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【2023オリックスvs阪神日本シリーズ】タジの微笑みと酔っ払いな勝利の女神【第3~5戦オリ目線振返り】

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 オリックスバファローズと阪神タイガースの関西ダービー日本シリーズは、戦いの場を阪神本拠地の甲子園に移して10月31日(火)から連続3日で第3〜第5戦が開催されました。

 オリックスにとっては案の定という感じの完全アウェイ状態。しかし、ファンの声援以上に、この時期のグラウンドや芝の状況がシーズン中とは違ったようで(湿気が増すらしい?)、それも影響した感じもあったよう。両者、初戦からちらほら見えていたミス合戦エラー合戦の流れを断ち切れず、予想外のハプニングの応酬となりました。

 両チーム投手がいいから緊迫する、と戦前予想で言われたシリーズ。この甲子園3戦、確かに緊迫してた。めっちゃドキドキした。が、なんだか緊迫の意味が予想とちょっと違う。この3連戦のドキドキはどこかスラップスティック風味。勝利の女神様、飲んだくれて酔っ払ってるん?。

 そんな、乱戦とも言えるような試合展開を、オリ目線で振り返りましょう。
(※速報等資料は最後に掲載)

 

🔸第3戦 T4:5B

 先発は、B東晃平とT伊藤将司。序盤は両者1失点ずつで互角に進行。5回に明暗が分かれます。5回の表にオリックスが3点奪取。これがめっちゃ運のいい取り方でした。先頭の紅林がヒットで出た後の若月でエンドラン成功。これ、すごいすごい言われてますけど、あと3、40cmずれてたらケンケンゲッツーでしたからね。よくあそこに打ったと言えばそうだけど、ほんとに紙一重なラッキー。

 でもってその後、これまた紙一重なゲッツー崩れ(1点先行)と伊藤の送球エラーとラッキーが続きます。そして2死となっての打者は宗。ここまで全くいいところなし。現地観戦で見た時は、もうとんでもない無茶な振り方してて、「こりゃ当たらんわ……」と苦笑いが出るほど。でも、流れには感受性が強いタイプの彼は、ラッキー続きの波にきっちり乗って初安打でタイムリー。オリはその後も得点して5点を奪いました。

 そして東は、初大舞台(しかも敵地甲子園)とは思えぬクソ度胸を見せて1失点で乗り切り、続く小木田もしっかり抑えて完全にオリのムードと思いきや、6回の山岡が誤算で3失点。いや、実を言えば誤算ではなく、そこはかとなく予想もできた事態です。泰ちゃん(山岡)はシーズン終盤戦やCSでかなり不安定だったので。

 中継ぎに回ったのは今年途中から。小柄な体をいっぱいに使う投げ方の彼が、急に連日ブルペンで頑張っていたのだから、バテはやむをえない。

 こうして1点差となり、今シリーズ初登板の守護神平野を迎えます。オリファンは図らずも、シーズンと変わらぬ劇場を味わえることとなりました。 はい、期待に違わぬ劇場でしたね(冷や汗)。細かいことは申しません。シリーズの初登板で観客が思い描く通りのストーリーを演じて見事に幕を降ろしてみせる、どんな状況になっても最後の1球を狙い通りに投げ込める平野に、ただただ拍手喝采する第3戦でした。

 

🔸第4戦 T4:3B、第5戦 T6:2B

 続く2試合は阪神が盛り上がる勝ち方で連勝です。第4戦は先発がB山﨑福也、T才木浩人。バッティングが大好きなサチヤ(山﨑)の交流戦のような活躍が期待されましたが、投げる方がイマイチでした。2点差を宗の連日の活躍でよく追いついたのですが、同点が続く中、サチヤの早い降板の影響で中継ぎ投手の駒がちょっと不足となりました。調子が良ければロングリリーフできる泰ちゃん(山岡)が、現状使いづらい状態なのが響いているように感じます。

 第5戦は先発 B田嶋大樹、T大竹耕太郎。屋外球場が大好きなタジ(田嶋)が素晴らしいとしか言いようのないピッチング。三塁や二塁に走者を追いても強気に投げ込んで全く失点しません。今年は色々コンディションで不運があって勝ち星に恵まれなかったけど、何か精神的にひと回りゆったりした感じを見せていたタジ。

 この試合でも、すごくいい球がボール判定された時に柔らかな表情で苦笑いを見せます。そのマウンドでの微笑みがどんなに珍しいことだったかよく知っているオリファン。SNSのコメントには「タジが笑った⁉︎」というコメントがずらりと並びましたね。もう完全に「クララが歩いた!」状態です。

 バッターボックスでも、乙女のような仕草の中に野の花のようにひっそりと気合いを忍ばせるタジ。バントの構えから一生懸命ボールを見極め、コツンコツンと当ててはファウルで凌ぐ。飲んだくれて観戦してるに違いない勝利の女神様も、その健気な姿にほだされたに違いない。2打席目、そのコツンの打球が投手のグローブよりちょっぴり高く跳ね上がります。なんとプロ入り初安打。

 こんな緊張する試合の中でも、タジはきっと心が豊かになることをたくさん見つけながらプレーしていたんだろうなあ。だから、勝ち星はつかずとも、好投と初安打というさささやかながらの幸せをもらえたんだろなあ。

 この日は、プロ野球選手っぽくない独特なワールドを持っているの、プロ野球選手らしい凄い投球を見せるタジの魅力が溢れ返りました。オリファンはそのことだけを大事に胸にしまいましょう。

 試合の方は、2点リードの8回にタジの後を継いだ颯ちゃん(山﨑颯一郎)が打ち込まれ、よもやの逆転負けとなりました。タジは確かにどんなに好調でも、打たれ出すとあっという間だったりするので交代は不思議じゃありません。颯ちゃんが何かアクシデントで2日ベンチに入れていなかったので、その分固くなったのでしょう。

 シリーズを通してずっと両チームに出ていたミスやエラーがこの試合も分岐点となりました。オリの得点も相手の信じられない連続エラーから。逆転されるきっかけはこちらの痛いエラー絡み。酔っ払いな勝利の女神様にフラフラ操られるとファンはたまったもんじゃない。まあ、面白いんですけど。

 王手を取られましたが、敵地で1勝出来て本拠地に帰れたのは幸いです。連敗はいずれも終盤の中継ぎの失敗と言えますが、そこまではそこそこ互角なので、ほんの少しの歯車の噛み合わせを調整すれば十分立て直せるはず。一昨年は本拠地試合が極寒の神戸となる不運がありましたが、今年はドームでやれますので、しっかり立て直してもらいましょう。

 

🔸予想外れ大反省

 さて、この甲子園3連戦の結果により、オリは現在2勝3敗の苦戦となりました。シリーズ前のフィルパリ贔屓目大甘予想は既に完璧に外れです。大反省します。ごめんなさい。でもなー、事前に挙げたポイントについては、結構いい線突いてた気もするんだけどなー。甲子園2連敗も途中まではいい感じだったりもしたんだけどなー。

 ポイントで挙げた選手のうち、内心ちょっと心配してた友哉(森)が心配通りの状態に陥ってるのは痛いですね。元々メンタルデリケートなのが、頓宮とラオウ(杉本)のケガですっかり気負っちゃってるし、結果がダメだと下向いて暗くなっちゃうのも困ったところ。顔あげて笑え、当たり損ねヒットではしゃげ、ぐらいなお気楽モードに誰か誘ってあげてほしいものです。圭太(中川)もかなあ。彼もチームプレー意識し過ぎか頭混乱してる感があるので、誰か、ごちゃごちゃ考えんな、って言ってあげてほしい。

 そういえば、第4戦のサチヤと友哉のバッテリーに関しては、新庄監督もコメントしてたけど、やっぱり「あれ?」って思いましたよね。でも、友哉を外野起用し続けるのもどうかなと思うし、ケンケン(若月)が緩い球や落ちる球の使い所がちょっと相手打線と合ってる感じもあったし、色々ちゃんと理由があったのだろうと思います。

 ただ、友哉とケンケンてリードとかちょっとタイプが似てますでしょ?。投手が調子がいい時はもう抜群な出来に引っ張って行くけど、投手が調子が落ちたり迷ってる時に誤魔化すのはあまり得意じゃない感じ。その上、このシリーズ2人ともリードにいっぱいいっぱいなのか打撃が不調。でも、2人とも本来は打撃もできてリードや守備も一流な捕手ですからね。開き直って何かひとつ合えば、チームをガッと勢いに乗せる働きしてくれると思います。

 投手では、中継ぎ陣が思ったより駒不足な所も見えちゃいましたねえ。使う所が無さそうな曽谷と齋藤より誰か入れておいたら……と思わなくもないけど、期待の星に大舞台を経験させる方針を変えないのはオリらしい。結局、どう考えてもここまで使ったメンバーでやりくりするのが妥当なんですよ。彼らが頑張るしかありません。

 疲れてる泰ちゃんや不安定なワゲスパックに頼らなくて良い展開に持ち込んで、あともう少し、元気なメンバーでカバーしましょう。第7戦に持ち込めば、東やサチヤの中継ぎ待機もあるかもですし。

 とにかく、今日明日はオリもエースが投げられます。由伸は不調だけど、おそらく日本での最後の登板だからシリーズ初勝利させてあげたい。そのことは神様も知っているはず。いえいえむしろ、神様が、一番の勝負所を最後の舞台にすべく計らってくれたとさえ思えます。

 あれこれ心配しても仕方ない。きっとまた、フラフラあっちに行ったりこっちに来たりするに違いない酔っ払いな勝利の女神様が、最後にどちらに微笑むのか、楽しみながら見守りましょう!

 

<前回記事:試合前考察,試合振返り> 

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