昨日、二人の「雅」が奮闘しました。西武・岡田雅利とオリックス・松井雅人。普段は長い出番がなかなか巡ってこない控え捕手です。二人とも打力が乏しいため、日頃の試合は縁の下の力持ち的存在ですが、絶対にチームには欠かせない選手だということがよくわかる仕事ぶりでした。スタはこういう選手が大好きです。
岡田は、主砲で正捕手の森がコロナ罹患確認で山川と共に抹消されたため、急遽のスタメンスタートとなりました。調子の上がらないチームの中で、唯一打棒炸裂していた森でしたから、その代理は重責です。しかし、前日打ちまくったソフトバンク打線を相手に、まだ頭角を現して間もない若手の先発・渡邉 勇太朗や中継ぎ投手を見事にリードしきって完封勝利。さらにはバッティングでも、粘りに粘った末に貴重な追加点の打点を挙げ、お立ち台に上がる大活躍。ヘルメットから流れ落ちる汗が滝のようだと、パテレにクローズアップされていました。いやもう、想像を超えた滝汗でしたね。ポタポタぽたぽた雫がこぼれるのかと思ったら、ペットボトル傾けたのか、ぐらいな勢い。お疲れさんでした。
一方、オリックス・松井も、チームのピンチでの途中出場でした。先発の山崎颯一郎が、どこに投げようとしてるのかわからぬほどの大乱調で早々降板。二番手の山田も回跨ぎしたら追加失点。いやはや、これはこの先どうなっちゃうのか……と先が見えない状況で、先発捕手の伏見に代わり、５回からマスクを被りました。投手は直前の試合も失点している漆原。決して安定しているとは言えません。しかし松井は、強気に内角も要求しながら、テキパキとリズム感よく漆原を２イニング引っ張り、その後の冨山、澤田でも無難に楽天打線を押さえます。これでチームは落ち着いて反撃に転じ、負けはしたものの良い雰囲気で試合を終えることができました。
両者とも、地味ないぶし銀選手。でも、選手やファンの間では大の人気者。タイプはずいぶん対照的です。賑やかで陽気で少々暑苦しい岡田。高校の後輩の森に慕われていじられまくり、それを小言を言いながらずっと相手をしてあげる優しさと気遣い。ボケとツッコミをわきまえ切った関西弁。完全に大阪のおかんです。ニックネームは、「おかだまさとし」の名字と名前を合わせてものでしょうが、おばちゃんタイプであることも少なからず影響ありそう（笑）。ニコニコと安心できるほのぼのキャラで、チームのムードを明るくします。
松井の方はクールでダンディ。トレードで来てまだ３年ほどですが、前身の中日時代から人気者だったのが、そのままオリックスでも続いています。広報活動が盛んなオリックスですが、松井の扱いは完全にイケメン枠。捕手最年長のベテラン選手なのに、イケメン若手の宝庫のオリで、彼らに伍して企画登用されるのがすごい。ニックネーム「みやび」は松井雅と名前がひと文字で表記されることもあるのでしょうが、エレガントなルックスが由来でしょう。そして、ベンチでも投手の気質を見極めながら、隣に座って声をかけているそうです。自分の役割をわきまえて、静かにこなす姿もクール。紹介記事は登録制ですが無料なので、良かったら登録して読んでみてください。
地味で中々試合に出場できなくとも、素晴らしい役目を果たす選手はたくさんいます。彼らはまた、特に素敵なキャラクターだったりもします。昨日はそういう選手が活躍しました。いい夜だったと思います。
