の横顔です。いつもポーカーフェイス。投球が終わるとベンチの奥の指定席に座り、じっと自分の気持ちを整えるタジー。いつも立っていて、掛け声をかけたり手を叩いたり表情豊かな山本由伸とは対照的。他の選手とはしゃいだりすることも滅多にありません。

 

そんなタジーが9回表、ベンチの一番前に応援に立ち、攻撃に入る味方野手に祈るような視線を送っていました。あの姿見たら、仲間はみんな奮い立たずにいられないな、「タジー待ってろよ、追いつくからな勝つからな」って心底思うだろうと感じました。何かが起こる、という気持ちが湧いてくる田嶋の横顔でした。

※追記:後日出たこの日の田嶋の良い記事(読むには無料会員登録が必要です)

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名場面4.  後輩たちが子供のように抱きついてくるTー岡田兄さん


田嶋がベンチの一番前で応援に立った9回表、オリックスは、8回裏にエラー気味のプレーをした福田周平が挽回のヒットで出塁。が、エチェバリアの超ファインプレーで2死となってチャンスも風前の灯です。ここで19歳紅林が、バットを折りながらどん詰まりのヒットで7番打者のTー岡田に繋ぎます。紅林、初球の落ちる球を見逃せる成長ぶりも、顔の辺りにのけぞるボールを投げられてニヤっと笑う度胸にもびっくりですね。

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こうして、Tの劇的逆転3ランホームランが飛び出すわけですが、もう言葉がありませんね。Tのこれまでを思い返し、オリファンの気持ちを考えただけで泣けます。で、ベンチに戻ったT に、待ちかねたように飛びついていく後輩たちの無邪気なこと! まるで、久しぶりに帰宅したご主人様に狂喜乱舞するワンコたち。大の男の後輩たちに、あんなに遠慮なく抱きつかれる先輩が他にいるでしょうか。鳥肌ものの逆転劇の後の微笑ましい光景が胸に沁みました。

 

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名場面5.  外野フェンスにすがりついた岡大海と激走佐藤都志也


Tー岡田の逆転ホームランが飛び出した時、打たれたロッテの守護神・益田直也の呆然とした表情と同時に、フェンスにすがりつくように掴まって上を見上げていたライトの岡の姿も印象的でした。見上げた視線の先をボールが無情にも通り過ぎてスタンドに吸い込まれていくと、岡ががっくりと頭を下げてフェンスにもたれてしまいます。壁1枚で別れた勝負の行方を象徴するようなシーンでした。

 

それから、9回裏にヒットを放ちながら2塁を欲張ってアウトになった佐藤都志也も、気持ちが伝わってきました。そりゃあ、なぜだー⁉︎って天を仰ぎたくなるような暴走です。でもアドレナリンでちゃったんですよねー、きっと。トシ君のきれいな大きな目には、2塁がすごく近くに、手が届く所に見えちゃったに違いない。オリの太田と同様に、大事な試合で大きな失敗を繰り返すうちに、それを取り返す技術も身につけてくるのでしょう。臆して何もできないよりもいいよね、って思ったプレーでした。

 

まとめ

すごい戦いで、ペナントの行方を左右しそうな気分になりますが、まだまだ順位争いの激戦は始まったばかり。これからも様相は二転三転するでしょう。選手は消耗するし、ファンの胃は痛い……。それでも、いい試合をたくさん見せてもらえそうだという予感が高まる首位攻防戦でした。