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【2022パリーグベスト9振返り】今年も圧倒的!オリックス・山本由伸【投手】

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 2022年度パ・リーグベスト9選手の1年を振返ります。長い戦いを彼らはどう乗り切ってきたのでしょう?。投手は2年連続でオリックスの山本由伸です。

 

 

 

山本由伸(オリックス・投手)

他受賞MVP、Gグラブ、沢村賞、最多勝、最優秀防御率、勝率第1位、奪三振数1位
その他最優秀バッテリー賞、月間MVP2回、ノーヒットノーラン達成、オリメン投票1位


総評

 2年連続の受賞です。昨年記事も記事を書いています。

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 今年もまた各賞総なめだったヨッシー、非の打ち所がありませんでした。日本シリーズこそ脇腹のケガで離脱するも、それまではフル稼働でローテを守って勝ち続け、チームを日本一に導きました。ずっと綱渡りのような順位争いを続けたオリックスの「リーグ戦最終日に逆転優勝」というミラクルは、崖っぷちでも確実に勝利をもたらし続けた彼の活躍なくしてはあり得なかったですね。

 人気の方もうなぎ上り。かわいい後輩宮城くんへの愛ある塩対応は相変わらずだけど、そのお兄ちゃんぶりもちょっぴり大人っぽくなってきた感があります。オシャレも洗練されてきて、毎年恒例のオリメン投票ではとうとう常連の泰ちゃん(山岡泰輔)を抜き、No.1をゲット。

 若くして、まさに球史に名を残す大エースの風格が漂った2022年。チームの結果も個人の成績も言うことなしの1年となりました。決して大柄ではないのに、あれだけ投げ続けられる体力や自己管理も抜きん出たものがあります。

 
 
 
 
 
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 成績概要 

 5月頃やや不安定だったものの、6月には念願のノーヒットノーランも達成。秋からの大事な時期には無双。去年オリンピックも含め大変な球数を投げたことで今年のコンディショニングが懸念されたのに、CSまでしっかり投げきって体の強さや調整力の高さを見せつけました。数値の方も少し詳しく見てみましょう。データは下記引用の個人データサイト「データで楽しむプロ野球」さんを参考にします。

■資料1:2022年シーズン成績詳細 
※「データで楽しむプロ野球」より

baseballdata.jp

 

■資料2:2022年シーズン全投球成績 
※「データで楽しむプロ野球」より

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■資料3:2022年シーズン対戦成績(対打者) 
※「データで楽しむプロ野球」より

baseballdata.jp

 

 投手成績詳細(資料1)を見ると、ホームの京セラドームでの防御率は11試合85イニングも投げてなんと0.95!。ちょっぴり多く失点したほっともっと神戸を入れても0.97。ホームでは1点取られない。ビジターの防御率が2.34となってますが、これだって札幌ドームとペイペイドームでの絶不調な2試合があったからで、これを抜いたら1.6くらいまで下がるはず。

 全投球成績(資料2)によると、登板26試合のうち、21試合は7回以上投げている。で、自責点3以上取られた試合は4試合しかなく、自責点0が10試合。自責点1が6試合。要するに、まあとにかく難攻不落。

 パの中での打者別対戦成績(資料3)を見ると、レギュラーなりかけぐらいの若手はもう相手にならないくらいに完璧に抑えますね。例外と言えるのはロッテの髙部(21打数7安打.333)でしょうか。まあ髙部にはオリックス投手陣全体がカモられてましたのでチーム的な相性問題かな、と。ほかに10打席以上で打たれてる印象の打者は基本パチーン系シュアタイプで、主軸のバコーン系大砲タイプはきっちり抑えている感じ。

 特に、コメント上手な西武のほたぴ(山川穂高)の由伸評は面白い。「打てる人はまぐれです」って、8月に打ったホームランはまぐれだったんかい😅。でも、通算では本当に何年越しで抑えられている模様。来年も3年連続開幕戦で当たると決まり、思わず嘆きのつぶやきが出ちゃったのも無理はない🤣。ほたぴにとって対山本由伸は、天敵通り越してほとんど ”災難"になってますね。

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おもろいなあ、ほたぴ。でも、どんなに分が悪くとも絶対フルスイングで向かってくるほたぴは最高の相手。来年も、2人の対戦は楽しみでしかないですね。

 



春季キャンプ

 昨年の大活躍でオフは引っ張りだこになりそうだったのに、ヨッシーくん、バラエティ番組などにはほとんど出ずに過ごします。めっきり情報が減っちゃう😅。そんな中、今年の年明け早々に、彼のひとつの思いに関するニュースが流れてきました。開幕投手と開幕勝利への渇望です。

 初の開幕投手だった去年は思わぬ不覚をとり、オリックスの開幕戦の連敗記録も10に伸びました。その後ヨッシーは最高の成績を収めたのに、開幕戦の負けが悔しくてならなかったと言うのです。もうそれをずーっと根に持っ……いやその、心に刻んで今年のこの日に照準を合わせるのだと。あっさりしてそうに見えて意外と執念深……もとい、臥薪嘗胆タイプな由伸。でも、こういうところが練習の根気強さや目標達成の意志力に繋がるんだろな。

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 去年猛烈に投げたので開幕投手については中嶋監督も結構慎重だったのです。が、由伸は完全に狙って春のキャンプも仕上げていたようです。今年は仕上げ方が非常に早かった印象。宮崎キャンプ、見学に行きましたよ。やっぱり投げる姿がカッコよかった。そして、本当に厳しく過ごしたんでしょうね。打ち上げの最終日の様子も現地で見ましたが、すごく解放感があって嬉しそうでした。この頃、テレビ『情熱大陸』でも彼の日々の姿が紹介され、評判となりました。そのストイックさが見た人を驚かせたようですね。

 

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開幕〜前半戦

 こうして3月25日、山本由伸のリーグ戦はベルド西武戦で幕を開けます。2年連続開幕投手。重ねた思いと努力が実り、今年は完璧な投球でした。送りバントをダイビングキャッチするなどの気迫も見せ、8回被安打3の無失点。見事チームの開幕戦連敗をストップ!。1年越しのリベンジ。本人もすごく嬉しかったようです。試合後もまだ去年のこと言ってますなw。良かったね、思いを果たせて。

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 この試合、スタは現地観戦しました。さらっとですが振返り記事書いてます。ブルーインパルスのデモ飛行などあって華やかに開幕。今読み返すと由伸が口元に吹き出物作っていたんですねえ。後から数字だけ見ればスイスイ勝ったように見えるけど、開幕戦のプレッシャーはすごくあったんだろうな。そして、ヨッシーの時には色々な形で援護する相棒捕手ケンケン(若月)。とにもかくにも素晴らしいスタートを切りました。

 

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 その後は快調に開幕3連勝。ところが、チームは貧打が段々露わになります。由伸も好投すれども援護なし。だんだん歯車が噛み合わなくなる。すると5月3日のソフトバンク戦。6回にギータ(柳田)に満塁ホームランを浴びるなどしてなんとびっくり7失点(自責点6)😨。まあ、この頃ソフトバンク打線は絶好調のアッチアチ。逆にヨッシーは、開幕に合わせた分調子の波の下り目だったのかもしれません。ともかくも、エースで大敗のショックは大きく、5月初めにチームは7連敗を喫しました。思い返せば、オリックスはこの時期のどん底からよく持ち直したものです。

 由伸自身はソフトバンク戦後少し間を空け、捕手も寅威(伏見)となって調整モード。少しずつ間隔を取り戻していったようです。その期間に行われた恒例のオリメン投票では、トップ常連だった泰ちゃんを上回って、とうとうNo.1になりました。オリ姫さん向け爽やかスイートモードもすっかり板についたヨッシーです。

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 交流戦は3試合登板して1勝1敗、防御率1.57で15位。MVPを獲った去年に比べるとまあボチボチって感じですが、6月に入って調子が安定し始めた感じはありました。そして、リーグ戦に戻ったとたん、大仕事をやってのけます。得意のベルド西武戦。捕手も2軍落ちしていた相棒の若月が戻り、コンビ復活初戦でした。

ノーヒットノーラン達成!

 この試合も現地観戦してましたが、あまりにもスイスイと行く快投でなんだか幻を見たような気持ちになりましたよ。観戦記事の方には動画などたくさん紹介しています。こうして6月度月間MVPも受賞です。

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 その後、7月の札ド(2日)と楽パ(16日)にちょっと乱れましたがおおむね実力通りの投球が続きました。打線の不振も続き、3連勝ができなかった。やっぱり8回9回まで好投した後はちょっと疲れが出るのかも。それに、近年はもう6月から猛暑ですから屋外と屋内でのコンディションの違いも大きくなってますよね。この頃ヨッシーの白星黒星の連なり方にちょっぴりバイオリズムのような法則性を見出したりしたな〜。それでも、厳しいチーム状況では彼の登板日だけがオリファンの安心できる日でしたね。

 

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オールスター

 オールスターゲームはファン投票、選手間投票ともに佐々木朗希に次いで2位。まあ前半の朗希人気は仕方ない。ヨッシーはもちろん監督推薦では選出されます。初めて球宴陣頭指揮をとったオリックス中嶋監督の華やかな選手起用でパ・リーグが2連勝する中、ヨッシーは2戦目に1イニングを担当。村神様(ヤクルト・村上)やサトテルくん(阪神・佐藤)といった人気者と対戦して沸かせます。結果は1安打無失点。多くの選手との交流も楽しんでましたねー。そして、ここでもヨッシーに絡む山川ほたぴw。

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後半戦〜リーグ優勝

 後半戦が始まって、8月は出足でちょっとつまずきます。2連敗のスタートから、結局4試合登板で1勝3敗。相変わらず援護も少なかったのです。しかし、チームはしぶとく戦っていつの間にか上位に上がっていきました。この月は、2週連続のヨッシーと西武・今井の対戦がすごい意地の張り合いを見せてくれたのが面白かった。それを記事にしています。

 

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 9月初め、パ・リーグは世紀の大混戦状態となります。ソフトバンク、西武、オリックスの3チームがゲーム差無しで並んでいました。

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 こうなってくるとヨッシーにも火が着きました。最後の最後の中5日含め5試合に登板して4試合で勝ち投手(残り1試合もチームは勝利)。打線も俄然上向きになり、エース登板の日には負けられぬとばかりにそれまでが嘘のような援護率。ヨッシー登板日での5勝がチームの勢いを支え、10月最終戦の奇跡にまで希望をつないだと言えます。本当に頼もしかった。このブーストで9、10月度月間MVP受賞です。自分には勝ちがつかなかった能見引退登板の1戦を「思い出に残って良かった」と語るところも彼の人柄の良さ。

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 フル回転の活躍後は仲間の最後の頑張りを見守り、リーグ2連覇の喜びを味わえたヨッシー。優勝決定の瞬間はニッコニコでハグしまくり、監督胴上げの時にはバックスクリーンカメラに向かってバンザイを繰り返し、陽気な姿を披露します。試合後には相棒ケンケンといい味のインタビューで舌も滑らか。2人は最優秀バッテリー賞も2年連続。すっかり黄金バッテリーですね。

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ポストシーズン

 CS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージもエースとして第1戦に登板。1stステージで爆発したギータを始めとしたソフトバンク打線を8回ピシャリと抑えました。自らのエラーで招いたピンチを抑えて吠えたり、先陣を任された気概が溢れ出ます。ここはやっぱり、パテレのフィーチャープレーヤー動画で高揚感を持って振り返りたい。

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 リーグ戦同様、エースの好投で先勝の有利さと勢いを得たオリックス。このままCSも勝ち抜いて日本シリーズへ駒を進めました。そうして2年連続ヤクルトとの対戦になった日シリでの初戦。ヨッシーも満を持して臨んだはず。しかし、最初から不安定な素振りだった上に脇腹を痛めてしまい、5回途中4失点で無念の緊急降板。

 舞台となった神宮球場は、慣れない投手、特に上から投げ下ろすタイプの本格派には非常に厄介なマウンドです。ヨッシーもここで投げた経験がなかったし、激闘続きの疲労が溜まった体では魔物の手から逃れられなかったようです。現地観戦したのですが、彼にしては本当に珍しいことに、投球練習ですっぽ抜けていて嫌な予感はありましたね。

 

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 そういえば、9、10月度月間MVP受賞コメントはCSが終わってから発表があったんですが、「去年の悔しさを忘れていないので……」と、開幕戦の時同様に1年抱えていた思いを語っていましたからね。リベンジできず無念だったろうなあと思います。彼は切り替えも早いのでぐずぐずクヨクヨはしなかったでしょうけれど、初戦の直後はさすがに凹んでいた模様。

 不幸中の幸いは重症でなかったこと。連戦に同行して一生懸命仲間を裏で支えていたヨッシーは、仲間が果たしたリベンジ、逆転での日本一を見届けます。監督胴上げはやっぱりバックスタンドを向いてバンザイしていたらしい。そして、思いっきりビール掛けを堪能したのでした。ヘラヘラヘラヘラしてちょっぴり壊れたヨッシー、かわいかったなあ。

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※一般の方の胴上げ動画です

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まとめ

 2022年度パ・リーグのベスト9投手、オリックスの山本由伸。天才エースは今年も圧倒的でした。昨年も6月頃から調子が上向いて行ってます。終盤の、優勝に関わる試合での圧巻ピッチングも同じでしたね。体も気持ちもタフなのに優しげな風貌。女子人気は抜群なのは当たり前。もっと、やんちゃさとかはっちゃけ感が出た方が全国区になるのかなとも思うけど、根っからハッタリっ気がなくて素朴な好青年なんで、今のままでいいのでしょう。

 そして、いよいよ来年オフ頃のポスティングでのメジャー挑戦も現実味を帯びてきました。そのためには来年もいい成績を収めたい。着実に目標達成していく実現力があるので、きっと期待通りの活躍をするに違いありません。日シリで痛めた脇腹もすっかり治癒したようですが、来年は早々にWBCがあったりします。今秋のJAPAN練習試合には出なかったけれど選抜されるのは必至。今のうちにしっかり体を癒し、たっぷり充電して来期に備えてほしいですね。

 進化が止まらぬ山本由伸。本人の意欲も素晴らしく高い。来年の無双っぷりもまた楽しみです。

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