フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【新庄監督の処方箋】万波中正の送球、豪快大暴投はもう見られない?【守備ウォッチング】

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日本ハムの万波中正が大暴れしています。昨日まで3試合連続パワーで持ってくホームラン。スポーツ各紙を飾る目立ちぶりで、新庄監督もスター誕生第1号と認めた模様。

www.daily.co.jp

 

、、、でも、ちょ〜〜っとお待ちください!(通販風)。お忘れになってはいけません。スタは少々ひねている。そして、この時期に「いよいよ覚醒!」とか「絶好調!」と踊る文字を見たら、やや後ずさりして様子を伺うタチであります。

気持ち的にこんな感じ↓

www.youtube.com

 

というわけで、今日はバッティングではなく万波の守備の話題。彼の送球についてのウォッチングです。キャンプ中は散々クローズアップされた新庄監督の外野手送球練習。その効果で、元々バズーカ肩であった分とんでもない暴投も頻出していた我らがまんちゅうの送球はどう変わったか? 去年の春の試合で彼に注目した時からの変化をウォッチしたいと思います。

 

 

万波2021年5月身体能力系キャッチボールを見せる

 

当ブログを再開して間もない去年、2021年の5月12日。東京ドームの日本ハム主催試合を観戦した際に、万波と中田翔の試合前キャッチボールを見ることができました。その様子が結構興味深かった。素人目だけど彼らの投げ方は明らかに違うなあ、って感じて動画に撮り、それを記事にしました。


中田はさすがに元投手。もうお手本のようにきれいな投げ方。一方の万波は、ただただリズム感で投げてる感じでした。当該記事を出した時はまだ万波はほんとのペーペー。前日の試合で三振しまくっていたのに、1軍で試合に出られるだけで、中田とキャッチボールできるだけで嬉しい!っていうような様子でね。微笑ましいのなんの。だから、記事では、「うん、投げ方がバラバラだねえ、、、」とか「、、、こりゃきっとコントロール悪いだろなあ」とか内心思ったことは書いてません(笑)。

f:id:Stadienne:20220310195029j:plain


その代わり、いつか彼が中田のようなしっかりした投げ方をする日が来るかな、そうしたら返球の精度がうんと上がるかも、なんて願望をつぶやいたりしています。そういう日が1年も経たないうちに来そうだなんて、記事を書いた時には想像もできなかったな。どうぞ皆さんもぜひ、こちらの記事を読んで、当時の彼のキャッチボールを見てみてください。

stadienne.xyz

 

 

万波2021年夏トンデモ暴投バックホームを披露する

 

5月に万波のキャッチボールを見た時に薄々感じたコントロール難。その後、1軍の試合で超弩級な形で表面化します。並外れた走力やジャンプ力、柔軟性で、キャッチングでは素晴らしい守備を重ねてパテレの常連。しかし、投げる方にどうしても粗が出ちゃう。有り余った力ゆえに悪送球のスケールも半端ない。


6月26日には、背伸びするキャッチャーの倍くらいの高さを素通りしてバックネットに直撃する大暴投(5回表)。いやもう、センターからバックネットに虹がかかったか?くらいのスケールです😅。お客さんも、嘆息通り越してどよめいております。

(※記事公開時のクリップ動画は視聴不可のため削除)

※パ・リーグTV2021.6.26(有料会員コンテンツ)

pacificleague.com

 

あまりのスケールに、当時の栗山監督も「どうせやるならガムシャラに」と庇っています。5月観戦時のスタと同じような感想です。去年の万波は、まだ若いんだし、今はやれることをやって経験を積んで、と「ノビノビ」という言葉で許される環境の中にいました。

www.sponichi.co.jp

 

しかし、本人の反省や神妙な表情、監督の「極端に失敗したら次に生きる」という願望がまだ記憶にも新しい7月14日にまたまた大暴投。こうなるとさすがにパテレも見逃してはくれない。

www.youtube.com

 

この頃の彼は、いい送球になる時の自分と暴投してしまう時の自分にどういう違いがあるのかわかっていなかったのかもしれません。しかし、彼の暴投には、「ミス」や「エラー」のひと言では片付けられない迫力もありましたね。見る者を唖然とさせる。ファンは悩みますね、これをロマンと呼んでいいものなのか?そうなのか?

 

万波2021年秋季練習で新庄監督と出会う


こんな破天荒な送球を見せていた万波にとって、外野守備の名手だった新庄監督の就任は運命の出会いと言っていい。昨秋の練習の初遭遇から、早速「気づき」を与えられて行きます。一番距離の出る角度に投げればいいというものじゃないということ、受け取ってキャッチしやすさに大きな違いがあるということ。若者は、「送球とは何か」ということを初めて違う角度から考えるようになった模様。

 

※↓日テレニュース24  2021.11.24記事より一部抜粋引用。全文はリンクからサイトをご覧ください。

https://news.ntv.co.jp/category/sports/a7bac586d5864db8bda7ba6eebc6c4b0

プロ野球・日本ハムの万波中正選手は10日、沖縄・国頭村で行われている秋季キャンプで新庄剛志新監督の指導を受け、充実した時間を過ごしていることを明かしました。

現役時代の新庄新監督と同じポジションの外野を守る万波選手は「守備のスローイングの意識のことを自分でも聞いたりして、『低い高さで自分がワンバウンドで投げられるようなスローイングを心がけよう』と言われたので、常々低い球投げろというのは印象的なことだったかなと思います」と、アドバイスを受けたことを明かしました。

 

 

万波2022年春キャンプで送球を特訓する

 

そしていよいよ日本ハムの春キャンプ。新庄監督はここでも送球練習を徹底していました。中には、今まで見たこともない、メディアが飛びつくような方法での練習もあります。手伝うスタッフも大変です(笑)。しかし、見る方には面白いし、意図を聞けばなるほどと思う。万波も楽しみながら、コツを体に染み込ませて行ったことでしょう。

 

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とはいえ、物心ついてからプロ入りして数年の間までそれで通してきたやり方を変えるというのは、そんなに簡単なことではない。体に染み付いた感覚ですからね。頭でいくら考えてもなかなか抜けない癖もある。監督は手を変え品を変え、凝り固まった動きグセをほぐそうとする。そういう体験も、若者にはフレッシュだったことでしょう。キャンプ中の貴重な動画を一般の方が投稿してくれていました。ありがたいです。

 

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万波を教える新庄監督は処方箋が書ける医者である

 

ここまでを見てきて、新庄監督に感じるのは「教えること」への才覚です。ペナントレースが始まればまた、相手の分析や采配など多くの要素に才覚が必要となる監督業。それは開幕してからでないとわかりません。しかし、今の段階で日本ハムの若い選手たちに一番必要だった要素に関しては、十二分に満たす存在です。

 

キャンプでの新庄監督を見て思い出した本があるんですよ。旧ソ連時代に、体制の圧力に抗しながら70歳まで舞台で踊った名バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤの自伝『闘う白鳥』。完読は挫折しました💦。しかしその最初の方に、バレエ教師について面白いことを彼女が言っていたのが忘れられない。内容はおおよそになっちゃいますけど、こんな感じ。

 

生徒の踊りの欠点について、平凡な教師は「ここがダメだ」とか「ここをもっと上手く踊れ」みたいな指摘しかできない。診断だけはできる医者と同じ。優れた教師は、具体的に「手をこちらの方向にこう伸ばせ」というような言い方をする。それだけで踊りが変わる。優れた教師は処方箋が書ける医者と同じだ。

 

新庄監督の送球練習のレッスンって「処方箋」だよな、って感じました。暴投しないように集中しないと、とか、力任せに投げるな、とかが一般的な注意だと思うんですよね。それをさらに力任せにはどうしたって投げられない練習をしたりしてる。外野手の万波にショートの練習をさせたり、試合でサードを守らせたことについては、軽くスナップで投げる感覚を掴んで欲しかったから、とインタビューで答えてます。症状に対してピンポイントで効くようにと考えて、レッスンを処方してるんだな、ビッグボス。

 

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万波の処方箋の効き目はまだまだこれから表れる

そんな処方箋レッスンで動きグセを治してきた万波。効果は今のところテキメンです。むやみやたらと距離を出そうとするやけっぱちな送球はなくなりました。他の選手もそうですが、低くコントロールされた送球をしようとする姿勢が基本になってきています。試合の中でも、ビームスタイルで受け手のグラブに収まるような送球を見せました。後は本当の試合の切羽詰まった場面で、これが忘れずにできるかどうかですね。

 

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実のところ、シーズンが始まったらまだ迂闊な送球が出る可能性はあるんじゃないかな、ってスタは踏んでます。相手がすごく優れた走力の持ち主だったり、ゴロをちょっと弾くなど些細なミスをした後だったり、受け手が何かの原因で定位置にいなかったり。アクシデントに冷静に対応できない時も出てくるんじゃないかな。それから、打てなくなってきた時も危ない。守ってても打つことばかり頭に浮かび、ある日ストレス爆発したやけっぱち送球が出てしまったり。

 

今は調子良く成長できているけれど、一流への道はまだまだこれからだと思います。新庄監督が処方箋で出したのも、たぶんまだシロップ薬の段階です。だって、囲みインタビューの新庄監督、「プロならできんじゃね?って思うけど」って、生徒の子供っぽさにちょっぴり呆れた本音も垣間見せてる(笑)。まだ苦い薬は出せねーよなって思いながら教えてるんです、きっとね。万波自身もまだこれから苦労する時が来る、という覚悟はできているみたい。オープン戦の活躍にも浮かれた様子がなく、コメントも慎重です。

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きっと、今年は本当の成長を見せてくれることでしょう。去年5月の粗さが目立つロマン枠のペーペー選手から、1年足らずですっかりチームの期待の星にのし上がってきたまんちゅう。あの超弩級暴投が見られないのは、ちょっと寂しくもあるけれど、頑張って大人な選手に変身していってほしいものです。

 

 

 

本文内紹介の本。スケートコーチさんとかあの体制の中女性が鉄になる理由も理解できる。