フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグとファイターズをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

マー君の帰ってきた楽天を、初めての犬ぞり体験から考える 

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スタです! 帰ってきたマー君(田中将大)が、昨日練習試合に初登板しました。初回はやはり足元をしきりに気にしたりして投げにくそう。でも、2回はすぐに修正し、余裕と貫禄の投げっぷり。さすがだなあ……。というわけで、記念すべき初記事は、楽天イーグルスのお話。実は別記事を用意していたのですが、このタイミングでマー君ですから。もうお導きですから。ここは潔く楽天です、はい。

マー君が入ったことで、楽天は一躍ソフトバンクの対抗馬となりました。凄かったですねえ。あの「ラストピースがはまった!」感。そして、ニュースを聞いた瞬間に私が思い出したのは、なぜか初めての犬ぞり体験でありました。

ご存じですか、犬ぞり。むかーしのテレビで、ムツゴロウさんが愛犬テツと挑戦してたやつ。今やもうわからない人の方が多いかなあ(遠い目)。こどもの頃にジャック・ロンドンの小説『The Call of the Wile (野生の呼び声)』を読んでからというものずっと犬ぞりに憧れていて、3年ほどまえ、群馬の水上でとうとう実体験することができたのです。いやはや、楽しかったですね!大きな犬、小柄な犬。元気いっぱいな犬。おとなしい犬。ワンコは皆個性豊か。

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私が乗ったのは観光用ですから、犬たちも大人しく慣れたものですが、操るのはそれでも中々難しい。綱が突っ張ってもゆるんでも犬はスムーズに走れず、そりは失速してしまうのです。ロンドンの小説では、犬それぞれの能力や気性を考えて、そりにつなぐ配置を決めていきます。配置が合わなければまとまらず、些細なトラブルでも走力はすぐにバランスを崩し、進みが悪くなってしまう。犬遣(つか) い達は、修羅場をくぐりぬけた経験値の高い犬をリーダーにしたり、能力が高いが経験の浅い犬を気力の安定したベテラン犬の前に据えたりして、彼らをまとめようとしていきます。犬同士の緊張感がど迫力。犬ぞり体験のワンコたちも、係の方がバランスを見ながら配置されていました。もう走り出したくてしょうがないわん。

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えーと、なんで犬ぞりを持ち出したか、勘の良い皆さんはそろそろ察しがついて来られたのではないでしょうか。選手を犬と一緒にするとは何事か!と憤慨なさらないでくださいね(汗)。

どうでしょう。昨年の楽天投手陣を見ていて、「なーんか配置がギクシャクしちゃったんだよなー」って感じられませんでしたか? 誰の目にも明らかだった守護神の配置もそうですが、先発陣も、どこか微妙な噛み合わなさがあると。
人一倍意気に感じるタイプの涌井の連勝にも、黙々と頑張る孤軍奮闘感が漂う。則本の不調には、生え抜きなのにふがいないという空回り感が漂う。岸が終盤活躍しても、前半離脱で今さら……な申し訳なさ感が漂う。みな実力者なのに、「楽天は○○が不動のエース!」とも「うちは○枚エース!」とも言えないような遠慮がちな空気がまとわり付く。

この「そこはかとなく漂っていた遠慮みたいな空気」が、マー君入団のニュースで一瞬にして吹き飛んだなあ、と思いました。キャンプ初日のブルペンで元西武陣揃い踏みしたり、テレ東スポーツ動画で解説した成瀬(しゃべりが中々面白い)が、「マー君が入ってきた涌井が気になる」と言ったそばから、その涌井が開幕投手狙いを口にしたりしているのは象徴的です。

涌井は若い頃から、ダルビッシュなど仲良しな選手と丁々発止しながらの切磋琢磨が大好きな選手。頭の回転が良く、茶目っ気のあるいじりコメントも非常にうまい。ライバルを煽ってこそ我らがワク。弟分だった「まさお」が帰ってきて、本来の姿を出せるようになってきたようです。こうなれば、西武時代から年下の涌井に「君」付けで呼ばれ、「ゲームでも何でもワクには敵わない」と意識しまくっていた岸だって負けていられない。肩の荷が軽くなった則本や、昨日噂に違わぬ実力を披露した新人・早川も、きっとすぐにこのバチバチ関係に加わるでしょう。マー君ひとり配置されただけで、チーム内競争が健全な形で表に出てくるようになったのです。彼はまさにラストピースでした。

選手を繋ぐ見えない綱が、ほどよくピンと張られた投手陣。多少のことがあっても、険しい道のりを走りきれることでしょう。となれば、カギはやっぱり野手陣かな、と感じます。楽天野手は年齢層が高めで、よく言えば手練れの実力者そろいですが、爆発的な明るさが足りなかったり、調子の低め安定期間が長かったりしがちに見えます。投手出身の石井監督が、野手をどうまとめていくのか? 楽しみですねー! マー君バブルな雰囲気に、野手も乗り続けていけた時、楽天というそりにも優勝ゴールが見えてくるのだろうと思います。↓こんな感じに。

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※この記事はnoteで一度公開したものを移行したものです。

 

【参考】
●『The Call of the Wile (野生の呼び声)』➡柴田元幸翻訳叢書『犬物語』(スイッチ・パブリッシング刊)はおすすめ。本編は後半に収録されています。書影↓

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●成瀬が涌井について触れた東テレ動画(1:06:13頃)

www.youtube.com

 

●涌井が開幕投手狙い宣言の記事(報知新聞)

hochi.news