フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグとファイターズをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【サブグラ、スタジアム】キャンプの各練習施設をコース料理に例える【通路、室内練習場】

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 プロ野球好きなら一度は行きたい春季キャンプ。広い敷地内に点在する各施設で行われる練習にはそれぞれ特色があり、味わえる楽しみのタイプもそれぞれです。今回は、その違いをコース料理に例えてみます。

 前回記事のブルペンはキャンプの華。ちょっとあるだけでステキな食事の気分を盛り上げてくれる盛り花やフラワーアレンジメントでしょうか。さて、そのほかの練習施設は何にあたるのでしょう?

 

サブグラウンド=オードブル

 

 キャンプ地に入っていくと、サブグラウンドはたいてい最初に覗きに行きやすい場所にあります。そして、朝イチの投手陣キャッチボールや投内練習、特守など、見ていて飽きない練習が目白押し。

 キャンプでのサブグラウンドは、まだまだ軽いメニューだけど、これから広がるワクワクの火種が胸に灯る場所。朝のアップはもちろん、練習の最後の個人特守でも、ああここからどんどん選手が上達していくんだね、という希望が湧いてくるのです。

 ディナーで言えば、少量ずつの、でもシェフの個性が凝縮されたような料理を色々出され、その後への期待が膨らむオードブル。 

 この施設は見ているこちらと同じ地平なので、まるで、街の子供たちの練習を見守るような気持ちになれます。選手の顔がはっきり見えたり会話の声や捕球音がよく聞こえたり。その近さで、選手の体の大きさや動きのダイナミックさにびっくりするし、どんどん気持ちがその練習に引き込まれていきますね。

 オードブルが美味しいと、それだけ食べていても満足感がありますよね。ほかに移るのがもったいない。そう感じるくらいの楽しみがあるのがサブグラウンドです。

 

 

スタジアム=メインディッシュ

 

 プロ野球のキャンプ地が始まるのは2月。それまでは冬の部屋の中で、あーあ、野球ないとつまんないなーってモヤモヤな毎日を過ごしていたファンは、キャンプが始まってやっと冬眠から覚めることができます。球春到来の喜びを胸にソワソワしながらキャンプ地を訪れて、スタジアムの威容が目の前に飛び込んで来た時は感慨ひとしお。

 遠出の旅でも、聳える壁と入り口の球場名を見上げた瞬間に疲れが吹っ飛ぶ。久しぶりだねえ、と壁を撫でたくなるぐらい懐かしい気持ちが湧いてくる。青空が背景ならもう最高。

 そんな主球場は、もちろんディナーで言えばメインディッシュ。狭い階段を上り、少し薄暗い通路を抜けて、パーっとグラウンドが目前に広がった瞬間の高揚感は、大皿の丸焼きチキンの蓋が取られた時のよう。

 とにかく球場の練習では、野球の最大の魅力のひとつ、「視野角の広さ」を堪能すべき。野手陣が次々繰り出す個人打撃の練習でも、試合同様に選手が守備につくシート式練習でも、グランドを360度目で追えるし、空に限りなく近い、別の球技ではなかなか見やれない高さまで視線を上げることができますからね。

 その「視野角の広さ」が呼び起こす晴ればれと沸き立つ気分は、他の施設では味わえません。また、様々な練習用具の扱いなどが見られるのも隠し味。とにかく、メインディッシュの物理的なボリュームと存在感があるのがスタジアムです。

 

 

通路=デザート


 キャンプはプロの選手の練習姿を見る所。でも、練習の合い間の素顔っぽい様子が見られるかも、という期待は、キャンプ見学の大事な要素ですよね。そういう様子を見られる可能性が高いのが、施設間を結ぶ歩行者通路。

 誰がいつ現れるかわからない。でもキャンプでは、よほどのことが無ければ、選手がリラックスして歩く姿がひとりやふたりはきっと見られます。遠く風景に溶け込んで絵葉書のように歩いく姿を見かけたかと思えば、突然、予想外に近い場所に出現したりもする。その度にドキドキしちゃう。

 通路はディナーの中ならデザートですね。それが目的じゃないけれど、絶対欠かせない。なかったら悲しい。あればほんの少しで幸せになれる。

 通路で見かける選手はリラックスしていることがほとんど。帽子も浅被りでちょっとした荷物を持ったり複数同士でわやわやしたりしながら歩いています。リュックやバックに付いてるマスコットやバッジに目を引かれるのも面白い。

 時には敷地内のお店に顔を出したり沿道のファンと会話したりすることさえある選手たち。運が良ければ即席サイン会が始まることもあります。種々の問題もあるので簡単にはできないけれど、選手たちは、できればやりたいと思ってくれているのです。

 彼らのソフトな姿やサービス精神が垣間見られるのが歩行者通路。デザートも、シェフのサービス精神が表れるし、そんなにがっつりしてなくても楽しめますよね。オードブルやメインの練習をしっかり味わったところで、少量でも楽しいデザート的光景に出会えるのが施設間の通路です。

 

 

室内練習場=特別メニュー

 

 キャンプで雨天や夜間に練習するための施設、室内練習場。もちろん、晴れた昼間でもそこで練習する選手はいます。でも、完全に遮蔽されているケースも多いし、窓から覗けたり扉が開放されたりしても、何重ものネットで選手が網の中の魚状態の場合がほとんど。練習が見やすい施設ではありません。

 それでも、なんとか中が覗けて網の中の魚くんの練習が見られると、この選手が特打しているとか、あの選手が基礎練習をコツコツやっているとか、「ほおお」と思うことが多い。すごくすごく運が良ければ、練習を仕切っている人の判断で中で見学させてもらえる場合もあります。そういう人の話を聞けば、超ラッキーで羨ましくて仕方ない。

 こんな風ですから、「見られたらお得!」感がとても高いのが室内練習場。ディナーで言ったら特別メニューでしょうか。たまたま珍しい食材が手に入ったので、いつもご贔屓にしてもらうからサービスで、などと、予想外に出してもらえた普段にはないメニュー。

 無いのが普通。でも、あればすごく得した気持ち。今回のキャンプ巡り、完全遮断だった名護の室内練習場のそばを夜通りかかった時、明かりがついてるのを見て打撃音が聞こえただけで、「ああこの時間まで練習を間近にしたファンは私だけかも」ってほくそ笑んじゃいました。

 もし、室内練習場での練習を見られたら、どんな状態だったとしてもあなたもほくそ笑んでくださいね。中々味わえぬ特別メニューを提供されたのですから。