開幕から各球団ほぼ40試合前後をこなしてきたパ・リーグ。ここで、5月20日までの順位や貯金の推移などを見て、6球団がどんな戦いぶりをしているか、去年との違いはどんな点か、などをチェックしてみたいと思います。贔屓チームやリーグ全体の現状、ちょっと客観的に眺めてみると興味深い。
前回の順位・対戦成績に続き、今回は貯金推移からチェックします。
🔷前回記事と5/21時点の順位表・対戦成績表
前回は、現在の順位表と対戦成績表をチェックしました。順位表ではゲーム差の特徴がわかるし、対戦成績では相性や貯金・借金のタイプの違いが面白い特徴があったりしてます。未読でしたら読んでみてください。
また、順位表と対戦成績表は今回も参考になるので、再掲しておきます。
◾️スポーツナビパ・リーグ順位表詳細
2023.5.21更新分より引用
(年度頁が1年毎刷新のためURL未添付)①順位表(上段) ②対戦成績(下段)
🔷各球団貯金推移チェック(〜5/21)
それでは、各チームの貯金推移グラフを見ていきましょう。表は野球データサイトのプロ野球フリークさんのものを引用させていただきます。まずは、去年2022年と今年2023年の5月21日までの動きのグラフ、その下に去年2022年の通期の推移グラフを置きます。
ちょっと表全体の幅が変わるので見づらいかと思いますが、去年の表では丸点や日付のある辺りが5月21日頃です。上下の表のだいたいの幅で流れを比べてください。去年の通期の推移は、今年の各チームの今後の課題を予想する参考になりますね。
プロ野球フリーク貯金推移
パ・リーグ2023年、2022年より引用
サイト → 貯金・順位推移グラフ | プロ野球Freak①5/21までの推移
・2022年度(拡大図,3/25始まり,丸点が5/21頃)・2023年度
②2022年度通期貯金推移
※丸点が5/21頃
去年と今年の比較(〜5/21)
①の5月21日までのグラフ、去年年分が見づらくてすみません😅。通期の表を部分的に横長拡大してみたけれど、この出来で精一杯。ご容赦です🙇。とりあえず、 個々のチームの山(貯金)と谷(借金)の動きを比較する参考になさってください。
去年はとにかく、開幕早々から貯金借金の上下幅が異様に大きかったんです。今年とは差の数の桁が違う。今年の差はまだ小さい。そこは念頭に置いてください。
◾️グラフの山と谷の去年との比較
・ソフトバンクと日本ハムだけが去年とあまり変わらない動き方
・その他のチームは正反対に近い動き方。
・極端に違うのは楽天。去年の開幕直後はグラフがすごい高さの山だったのに、今年はすぐに下降して対照形。まるで湖面に映ったかのよう。
・西武も上下幅は狭いけど同じような対象形。
・ロッテとオリックスはその逆。去年は4月終盤からマイナス側に山を作っていたのが、今年はプラスの山を築いている。
◾️各チームの山と谷のイメージ(〜5/21)
※今年の順位順
●ロッテ
去年😰:ちょい谷ちょい山→谷→深谷→谷
今年😄:ちょい谷→山→ちょい下り→高山
●ソフトバンク
去年😀:すぐ高山→ちょい下り→高山トレッキング
今年😀:すぐ高山→下り→山→中高山トレッキング
●オリックス
去年😰:すぐ谷→谷→一瞬平地→深谷トレッキング
今年😀:ちょい上り下り→高山→ちょい下り
●日本ハム
去年😱:すぐ谷→少し上り→谷→谷底トレッキング
今年🤔:すぐ谷→谷底→上り→谷トレッキング→上り
●西武
去年😰:ちょい山→谷トレッキング→平地→谷
今年😱:ちょい谷→平地→中高山→下り→深谷
●楽天
去年😄:すぐ山→中山→高山→高山トレッキング
今年😱:平地→谷→深谷→谷トレッキング→谷底
去年通期の貯金推移から見る課題
さて、去年とは違う動きのチームが多い今年の出足。今後が気になります。プロ野球フリークさんの貯金推移の過去データをチェックしつつ、前回記事に書いた今年出足の貯金借金タイプも参考に、今後気をつけていくべき課題を考えてみましょう。
⚫︎ロッテ
<失点を倹約し下位からの取り立て厳しい水野忠邦天保の改革的型貯金>
去年のこの時期の後
勢いに乗り始めその後も上向き。しかし8月から急降下して浮上できず5位に。
近年の戦い方のクセ
2020年以後年間必ず一度は上昇期があるも最後は落ちてしまう。
課題
①去年は酷暑の本拠地で疲弊した感あり(承知の上の選手起用)。
②野手の助っ人頼みが消え打線好調だが維持できるかわからない。
③ピークの持って行き方をチームで共有して尻すぼみ回避したい。
⚫︎ソフトバンク
<独走予想に反しドカンと儲けるはずが何故かコツコツになってる型貯金>
去年のこの時期の後
高レベルを維持し停滞期も踏ん張り最後も調子を上げたがあと一歩で優勝逃す。
近年の戦い方のクセ
2021年を除き、基本的に後半戦には地力で右肩上がりに持って行けている。
課題
①優勝を逃すときは大体、もつれ合いの終盤で競り負けている感じ。
②主力のケガ離脱の多さが毎年恒例なので、そこに対する備えが欠かせない。
③終盤若手選手にプレッシャーが終盤により高く最後まで伸び伸び行きたい。
⚫︎オリックス
<強い戦いぶりだが日本ハムに足を引っ張られ上手の手から水が漏れる型貯金>
去年のこの時期の後
しばらくは平板な動きだったが夏以降に右肩上がりになり最終盤で大逆転優勝。
近年の戦い方のクセ
連覇の去年、一昨年と同じような上がり方。それ以前の弱い年は参考にならず。
課題
①去年、一昨年と戦いぶりがかなり違い、後半戦の予測は立てにくい。
②今年は全体に自信が見え、新戦力も抜けた選手の穴を十分補う働き。
③投手陣の成績が去年ほどでないので、今後への影響を考え対策したい。
⚫︎日本ハム
<特にロッテへの負け方が響いて気がつけばアイツに貢いじゃってる型借金>
去年のこの時期の後
この時期の上りを最後にずるずると右肩下がりで、浮上できずに断トツ最下位。
近年の傾向
2019年8月の最高貯金を最後に借金生活ばかりで今のチームに貯金感覚がない。
課題
①下位がいて借金数が少ないため目立たないが、波の形はほぼ去年と同じ。
②今年は新戦力が頑張り試合内容も去年より良いが、この形の戦い方が手探り。
③今年は実は今が踏ん張りどころなので、ずるずるいかぬよう体制を整えたい。
⚫︎西武
<主力のケガに加えスキャンダルで急降下した獅子身中の虫に食われる型借金>
去年のこの時期の後
6月後半から右肩上がりして上位を維持したが最終盤にスキャンダルもあり急降下。
近年の戦い方のクセ
最下位の2019年以外の年は後半戦で右肩上がりしており、戦い方の地力はある。
課題
①抜けた戦力の穴埋めがめどが立っておらず、作戦でのカバーで足りていない。
②複数主力が欠け、新監督が現有戦力見極めに手一杯で新戦力を試せていない。
③出足や戦力増強が遅れ過ぎたら右肩上がりも無理になるので踏みとどまりたい。
⚫︎楽天
<現Aクラス全てに負越し上にはとことん頭上がらない型借金>
去年のこの時期の後
急激な下降が始まり、少し踏みとどまるも再び下降し、貯金を食い潰して4位。
近年の戦い方のクセ
後半戦に右肩上がりしたことはなく、前半貯金が多くても必ず減らしてしまう。
課題
①貯めたら貯めただけ同じくらい吐き出す傾向があり、浮上は苦労しそう。
②主力の平均年齢が高く毎年バテるのに、変われる若手をどうしても見出せない。
③毎年後半下降するのに今こんなだと浮上が見込めないので踏みとどまりたい。
まとめ
以上が貯金推移から見た、各球団の戦いぶりの特徴です。流れが去年とすごく違っているチームもありますが、近年の戦いぶりのクセと併せて眺めていけば、基本的に同じなところも変わってきたところもなんとなく見えてきますね。
また、今後への課題についても、対策できそうな部分と懸念が深刻な部分も窺えてきます。球団の対策力、首脳陣の経験値や対応ぶりなども関わってくるところですが、これも、去年の様子と今年のここまでの動きでチェックして行けそう。
ということで、次回は今見えてきている課題の具体的な内容や克服するポイントを考えてみたいと思います。
お楽しみに!。