フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

山岡(オリックス)中継ぎ転向 情の厚さと自己分析力が呼んだ必然

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チームに今一番必要なポジションを引き受ける

 

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肘痛で抹消していたオリックスの山岡泰輔が、中継ぎ投手として戦列復帰となります。優勝を狙える今年のチームで、誰がどう見ても一番の弱点だった後ろの抑え。ファンの間では待望論が囁かれてはいましたが、エース自ら買って出た形です。とはいえ、あの山岡のことですから、悲壮感などないことでしょう。こんな感じかな〜と思って作った上の写真は、6月のオリ姫デー観戦のお土産で買ったカフェ・ド・バファローズのメモ帳です。コメント加工してみました。ちなみにこのメモ帳、表紙はこんな感じ。 

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中継ぎフェチなスタにとってはかなりワクワクするニュース。そして、チームにとっても、こんなに心強い配置転換はありますまい。とはいえ、日本のエースとなった山本と共に、山岡も負けず劣らずの先発大黒柱です。今期ケガもあってやや不調とはいえ、シーズン中の配置転換は大きな決断。が、新聞記事を読めば、本人のコメントには十分納得の様子が伺えます。

hochi.news

 

「お前しかいない」にほだされる情の厚さ

ざっくばらんで物怖じしない言動で、一見ドライな現代っ子風の山岡ですが、人との繋がりをとても大事にする情の厚さをよく見せます。仲良しの山本には「山岡さんはいつも誰かと行動したいタイプ」と言われ、チーム公式動画企画(大好評)での「近くの片思いと遠距離両思い、どちらを選ぶ?」という質問に対しては「両思いじゃなきゃ恋愛じゃない」と熱弁をふるう(奥様は中学の同級生という一途なタイプ)。

www.youtube.com

 

こういうところが、既婚者にも関わらずオリ姫投票連続No.1の人気の秘密。そして、その情の厚さは仕事にも及ぶようなのです。彼は、高校生の時にダルビッシュが激賞したことで一躍名を上げましたが、卒業後は社会人野球に進みます。その理由を、野球ユーチューバー、クーニンさんの動画の中で語っていたのですが、くだんの社会人チームの監督さんに「このままだとチームが弱くなるから力を貸してくれ」と言われ、情にほだされたのだとか。

 

この動画は個人さんの動画ですが、山岡のオフのトレーニングや投球分析、インタビューなどの内容が凄くて必見なので、貼っておきます(今のテレビよりはるかに濃い)。ピカソの絵の「玉乗り」の少年のように身軽な山岡も見られます。社会人エピソードのコメントは、動画の一番最後の方です。

www.youtube.com

 

オリックスは前半、平野以外の抑え投手に苦労し、手当たり次第に試していきました。が、どんなに途中回でいいピッチングをしても、9回となると、どいつもこいつも……もとい、誰も彼も崩れてしまう。どんだけ魔物がいるんだ、というくらいの信じられない逆転も続きました。

 

正に今、「もう任せられるのはお前しかいない」となって託されるのが山岡なのです。この配置転換を「意気に感じて」、と言う言葉は彼の本意でしょう。

 

かねてより「中継ぎ向き」と言っていた自己分析

もうひとつ山岡の中継ぎ転向に光明が射す理由に、本人が適性を感じ取っている、ということがあります。プレミア12に召集された際、ロングリリーフを任されることについて彼は、「どちらかと言えば中継ぎ向きだと思う」と言っています。高校時代の代表戦で経験し、救援部門のベストナインだったそうです。

 

www.nikkansports.com

 

プレミア12では失点してしまいましたが、それでも中継ぎについて、難しかったけどやりがいを感じて楽しかった、と語ります。五輪への希望についても、先発ならといった未練は微塵も見せず、悔しかったので中継ぎでまたやりたい、とはっきり言ってもいます。そういえば、プレミア12の映画では、ブルペンで電話当番を受け持ち、テレビを見ながらポジり発言を繰り返し、緊張しまくる山本を励まして送りだし、せっせとバックアップする山岡の姿がありました。「いつも誰かと行動したいタイプ」な山岡にとって、仲間たちと一緒に過ごせるブルペンは、心地いい場所なのかもしれません。

 

sportiva.shueisha.co.jp

www.nikkansports.com

  

再びのシャンパンファイトをチームで、という夢を追う

高校時代は全くプロになりたいと思ってなかった。社会人野球をして、これより凄い人たちに投げてみたくてプロに入った。ただただ、いい打者に投げたい。でもメジャーにいる自分は想像できない。クーニンさん動画で語る山岡は、現実的で欲が薄い。チーム動画での言動を見ても、若いのにどこか恬淡とした雰囲気がある。

 

そんな彼が、プレミア12優勝でのシャンパンファイトの楽しさについて、「またやりたい!」と熱っぽく語った記事があります。「もしオリックスが優勝したら……」とも。参加したかった五輪の夢は消えたけど、今年はチームで夢を果たせるチャンスが到来。そのためなら、なんだってやると決めていることでしょう。

 

www.sponichi.co.jp

 

前半戦は立ち上がりが不安定だった時もあったので、転向当初はもしかしたらちょっと苦労するかもですね。でも、すぐ頼りになる投球を見せてくれると思いますよ。だって、今回の中継ぎ転向は渋々ではない。彼の並々ならぬ思いが詰まっているのですから。