フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

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【沖縄開催試合】白熱投手戦と人情指笛の夜【2023.6.27西武vs日本ハム】

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 2023.6.27、沖縄県那覇市のセルラースタジアムで開催された西武vs日本ハム戦観戦。
 2試合で、開始時間は夕方6時半からのナイターです。昨年の西武vsソフトバンク戦も観戦したのですが、コロナ対策で声出し・指笛禁止の環境でした。今年は解除されたのでその辺りも楽しみです。

 梅雨も明けた沖縄は、気温も上がり湿気もあって、「らしい」暑さ。宿がスタジアムから近かったので歩いて行ったのですが、短時間でもジリジリと日差しに焼かれます。球場の外には屋台が並び、売り子さんたちの元気な呼び込みの声が飛び交い。縁日のような賑わい。スタミナがつきそうなお肉や揚げ物、沖縄そばや沖縄ぜんざいのかき氷など、夏らしいメニューも豊富で美味しそう。

 

 

 4時過ぎの会場時間に中に入り、内野指定席に座ります。屋根の影が落ちて、日差しからは逃れられるし、いい風が吹き抜けてくれるから観戦は楽。それでも湿気で背中に汗が流れるんですけどね。その分、飲み物が喉に沁みて美味しい。7時過ぎまでは明るい沖縄。デーゲームのような青空の下で試合開始。

 

 

 この沖縄2連戦、両チーム合わせ、先発4人中3人が沖縄出身選手でした。28日の與座(L)と上原(F)の同県対決もいい投げ合いで盛り上がりましたねえ。

 この観戦記の27日は、西武は平良が先発でした。ハムは伊藤大海です。伊藤は沖縄じゃないけれど、北海道出身ということで真逆なのがまた面白い。そして、両先発が期待通りのピッチングを披露してくれました。

 両チームに0点が並ぶ試合でも、貧打だったり拙攻だったりして内容は凡戦の場合も多いんですよね。でも、27日は本当に良い投手戦でした。まあもちろん、打者の対応にBクラス対戦らしさは顔を出します。でも、なんていうのかな、そこが気にならないくらい、両投手の集中力と意思力に目を奪われる試合だったんです。

 どちらの投手も、得点圏に走者を置くピンチになっても動じない。すごく落ち着いて、自信を持って、きちんとプラン通りに投げて凌いでみせる。マウンドから両投手の意図や気迫がびんびんと伝わってくる感じ。全く退屈させません。

 

 こういう試合が動いたら、ドラマが生まれがちですね。この試合もそんな定石通りの展開が待っていました。6回裏、ショートへの内野安打で西武の先頭打者の源田が出塁。弾みが高くて難しい打球だったかもしれないけれど、アウトにできる可能性はあった処理でした。西武ベンチがラッキー感で盛り上がります。

 送りバントが成功し、打席には勝負強い曲者の外崎。初回には同様の展開になった場面で内野フライでしたが、さすがに同じ轍は踏まず。ギリギリの球を見極めると、2打席目の時打ち損じていた変化球を捉えて見事にタイムリー。貴重な先制点を挙げます。

 ハムの伊藤にとっては痛恨の1点。でも、ここからが素晴らしかった。1死2塁とさらに続いたピンチの場面、4番のベッケン(渡部)、5番のおかわり君(中村)を連続三振に打ち取ったのです。特におかわり君への三球三振が見事。全球完璧。この気迫が、ハム側のベンチやスタンドに漂ったショックを完全に吹き飛ばした感じ。

 さあ、試合を動かしたほうは次の回の守りが大事。先頭打者をしっかりと抑えたかったところで平良が清宮にヒットを打たれます。明らかに味方の先制点を意識してしまった感じ。気持ちがふわふわしたまま向かってしまったのかな。次打者の万波の初球が甘く入ってしまいました。逆転の2ランホームラン。この間わずか5球の出来事でした。

 平良のあんなにガックリした姿を初めて見たように思います。抑えで打たれた時でもなかったような動揺ぶり。その後もいい当たりをされ、ヒットを打たれ、野選に近いバントヒットを許し、ストライクが入らなくなっての申告敬遠で2死満塁で絶体絶命。

 その時でした。スタンドから圧倒的な大声援と指笛の音が湧き上がったのです。三塁側のファンもどよめくくらいの迫力でした。スタも思わず、ほぉ〜とスタンドを見上げましたね。

 なんかね、めちゃ心が込もってる湧き上がり方だったんですよね。がんばれー!って声ももちろんあるんですけれど、それ以上に指笛の音色がすごい。ヒュイヒュイという音だけなのに、それがちゃんと「がんばれー!」「大丈夫だぞー!」「みんな応援してるぞー!」って聞こえるような、温かい響きなんですよ。不思議なんですけど。

 沖縄の方達の指笛はホイッスルのような耳に刺さる高音が少なく、冷やかしや煽りのニュアンスがほとんど感じられません。少し低い音からレガートでちょっとだけ音程を上げて、歌うように吹かれます。吹く人によってそのリズムやメロディーに個性が出るみたい。自然と合奏のようになっていきます。

 ピンチの平良を励ます盛り上がりは中継でも伝わったかと思いますが、スタンドにいたら本当に包み込まれる感じでした。一番地元で勝ちたかったのに逆転された平良の気持ちを、ファンが一番わかってくれてる。それが伝わる指笛の嵐。スタはちょっと感動しました。

 完全に気持ちが折れかかっていたに違いない平良だったけど、ここから満塁をしのぎます。間違いなくこの声援と指笛に支えられての投球でした。日頃は感情の起伏を出すことが少ない選手なだけに、この日の彼が見せた人間味が感慨深い。

 試合はこの後両チーム無得点で、ハムの勝利に終わります。後を受けた中継ぎ投手たちも皆、渾身の投球を披露した良い試合でした。地元勝利ならずだった平良は残念だったけど、勝利と同じくらい熱い経験をしたと思います。

 この日スタは誕生日で、誕生日に女ひとりでぼっち観戦ってどうよ、と思ったんですけどツイッターのFFの皆さんに「最高ですよ!」と励まされていたんです。そしたら本当に、いい試合をいい場所で見させていただき、最高の誕プレもらえた感じでした。

 試合内容の濃さはもとより、沖縄のファンの皆さんの応援スタイルに触発されましてね。贔屓チームの不出来を嘆いたり相手チームにケチを付けたりするよりも、まずは目の前で繰り広げられる野球を楽しむ。そして苦労している選手がいたら、家族のように励ます。そうすれば、スタジアムはおのずと居心地の良い場になっていく。

 じっとり汗ばむ南国のナイター。お祭り気分の楽しさを味わうと同時に、野球選手とファンはこういう関係でありたいな、と思わせてもらった一夜でありました。

 

 

🔷参考記事・動画URL

※記者の方も沖縄ファンに心動かされる

www.nikkansports.com

www.nikkansports.com

 

youtu.be

 

www.fighters.co.jp

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※屋台の様子がわかるパテレ

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