フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【オールスター第1戦感想①】ソルティ聡の深慮【楽しくも細心な選手起用】

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いや〜、昨夜のオールスターゲーム第1戦、楽しかったですね〜。コロナクラスターで辞退者が続いて懸念の声もあったけど、開催されて本当に良かった。緊急招集でバタバタでも体があちこち痛んでも、明るく精一杯力を発揮してくれる選手に感謝。

 

先攻されたものの、山川ほたぴの超真っ芯特大爆速ホームランで反撃開始、からの清宮サヨナラホームラン。投手もほとんど全員力を発揮。フィルパリ的には最高な展開のパ・リーグ激勝。こんなに痛快に勝てたのは久しぶりです。最初から最後までのシーン全部語りたくなっちゃうくらい。

 

まあ名場面振返りをしだすとキリが無いので、試合展開以前に感じた今回のオールパシフィックの印象をまとめます。まずは、凄い深慮を感じたソルティ聡(中嶋監督)の選手起用について。

 

①”楽しむ”ことを大事にする姿勢

中嶋監督、昨夜の勝利監督インタビューは相変わらず塩でしたね〜。いや日頃の試合のインタビューに比べたら全然喋ったし、ちゃんと笑いも取ってもいたんだけど、知らないファンはたぶん、「この人ぶっきら棒」って思ったに違いない。去年の首脳陣トリオは前に出てワイワイしてたのに、中嶋監督は結局いつも同様、奥の片隅で石井監督たちとボソボソ。もお、絶対ネクラにしか見えないやん🤣。

でも、そんなソルティ聡が、実は一番オールスターを楽しくしたいという願望を持ってたんですよね。開幕前夜の両軍監督インタビューを聞いて、切にそう願ってるんだなあとわかり、スタはちょっと感動しましたよ。

 

②去年に比べて増やした投手の人数

オールスター全出場選手が決まった時、去年と比べて投手が多くて野手が少ないことにびっくりしました。とにかく投手を極力多くしてやりくりする、という意図が見えます。

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そうしたら、昨日は本当にひとり1イニングで投手を注ぎ込んで行きましたねえ。で、ここからちょっとファンサイドの声でびっくりする現象が発生。セ・リーグの投手の2イニング登板させた采配がめちゃくちゃ批判されたのです。まあ、通常試合から間隔が空いてなかった投手がいたり、監督のチームの投手は1イニングだったという事情もあり、要領も悪かったのかなとは思う。でも、各球団の主軸先発だと2イニングは結構普通だったんですよね、ついこの前まで。昭和の昔は3イニングも良くあったけどさすがに多いね、ぐらいな感じで2イニングはあった。

 

それが昨夜は、「回跨ぎさせた」と大騒ぎになっているらしい。で、その流れで「パは全員ひとり1イニングなのに」となってるらしい。ここに、凄い時代の変化を感じました。オールスターで投手を1イニングでどんどん交代させるのは、確か落合監督がやって注目されて、その時は結構批判された記憶があります。いい投手次々出されたらそりゃ打てるわけないよ、つまらないよ、って。今回も確かに、パご自慢の中継ぎ陣を繰り出した5回以降セはノーヒット。ですが、そんなことされたら打てるわけない、つまらない、という声は聞かないです。

 

この数年、球数制限問題などもあり、投手の負担については素人のファンでさえ敏感になっている。そういう中で、オリックスの監督に着任してから中継ぎ投手の3連投回避を徹底させたりしていた中嶋監督。今回のオールスターの投手起用に関する世間の反応を見て、彼がすごく的確に野球界の考え方を先取りしているんだなと感じました。

 

③個々の事情への思いやりが伝わる投手起用

人数多い上に直前での入替もあったりしたのに、投手の起用もめっちゃ配慮されてましたよねー。育成からオールスターへ大躍進した大関は地元で先発の晴れ舞台。緊張するのは当たり前で、失点もしちゃったけど、初回の失敗なんて取り戻してあげられる。大役果たしたあとはゆっくり勉強すればいいですからね。泰ちゃん(山岡)や則本の先発陣もなるべく早めに投げさせて、中継ぎ陣の投げる順番も違和感が無かったです。緊急招集の本田、小野は気楽な場面で伸び伸び。益田もたまには気楽な場面に回ってフラフラ投法で楽しんでもらう。若くて勝ち気な連中には終盤で腕ぶしてもらう。


そして、滅多にプロ野球開催が無い松山での第2戦に、ノーノートリオや彼らに負けない技術と華がある先発と、四国の大学出身の水上を回してね。東浜が地元ペイドでの登板できなくとも、ノーノートリオだからとなれば「なるほど!」って思います。きっと第2戦もみんな良い投球を見せてくれそう。

 

④野手への信頼感と若武者への配慮

打順のオーダーも、前夜インタビューで「ガチャですね」なんて言ってた割に、すごく真っ当(笑)。オーダー見た時に「おお〜う!!」って痺れる並びでしたもの。相手投手もいいのでもちろん簡単に点は入らないけど、次々バッターボックスに入る顔ぶれ見るだけで楽しい。スイング見るだけで笑っちゃう。


野手少なくてケガ抱えてる選手も多いからなあ、と心配したけれど、プロのトップ選手の体力と気概は別格でした。そして、それを信じて託す、ソルティ聡が凄かった。捕手も、「え、2人?」って懸念したんですよ。でも、自分も捕手だったソルティが一番よくわかってて、この投手たちにこの捕手なら大丈夫って信頼してたんですね。


松川の使い方も素晴らしいじゃないですか。1戦目は最初の方はよく観察して、世話は面倒見の良い山川ら選手に任せる。そして、チームメイトの益田の時に登場し、試合の締めまで受けさせてもらう。自チームでは終盤は他の捕手に交代することが多い松川です。今回、他チームの一流中継ぎ陣を受けることはどれほど勉強になることか。そして、今日はたぶん、朗希以外の豪華先発陣も受けさせてもらえるはず。由伸(山本)や東浜と朗希の違いを肌で感じた松川は、後半戦ひと皮もふた皮も向けた選手になっていくに違いありません。捕手2人の人選は、ソルティ聡の、捕手の新星・松川に良い経験をさせたい気持ちと、あとは森で大丈夫という信頼感の表れだったのだと思います。
 

まとめ

「楽しくやってほしい」という願いを持ってるソルティ聡。その願いが昨日の選手起用や作戦にも滲み出ていたと思います。意図が明瞭で余計な計算を感じさせないから気持ちいい。あとは、昨日の勝利監督インタビューの最後で、まだベンチの中が遠慮しておとなしいことに注文つけてましたから、今日はもっとベンチの選手たちがはっちゃけられるといいなあ。ま、言ってる本人が、お供のコーチたちがいなくてはっちゃけ切れずにいるのは内緒にしときましょw。