些細な日々のこと。
サン・テグジュペリの『星の王子さま』。私の年代のちょっと本好きな人間には結構思い入れがある(と、思う)。子供の頃プレゼントで貰った。偏屈な子供で本以外はあまり喜ばないので、周りは本を与えときゃいいわと思っていたらしい。おしゃれな装丁の童話は気に入って、繰り返し読んだ。
やがて童話の延長として、『夜間飛行』だの『人間の土地 (または『人間の大地』)』だのを読むようになって、ますます思い入れが強くなる。そして作者の伝記を読んだあげく、テグジュペリがマザコンで浪費家で、いい歳になってもママにお小遣いをねだってたと知って愕然とする。
まあ作者は意外にダメダメだったと知っても、子供の頃に刷り込まれた本への執着は残るわけで、ついつい伊豆高原の「星の王子様ミュージアム」なんかにも足を運び、自分へのお土産を買ってしまい、それを捨てられずにいたりする。最近時間もあるせいで、ふとコーナー作ってみようか、などと思いついちゃった。
貧乏性で捨てられないミュージアム土産は、お菓子が入ってたバスケット型の缶。真鍮のぞう(ウワバミ無し)の置物は、結構昔にタイで買った土産。バオバブの木の砂絵瓶は、確か遠い昔に雑貨屋「東京かんかん」で見つけたはず。そして、問題は準主役のバラの花だった。らしいモノが見つからない。ずーっと見つからない。
なので、作ることにした。雑貨屋に行くたびにちょろっと材料を探していたら、チープ雑貨屋「ナチュラルキッチン」に何百円かでそれっぽいガラスケースを発見。バラの蕾は生花をちょっと手折り、シリカゲルに埋めて3週間。地面は、お絵描き遊びで随分使って黒くなってた練り消しゴムを延ばし、鉢植え用の底石をちょっと削ってまぶす。すっかりドライフラワーになったバラを刺せば出来上がり。
先日、若い人と話したらほとんど物語を知らなかった。もう、あまり誰でも知ってるお話ではないのだなあ。落語の先代円楽が「星の王子さま」と自称したら笑ってもらえたのは、遠い昔のエピソードになっちゃうのだな。
野球の解説者の星野伸之さんが、若い頃はイケメンで星の王子様と呼ばれて人気を博したという話も、実は意味がわかっていない子も多いのかもね。なんで星の王子様なのかなって。この童話もそろそろ、アイドルさんなどに紹介された方がいいかもしれない。
かくいう自分も結構細かいところを忘れてしまっていたりする。新訳も読んでいない。しばらくしたら、また読み直してみましょうかね。
などと言いつつ、たぶんいつまで経っても読んだりはせず、ぼーっとコーナーを眺めているだけなのだろうけど。
<関連紹介>
※本は今は他にも色々新訳があるので読みくらべたい(いつか)
※しかし、バオバブの木はピンチらしい…。
WEB特集 バオバブの大地の悲鳴が聞こえますか? | 環境 | NHKニュース
※テグジュペリの他の本も新訳でも読んでみたい
※こちらも新訳もある
※子供の夢をぶち壊してくれた本がこちら
※海外著作の伝記も読んでみたい
※風情のない微妙なホームページ…🙄。テグジュペリの簡素な仕事部屋の再現が良かったな。
www.tbs.co.jp
※アフリカ雑貨は珍しかった時代の走りのお店。
※100均よりちょっぴり夢がある物があるのが楽しい。