フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【送球の方向】ボールゲームの面白さが伝わった外崎タッチアップ【受け手の位置】

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ロッテが勝ってオリックスが負け、0.5ゲーム差とますます白熱してきたパ・リーグ。そんな中で昨日のロッテ対西武の試合中に、「ボールゲームってこういう所が面白いんだよねー!」というプレーがありました。

 

西武・外崎が自らのヒットと次打者の四球で2塁に進んだ後、センター寄りのレフトフライでタッチアップ。レフトの返球を見た瞬間に3塁に走り出し、セーフとなりました。解説の里ちゃん(里崎)を唸らせるほど、外崎の判断力が抜群だったのですが、ボールを扱う手加減の難しさと面白さがよくわかるなあ、と思いました。

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このプレーのロッテの守備は、レフト荻野からの送球を受け取るショートのエチェバリアが3塁寄りの位置で、右目側でランナー外崎を捉えています。荻野がキャッチした瞬間に、外崎は2塁ベースをちょっと踏んで走り出してすぐ止まり、荻野がどういう返球をするか確認。すると、荻野の返球がほんのちょっとだけ山なりになったんですねえ。

 

たぶん、センター寄りに走ってキャッチしたからでしょうかね。横に走っていて、後ろから前に勢いを付けるのとは違う形。まあまあ深い位置だったこともあって、返球の距離を出すために、ボールを少し山なりに投げたのかなあと思います。

 

ボールを山なりにすれば距離は出ますが、直線的に投げるより時間もかかる。本当に僅かの時間なんですけど。それから、直線的に来るボールと山なりで来るボールでは、受け手の受け取り方も、ほんの少しですが違いが出てきます。山なりの方が、ボールを見ている時間が長くなりますね。掌の真芯に当たる角度が少し斜めになるから、万一の取り損ねや掴み損ねを用心して、丁寧に行く感じになります。

 

バレーボールでもテニスでも、同じ距離に球を受けるとして、直線的か山なりかで、キャッチの方法はすごく変わります。相手のスパイクだったら、ここと思えば目を瞑って飛び込んでもレシーブできたりしますけど、緩い山なりのチャンスボールで目を切ると、あらぬ方向に弾いたりふかしたりしちゃう。初心者の頃は、山なりボールにビクビクしてました。

 

話戻します。さて、2塁からタッチアップして数歩で止まったかに見えた外崎。返球を確認した瞬間に、3塁に向かって走り出します。レフト荻野の返球が、ほんの少し山なりだったのを見たからだと思います。中継のエチェバリアが、キャッチするまでの時間が少し余分にかかること、しっかりキャッチするまではボールから目を切れずにいるはずということ、キャッチする位置からして3塁の方を振り返る時間もかかること、などを瞬時に判断し、自分の走力が上を行くと判断したのでしょう。

 

 

物理的に様々な変化をするボール。それを扱う選手の連携。球技のチームゲームの面白さ伝わるプレーだなあ、と思いました。プロ野球は、そのバリエーションが際立って多くて面白い。見ていて飽きないスポーツですね。