10日の日曜日、ベルドで西武vsソフトバンクの試合を観戦しました。かねてよりギータが見たいと切望していた同行者さんのためにブラックシートの良席をゲットしていたというのに、ケガ離脱でお目当てのギータを含め、西武の山川・森、ソフトバンクの栗原といった主砲を欠く試合。「いったい何を見ろと、、、、、、」という状況でしたが、元がとれるどころかお釣りが来るほど楽しかったです!
プロ野球らしい選手のやりくりの醍醐味がありましたし、オグレディのホームランも見られましたし、なんたって、人生初のトリプルプレー生目撃という稀有な体験ができました。西武のサード山田遥楓うまかったな〜、と思ったら普段から練習していたそうで、ああ地道にやっているとちゃんと披露できる時が来るんだなあと思った次第。
※↓トリプルプレーの感想です(サード詰めは無いです。勘違いに16日に遅まき気づきました、ご容赦🙇♀️)
⚾️メモメモ 西武トリプルプレー 現地ネット裏上方席で俯瞰できて感激 前球のバスター未遂があったとはいえバントの構えで全然詰めずにベースの横にいて慌てず捌き、2塁に剛球送球した山田遥楓地味にファインプレー+ちょい足遅甲斐くんの絶妙なバランスで生まれたアート https://t.co/lWnME3a3Oq
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2022年4月11日
⚾️メモメモ 日曜西武トリプルプレーサード遥楓のナイス守備位置 やっぱり内野陣日頃から練習していたのだとか やっぱそうだよねー 地味だけど上手かったよ。https://t.co/yW88ARswlg
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2022年4月12日
そして、個人的に楽しみにしていたのが、西武の4年目若手捕手・牧野翔矢のウォッチング。森のケガで突然白羽の矢が立ち、6日が初スタメンマスク。この時は先発松本の不調もあり初回から失点を重ねてしまいましたが、2回目のマスクとなった9日に、主砲抜きとは言えそこまでは好調だったソフトバンク打線を、見事0点に封じ込めていました。
ええ〜?って思いましたもん。いきなりソフトバンクを完封?って。牧野ってキャンプの時は抜擢で1軍組に入っていたけど、そのまま1軍になるとはその時は思えなかった。実際キャンプの映像では、元気は良いけど西武の選手にしては線が細いし、森や柘植に比べると守備特訓でいっぱいいっぱいなんだろな、って思っていたんですよ。練習試合などでは良いヒットも打っていたけど、最終的にはベテラン岡田か評判の高いルーキーの古賀に代わるんだろうな、ぐらいな感じ。正直、なかなか1軍定着はまだ先だろうと思ってました。
キャンプスタート以来、毎日午前と午後のキャッチャー特守でレベルアップに励む #牧野翔矢 選手!
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) 2021年2月7日
今朝もトレーナーと体の状態をチェックして、準備万端で早出練習に臨んでいます!#埼玉西武ライオンズ #seibulions #南郷春季キャンプ pic.twitter.com/KvDB0iN41e
ところが、当初強肩なども披露していたルーキー古賀がやっぱりまだまだだったこと、岡田が不調な様子で森もだいぶお兄ちゃんぽくなって岡田のフォローが無くともやっていけそうだったこと(やっていけなかったけど😅)などもあって、開幕1軍の切符を手中に。きっと、首脳陣の目からは上昇中だとも思われていたのでしょうね。
そして、開幕間もなくして突然の森離脱です。代役はまずは柘植がダントツ第一候補で、その通りにマスクを被りました。しかし中々崩れる投手を支えきれない試合が続きます。チームが負けが混んでしまっていたこともあるのでしょうが、投手のコントロールが乱れたりランナーを出したりすると、リードが保守的になるというか読まれている感がどうしてもあったのです。柘植も新人ですぐの時は結構面白いなというところがあったのだけど、段々無難になってきた印象。森とのやりとりなど見ていると機転は利くし包容力みたいなものもあるんですが、なんか、少し補助役な自分に慣れちゃったのかなあと思ったり。
やっぱり実際の1軍試合の経験が少ない若手控え捕手は、投手の調子が悪い時やピンチの場面での引き出しが少なくなってしまうところが難しいですよね。今年はどこも捕手に色々なアクシデントがあったりして、オープン戦の時から若手控え捕手が出ることが多かった。そして彼らは皆それぞれ長所があり、投手がいい時はきちんと勝ちまで持っていけるレベルにはある。ところが崩れ出すと早いんですよね。かわすことに行き詰まって狙い打ちされる感じ。オリの頓宮や福永、日本ハムの郡、ソフトバンクの海野などなど、みんな同じような引き出し不足を感じさせました。
牧野もね、6日の初スタメンの時はこの類だなあって崩れ方だったのです。絶対的に経験不足だよね、投手が不安定になるときついよねって感じ。それが、たった2日置いただけの9日は、打線がひと回りしたら必ず対策してくるソフトバンク打線を完封ですよ。えええ?何が起きたの?ってなるじゃありませんか。だから、10日は牧野が見たくて仕方なかったのです。
実際に見た牧野、良かったです!。めちゃがまん強かった。この日の西武先発は来日初登板のエンス。とても落ち着いてましたけど、でも緊張してるに決まってるんですよ。先頭打者いきなりフォアボール出してたし。でも牧野、そこをしっかり制御させてました。スポナビの1球速報見ると、打線ひと回り目に対してはほぼストレートだけで勝負させてますね。あの中村晃にさえ、粘られまくりながらずっとストレート押ししてる。エンスが長身で速球に力があったのでしょうが、若い捕手だとここでつい変化球で目先を変えたくなっちゃうと思うのですが、すごく根気があります。
この根気、簡単に打たせないという意味でも目立ちました。四球出したりボール先行になってきても、そこから簡単にはヒットを打たせないという意思がめちゃ伝わってきました。思えば6日の初スタメンの時はこの粘りが無かったんですよね。先発の松本が初回からいきなりコントロール悪くてテンパっちゃったのもあると思うのですが。ボール先行した後にストライク取りに行って打たれたり、四球出した後の初球狙って打たれたり。配球見ても、球のマークを全部結ぶと割と単純な「( 」とか「 L 」みたいな線になってる感じ。9日や10日の線は微妙に「S」や「〜」になるような出し入れがある感じ。(お暇な方は面白いからぜひ見比べてみてくださいませ)。
切替力、すごいなこの子って思いました。まだ21歳なのに、たった1試合の経験で2日間であっという間に引き出し増やしたんですよ。クヨクヨもしないで。そう簡単にできることじゃないと思います。試合後のインタビューがあったのですけどね、喋るの聞いてるとすっごいとっぽい感じがある。まだまだ「かわいいねえ」という子供っぽさというか。でも、よく聞いてるとインタビュアーさんの誘いに容易に乗らないんですよね。言われてる質問をしっかり把握して、自分が該当するのかどうかきっちり判断して、サービス精神からの軽い適当な返事をしたりはしない。これも21歳にしては中々なことだと思います。(後日インタビュー動画再見不可だったので新人時のものに変更。こちらも落ち着きは伝わってきます)
この意外なクールさはほんとにキャッチャー向きな性格なのかも、って感じませんか?ほら、オリックスのお茶ココ動画で、引っ掛けを寅威(伏見)や雅さん(松井)に一蹴された宮城くんが言ってたじゃないですか。「キャッチャーの人は頭がいい、、、ダメなんすよ、、、」って。ぽ〜っとして見えるのに、喜び直後のインタビューで相手の言葉を見極めようとする牧野は、意外な切れ者の可能性を秘めていそうな気がしてならない。
12日の試合は敗戦してパスボールも出ちゃったりしたけれど、あの不調な佐藤を何とか2失点で止め、その後は無失点だったのは頑張った方かと。そして13日の試合では、ジリジリ詰め寄られても焦らずに同級生の松本をリードしたし、9回大ピンチでの落ち着きも素晴らしかったと思います。
また、彼はバッティングでもしぶといところを見せてますよね。オープン戦でもチャンスで打点、初出場の6日も打点、3試合目の10日は打点の上にヒーローです。
もちろん、本当の壁はこれからやってくるのでしょう。体力だって頭だって疲れはどうしたって出てきます。森だって帰ってきます。森が帰って来れば、控えに戻ってしまう可能性は高い。けれども、この数試合だけで「牧野を出してやりたい」「しっかり試合で使ってみたい」と思わせるには十分なインパクトを残しました。このままずっと頑張れれば、森が戻っても牧野に与えられる試合は残るでしょう。
不動のスタメンキャッチャー森のアクシデントによる突発的なチャンス。チャンスの女神には前髪しかないなんて言いますが、後ろ髪だって無くはない。最初失敗したって冷静なら後ろ髪があることにも気づけます。その後ろ髪を牧野はガッチリ掴みました。味方のケガは不幸なトラブルですが、そういう時に自分が上り調子というのは幸運の星の下にあるとも言える。今後もぜひ、主戦捕手をフォローする立場に甘んじることなく、「もっと俺を使えよ!」とガンガンアピールする選手になっていってもらいたいな。
若手の控え捕手の立場は本当に大変だけど、何とか今後も試合に続けて出場し、経験を重ねていってほしい牧野です。