工藤監督が一番制御した相手は○○?
スタです! 写真や動画操作に四苦八苦してます。犬ぞり体験シリーズ(?)後編は「まーあ、つっよいわ……」なソフトバンクホークスについて。いつも強いけど、2020はまた呆れるほどぶっちぎってくれました。なんであんなに強いのか? 考えます。 前回同様、犬ぞり的視点から。
※ チーム名・企業名等呼称は統一化しません。
楽天編のテーマは配置でした。ホークスの場合、誰が見ても、まずはここがカンペキ。類まれな才能を発揮する脂の乗りきった中心選手が投手にも野手にもいて、どんな状況でも渋い仕事、値千金の仕事をするベテランが支え、間を、時分の花の輝きを放つ選手がうめていく。
選手層が厚い。主力が離脱しても、控え選手の力量や集中力も十分高くて、急降下しない。誰かいなくなったと思うと、代わりに長らくケガしていた実力者がしれっと戻ってきたりして、他チームにはたまったもんじゃありません。出ればみんな、勝負のアヤとか勘所をわきまえているんですから。
さてここで、犬ぞりです。私初乗りの時の動画があります。実は、コーナーを曲がる瞬間(開始5秒くらい)に、白いワンコが御者の私を振り返るんです。ぼやけた画像でわかりにくいですけど。全画面とかだと見えるかな。
犬ぞりには、足元にバーのブレーキがありまして、コーナーとか下り坂とかではそれを踏んで調節するんですね。下りで犬のスピードより速くなるとぶつかりそうで危ないし、綱がたるむと緩やかになった時にまた力を入れて引かなきゃならず、せっかくの加速が無駄になる。でも、ビビリまくった私は、コーナーでブレーキを踏みすぎたんです。そしたらね、こっち見るんですよ、リーダーワンコが。「おおーい!重いよ!!」って。↓こんな感じ。
ワンコと目があった瞬間の申し訳無さたるや……一生忘れません、はい。もちろん、その後はワンコたちにお任せです。ストレートコースで風を切る爽快感も絶対忘れません。見事でしょう!身体をピタリと寄せた彼らの疾走。
ね、ソフトバンクの選手たちも、この優秀なワンコたちと同じなんですよ。コースは熟知して、コーナーのリスクも雪のコンディションもすっかりわきまえてるし、スパートをかける時には一瞬にして1つの塊となってばく進できちゃうんです。
これだけわきまえた選手が揃っていたら、誰が大変かと言えば、やっぱり御者である監督さんだと思うのです。昨年の工藤監督は、ただただ、選手たちのペースが崩れぬことに心を砕いているように感じました。表情が終始安定していたのが印象的です。
かつての工藤監督は、選手が不甲斐ない場面で、驚くほど剣呑な表情になることがありました。丸い大きな目のかわいい顔立ちだから、怒り顔の怖さが倍化します。もう捕食するクリオネレベル。年々回数は減りましたが、一昨年はまだ時々ありましたね。発散系の星野監督とかとはまた違うタイプの迫力だから、あれはやっぱり選手も「やべ、監督マジ怒った……」とドキドキすると思うんですよね。
それが去年はほぼ無かったと思うんです。試合数が少ないとはいえ、イライラする場面はあったと思うのに。最後ぶっちぎったとは言え、残り数週間までは、結構追いつかれそうな時もあったのに。工藤監督は上手く行かない時も、ちょっと困ったような呆れたような顔をするだけで、その眉間に深い縦じわが寄ることはついぞなかった。
部屋中データのファイルだらけという工藤監督ですが、自分の心の持ち方や気持ちの表し方についてもすごく努力されてるんだろなと思います。昨年、工藤監督が一番制御したのは自分ではないでしょうか。だからこそ、ソフトバンクホークスは最後あれだけ一丸となってゴールをまで駆け抜けた。そんな風に感じます。
※この記事はnoteで一度公開したものを移行したものです。