プロ野球好きなら一度は行きたい春季キャンプ。広い敷地内に点在する各施設で行われる練習にはそれぞれ特色があり、味わえる楽しみのタイプもそれぞれです。今回は、その違いをコース料理に例えてみます。
前回記事のブルペンはキャンプの華。ちょっとあるだけでステキな食事の気分を盛り上げてくれる盛り花やフラワーアレンジメントでしょうか。さて、そのほかの練習施設は何にあたるのでしょう?
サブグラウンド=オードブル
キャンプ地に入っていくと、サブグラウンドはたいてい最初に覗きに行きやすい場所にあります。そして、朝イチの投手陣キャッチボールや投内練習、特守など、見ていて飽きない練習が目白押し。
キャンプでのサブグラウンドは、まだまだ軽いメニューだけど、これから広がるワクワクの火種が胸に灯る場所。朝のアップはもちろん、練習の最後の個人特守でも、ああここからどんどん選手が上達していくんだね、という希望が湧いてくるのです。
ディナーで言えば、少量ずつの、でもシェフの個性が凝縮されたような料理を色々出され、その後への期待が膨らむオードブル。
この施設は見ているこちらと同じ地平なので、まるで、街の子供たちの練習を見守るような気持ちになれます。選手の顔がはっきり見えたり会話の声や捕球音がよく聞こえたり。その近さで、選手の体の大きさや動きのダイナミックさにびっくりするし、どんどん気持ちがその練習に引き込まれていきますね。
オードブルが美味しいと、それだけ食べていても満足感がありますよね。ほかに移るのがもったいない。そう感じるくらいの楽しみがあるのがサブグラウンドです。
⚾️日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月5日
サブグラウンドでのランニング
15年前はランしかできないトラックのグラウンドだったなー pic.twitter.com/4ewG2fW8gl
⚾️20230208オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月9日
今年の地獄シャトルランは青空の下。
これだけ並ぶと壮観。 pic.twitter.com/HiWCiVdmX0
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月14日
これ見られるだけで来た甲斐があると思う投手陣キャッチボール。距離バラっバラなのがオリらしい所w。
山﨑福也 山本由伸 山岡泰介 小木田敦也 田嶋大樹
ワゲスパック pic.twitter.com/m0rNRori5h
⚾️20230208オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月9日
W山﨑キャッチボール
(左が福也、右が颯一郎、手前のちらりは平野) pic.twitter.com/UTineInZZX
⚾️20230209ソフトバンク宮崎生目の杜キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月10日
ちょうどキャッチボール開始
稀少長身脚長アンダースロー高橋礼の稀少下手投げキャッチボール
復活待ってるよ pic.twitter.com/rmP2bCKopR
⚾️20230209ソフトバンク宮崎生目の杜キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月10日
ショートスロー競争
後ろでこういうの大事と声掛けしてるのは斉藤和巳コーチ pic.twitter.com/lw8GGZxQyt
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月14日
宮城くんバント処理練習
うまいね pic.twitter.com/9vifBAZMcu
⚾️ 2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
投手陣ゴロキャッチ練習
とにかくかわいいタジのチョコチョコ走り
田嶋大樹 pic.twitter.com/q4rOXnXUPB
⚾️20230209ソフトバンク宮崎生目の杜キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月10日
投手陣バント処理練習 pic.twitter.com/g3B3RuMton
⚾️2023.2.4-5日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
アップでちょっと肩違和感してトレーナーさん呼ぶジェームス
特守、というより足の運びの復習だったな
まだまだステップアップだね
野村佑希 pic.twitter.com/9Ss2FOzTqu
スタジアム=メインディッシュ
プロ野球のキャンプ地が始まるのは2月。それまでは冬の部屋の中で、あーあ、野球ないとつまんないなーってモヤモヤな毎日を過ごしていたファンは、キャンプが始まってやっと冬眠から覚めることができます。球春到来の喜びを胸にソワソワしながらキャンプ地を訪れて、スタジアムの威容が目の前に飛び込んで来た時は感慨ひとしお。
遠出の旅でも、聳える壁と入り口の球場名を見上げた瞬間に疲れが吹っ飛ぶ。久しぶりだねえ、と壁を撫でたくなるぐらい懐かしい気持ちが湧いてくる。青空が背景ならもう最高。
そんな主球場は、もちろんディナーで言えばメインディッシュ。狭い階段を上り、少し薄暗い通路を抜けて、パーっとグラウンドが目前に広がった瞬間の高揚感は、大皿の丸焼きチキンの蓋が取られた時のよう。
とにかく球場の練習では、野球の最大の魅力のひとつ、「視野角の広さ」を堪能すべき。野手陣が次々繰り出す個人打撃の練習でも、試合同様に選手が守備につくシート式練習でも、グランドを360度目で追えるし、空に限りなく近い、別の球技ではなかなか見やれない高さまで視線を上げることができますからね。
その「視野角の広さ」が呼び起こす晴ればれと沸き立つ気分は、他の施設では味わえません。また、様々な練習用具の扱いなどが見られるのも隠し味。とにかく、メインディッシュの物理的なボリュームと存在感があるのがスタジアムです。
⚾️20230209ソフトバンク宮崎生目の杜キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月14日
シートバッティング
マッチ居ないのにサードうるせえ(動画でナイスボールナイスボール!という声)、と思ったら川瀬兄ちゃん(弟はオリ)と栗原が交代で声も?競ってたw。
クリのほうが少し低い声、彼の声全部「アン・パン・マン!」に変換されちゃう🤣 pic.twitter.com/QB2bDGsZdF
⚾️2023.2.5日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
野村佑希 ティーバッティング pic.twitter.com/chokHXW2OE
⚾️2023.2.5日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
野村佑希 フリーバッティング pic.twitter.com/GEYboFQVUp
⚾️2023.2.5日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
バッピをしてたチーたんコーチ
少しほっぺがシュッとなってた感じがする
大忙しだったものね
アメリカでの勉強の成果お持ち帰り楽しみ
金子千尋 pic.twitter.com/dkdjlH1fbL
2023.2.4日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
練習終了後の夕方、球場裏では用具係の方が黙々とボールの手入れをしてらした。
一個一個丁寧に布で拭いて白くしていく。
おかげで良い練習が見られます。
ありがとうございます。 pic.twitter.com/b7mxUJuPAX
通路=デザート
キャンプはプロの選手の練習姿を見る所。でも、練習の合い間の素顔っぽい様子が見られるかも、という期待は、キャンプ見学の大事な要素ですよね。そういう様子を見られる可能性が高いのが、施設間を結ぶ歩行者通路。
誰がいつ現れるかわからない。でもキャンプでは、よほどのことが無ければ、選手がリラックスして歩く姿がひとりやふたりはきっと見られます。遠く風景に溶け込んで絵葉書のように歩いく姿を見かけたかと思えば、突然、予想外に近い場所に出現したりもする。その度にドキドキしちゃう。
通路はディナーの中ならデザートですね。それが目的じゃないけれど、絶対欠かせない。なかったら悲しい。あればほんの少しで幸せになれる。
通路で見かける選手はリラックスしていることがほとんど。帽子も浅被りでちょっとした荷物を持ったり複数同士でわやわやしたりしながら歩いています。リュックやバックに付いてるマスコットやバッジに目を引かれるのも面白い。
時には敷地内のお店に顔を出したり沿道のファンと会話したりすることさえある選手たち。運が良ければ即席サイン会が始まることもあります。種々の問題もあるので簡単にはできないけれど、選手たちは、できればやりたいと思ってくれているのです。
彼らのソフトな姿やサービス精神が垣間見られるのが歩行者通路。デザートも、シェフのサービス精神が表れるし、そんなにがっつりしてなくても楽しめますよね。オードブルやメインの練習をしっかり味わったところで、少量でも楽しいデザート的光景に出会えるのが施設間の通路です。
⚾️日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月5日
呟く余裕が無いんですがとりあえず
新庄監督朝の電動キックボード通勤(徒歩1分圏内より) pic.twitter.com/OI46mPhYEA
⚾️2023.2.7日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月13日
この日もインタビュー中キックスケーター新庄監督に後ろを通過された寅威
心の準備ができていた感 pic.twitter.com/15qRyLz4QX
⚾️20230208オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月9日
ライブBPして記者さんと歩いてた山本由伸 pic.twitter.com/iTSRZv56pj
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
山寺の回廊のような通路を歩いていた泰ちゃん pic.twitter.com/aKrVmqJK5W
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
タクシー待ちに参加の泰ちゃん
リュックのマスコットかわいい
山岡泰輔 pic.twitter.com/kDE6na5AFE
2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
おねむ
山﨑福也 pic.twitter.com/A1G39TRG8C
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
体育館裏の呼び出し中学生みたい
山﨑福也 杉本裕太郎 福田周平 pic.twitter.com/E3LJoJGy1o
室内練習場=特別メニュー
キャンプで雨天や夜間に練習するための施設、室内練習場。もちろん、晴れた昼間でもそこで練習する選手はいます。でも、完全に遮蔽されているケースも多いし、窓から覗けたり扉が開放されたりしても、何重ものネットで選手が網の中の魚状態の場合がほとんど。練習が見やすい施設ではありません。
それでも、なんとか中が覗けて網の中の魚くんの練習が見られると、この選手が特打しているとか、あの選手が基礎練習をコツコツやっているとか、「ほおお」と思うことが多い。すごくすごく運が良ければ、練習を仕切っている人の判断で中で見学させてもらえる場合もあります。そういう人の話を聞けば、超ラッキーで羨ましくて仕方ない。
こんな風ですから、「見られたらお得!」感がとても高いのが室内練習場。ディナーで言ったら特別メニューでしょうか。たまたま珍しい食材が手に入ったので、いつもご贔屓にしてもらうからサービスで、などと、予想外に出してもらえた普段にはないメニュー。
無いのが普通。でも、あればすごく得した気持ち。今回のキャンプ巡り、完全遮断だった名護の室内練習場のそばを夜通りかかった時、明かりがついてるのを見て打撃音が聞こえただけで、「ああこの時間まで練習を間近にしたファンは私だけかも」ってほくそ笑んじゃいました。
もし、室内練習場での練習を見られたら、どんな状態だったとしてもあなたもほくそ笑んでくださいね。中々味わえぬ特別メニューを提供されたのですから。
⚾️日本ハム名護キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月5日
室内練習場(非公開)は夜にも煌々とアカリが灯り、白い屋根がホタルのお尻みたいに光ってる。
中からガンガンと練習音が響いてきます。 pic.twitter.com/LiapNJPuHI
⚾️2023.2.11オリックス宮崎清武キャンプ
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2023年2月15日
森友哉の室内での打撃練習
網にかかった魚みたいな絵面でごめん😅
でもスイングきれいなのはわかる pic.twitter.com/4VbwHma1At