昨日、アジアチャンピオンシップの台湾vs日本戦を観戦してきました。スタメンが全セ+万波で、パ推しブログ的には「そうか、そう来たか……(by武田勝)」という状態(汗)。しかし、それが理由ではなく、昨日の試合でイの一番で取り上げたいネタが、なんと台湾の選手となりました。まずはその選手の様子を緊急ご報告。
SNSでもたちまち大評判になってたようなので、既に見聞きされた方が多いでしょう。台湾の先発、グーリン・ルェヤン(古林叡煬)投手。台湾選手のことは、ツェン(曾峻岳)投手を日ハムの稲葉GMが視察したというぐらいの情報しか持っておらず、グーリン投手については本当にまっさら白紙状態。なのに一瞬で、「おおお???彼は誰?……誰?」と驚愕させられました。
まあ、とにかく球がいいんですよ。真横から球筋見る位置の席だったんですけどね。高めの速球がすんごいはっやい。伸びがあってホップしてる。フォークは途中まで本当にまっすぐで、ホームベースに来ると滝みたいに落ちていく。その2種の球の軌道合わせると、筆文字で書かれた「て」の字みたい。
「いや、誰?」って思って、スタは7時13分には彼の写真撮りましたよ。試合開始が7時でしたからね。多分2回にはもうびっくらこいて、その後すぐ写真撮ってます。すっごいお尻と太ももで、地面からがっしり生えたモミの木みたい。頭から軸足の重心のラインがびくともしないです。めちゃめちゃ安定感あるフォーム。
慌ててその場でググってみると、「火球男」というあだ名だとのこと。確かに豪速球って感じがする。でも、それだけじゃなかったです。コントロールがいいんです。昨夜はストレートも変化球も制球できてましたよ。たぶん本人も自信持ってると思う。
だって彼、3ボールを全然怖がってない感じだったんですよ。最初の秋広の打席にそれ感じました。変化球で2ストライク目を取ってから、すごい慎重に投げて2ボールになって、落ちる球で勝負に行っちゃうかなと思ったら、もう1球慎重にストレート投げて外れ、3ボールまで行ったんです。
これって次の球苦しいパターンで、四球になったり甘くなって打たれること多いですよね。でも、グーリンくん、ここから投げ損なわないんですよ。ストライク投げ続けてファウルを打たせ、我慢してから勝負球投げて見事打ち取ってました。何度か3ボールまで行く場面ありましたけど、全部最後打ち取ってるんですよ。
2ストライクから安易にわかりやすく勝負せず、3ボールになってでも慎重に攻める。そこからも我慢強く凌いでいける。まあストライクゾーン投げても差し込んでファウル取れるストレートの強さがあるからできることでしょうけど、我慢を重ねた後のここぞの勝負球を投げ切れる、そういう気持ちの強さもいいな、と感じました。
この配球については、キャッチャーのダイ・ペイフォン(戴 培峰)選手がよく考えてた感じ。彼も大柄で、ボール回しのセカンド送球見ると肩も強そうだし、投手へのジェスチャーや励ましもマメで落ち着いてるし、雰囲気ありました。好きなタイプのキャッチャーだったなー。
※投手はツェン選手↓
7回森下くんに打たれたホームランは、ちょっと疲れが出た所で出したランナーが暴走気味のアウトになってホッとした心の隙の失投でした。ここは、逃さなかった森下くんの気持ちの準備と反応が素晴らしかった。Xでグーリンくんをパブサーチしたら、球数あまり投げられないらしきポストもあったので、スタミナはこれからの課題なのかもですね。
それでも、本当に観客を唸らせるピッチングを堪能させてもらいました。直後に交代となりましたが、降板するグーリンくんにはスタンド全方向から惜しみない拍手。ニコって笑顔でベンチに戻って、かわいかったですね。
この台湾バッテリー、グーリンくんとダイくん、パンフ見たら同い年で23歳なんですよ。でね、ホームラン打った森下くんも同い年。3人ともミレニアム、2000年生まれだったんのです。知った時、なんかワクワクしちゃいました。
台湾チームは守備などでもすごくいいプレーを見せてくれました。日本チームにも、滅多に見られない外国チームにも、素晴らしく野球が上手な若者たちがすくすく育っている。そのことを実感させてもらえる素敵な国際試合。選手たちはオフシーズンまで大変だけど、みんな最後の一球まで頑張ってほしい。
夜7時開始の試合で帰りはすっかり遅くなったけど、グーリン・ルェヤン投手という素晴らしい才能を全く予期せず見せてもらえた楽しさに、ほくほく笑顔で夜道を歩いたスタなのでした。