フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

中継ぎウォッチング 甲斐野 央(SB) フォーム改変も剛球はそのまま

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何しろ中継ぎフェチなもので

プロ野球で今や欠かせないポジション。毎日のように坦々と準備を繰り返し、短い出番に力を尽くす。しぶとくて味のある、これぞプロな選手達。そんな中継ぎ投手が大好きなのでシリーズ化してみました。

激戦続くパ・リーグの後半戦。ガチガチ大本命なのに、前半戦よもやの不調で4位に甘んじているソフトバンクからは、後半戦から活躍して、チームにブースト掛けそうな選手をピックアップ。千賀や高橋礼、森など、投手陣にたくさんいますが、スタが見ていきたいのは、大好きな中継ぎ投手、甲斐野 央(かいの ひろし)です。

 

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ニュー甲斐野見参 フォーム別人、球威マシマシ?

肘をケガしていた甲斐野の、1年半ぶりのピッチングを見たのは7月のエキシビションマッチ。肘に負担を掛けないためか、腕を後ろに下げないコンパクトなフォームはケガ前とは別人のようで、やっぱりちょっとびっくりしました。そして、もっとびっくりしたのは、彼がそのフォームで投げる球でした。以前とほとんど変わらない? 158Km? あれ、以前より速くなってる?もしかして。

 

ケガのためにフォーム改変する投手は大勢います。でも、なかなか苦労しますよね。近いところで菅野選手(読売)などもずいぶん変えて、調子が良さそうに見えたのに、また不調が出てきています。もちろん、フォーム以外の原因もあるのでしょうが。打者はしょっちゅうフォームを変える選手がいますが、投手のメカニックはもう少し繊細なように感じられます。

 

戻ってくるなり、「めっちゃ変わった!」が 「前より凄い!」となるケースは多くはないですよね。でも、甲斐野は確実に良くなった感じがする。大変な努力を重ねたことでしょう。練習でできてても、試合の舞台に立って緊張した途端、動きがぎごちなくなることもよくあるのに、ちゃーんと練習通りにできるってところがさすがプロですね。気持ちも強い。

 

エキシビションでは失点したけれど、後半戦が始まって本当の復帰登板では無失点。しかも、継投でのノーヒットノーランが続いている中で迫力満点ピッチング! 相手がどん底日本ハムとはいえ、素晴らしい仕上がり。エキシビ時よりさらにスムーズな感じ。大舞台に強い甲斐野が帰ってきた!って感じです。他球団戦々恐々と思います。まずは、復帰後とケガ前のフォームの違い、動画でチェックしてみてください。

 

7月エキシビション

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8月5日対日本ハム

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2019年新人投手時代

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デビュー年の輝き

甲斐野といえば、もうデビューした2019年のあの投げっぷりですよ。65試合登板ですもんね、新人で。そして、CS、シリーズ、最後はプレミア12 まで。どの場面でも期待通りに押さえまくっていましたからね。獅子奮迅、八面六臂。可愛い顔して阿修羅の活躍。大舞台でもピンチでも、口をへの字に結び、目をキラキラさせながらズドンズドンと剛球を投げ込んで、チームを救っていましたね。CS以後は点を取られる感じがなかった。誰もが驚嘆してました。そして心の片隅では密かに懸念もしていたことと思います。「すげーなー!。…‥壊れるだろなあ……」

 

案の定、壊れました。でも、あんなに生き生きとした投げたがりさんで、結果も出し続けている選手ですから、どうしたって使っちゃいますよね。途中で打たれ始めたりしていれば、ひと休みもあったかもしれないけれど。休ませられるのは嫌なタイプだったように見えましたね。

 

気性についてはすごく強気に見えた甲斐野。本人の言では、強打者相手にビビっているし、ナーバスでもあるらしい。大学時代は「すぐ、痛いだのかゆいだの言っていた」くらいひ弱でもあったそうな。それがプロに入ったとたん変わったんですね。ビビリ症だからこそ、反動で我慢強くなったのかも。また、不安を楽しむネアカさも、初期のインタビューでは垣間見えます。

 

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前向きに取り組んだ新フォーム

肘を傷めて当初は保存療法していたものの、思わしくなく結局手術し、やや遠回りしたケガへの対応。投げたがりで我慢強いところが災いしたかもしれません。手術の後は、やはり痛みが出て、なかなか思うように投げられなかったようです。スタも右肩の肩腱板断裂してて、肘も肘部管症候群ってやつなんですが、ほんとねえ、痛いと腕振れないんですよ。脳みそが動きに勝手にストップかけるんで。棒になっちゃう、腕が。でも、いいPT(作業療法士)さんに当たって、痛みが取れたら変わりました、世界が。痛いって、我慢して動ける痛みと、どうしても無理な痛みがありますよね。

 

甲斐野も、痛み回避のために思い切ったフォーム改造をしたようです。野球技術、バッティングなどでも、可動域の前半分で捌(さば)くな動きが流行ってるっぽい。コンパクトでいいけど、それで威力出せるのは、選手たちのパワーも上がってるんでしょうね。いずれにしても、大改造を短期間でものにできるところが非凡。そして、お!痛くないやん!と思ったら、もうガンガン行けちゃう性格なんでしょうね。切り替えが速い。果敢な性格が、急速アップという好結果に結びついたのではないでしょうか。

 

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再び輝く姿を 

中継ぎ投手の役割はきつくって、しんどそうなものだけど、甲斐野の登板はどこか明るい。彼が押さえたら、絶対チームに流れが来る感じ。他球団は今、「ヤダなあ……」って戦々恐々としてますね、きっと。

 

新人年に素晴らしく活躍してすぐケガをし、そのまま光を失ってしまった選手も多いけれど、甲斐野は大丈夫ですね。本当にたくましい。これからも、色々と壁は出てくるに違いないけど、彼は絶対へこたれなそう。

 

本人も望んでいるように、新人年を超える活躍をして、いずれまた代表にも戻っていく彼を見たい、と願っているスタなのです。

 

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