西武の髙橋光成が開幕から好調です。前回はさすがにちょっと疲れが出て崩れたけど、そこまでの試合では素晴らしい投球が続き、2年半ぶりの完投もやってのけました。飽くなき向上心での大進化ぶりをウォッチしたいと思います。
たかはしこうな、現地で投球ご覧になったことありますか。いーですよー、彼の投球。大好き。特に内野席から見てるとものすごくダイナミック。前への推進力が大きい投げ方で、なんてんですかね、ぐわぁんって移動するんですよ(語彙力どこ行った)。
シャープに投げる投手の動きはイルカが水面を飛ぶように泳ぐあの感じだけど、光成の投球の動きにはシャチやクジラが水から飛び出すような重量感がある(例えが意味不明)。
同じ豪速球と言っても、だいたいの投手のそれが矢が飛ぶような感じとすれば、光成の球はドリルカーが岩山を削って進むような感じ。飛んでいくボールの引く尾がひと回り太くなるようなイメージ。
……ああ、ますますわけわからん説明になってしもた(汗)……。
まあとにかく、ロン毛と髭の効果も相まって、アメリカの選手かと見紛うような豪放磊落(らいらく)な投球です。スタが最初に彼の投球すごく良くなってるなと思ったのは2020年10月で千賀と投げ合った試合を見た時でした。去年の観戦では完全に魅了されてます。
そんな光成ですが、昨年までは、フォームの豪快さの割には球のスピードは現在の投手としてはことさら速い方ではありませんでした。そして奪三振数がちょっとトップ3(山本由伸、佐々木朗希、千賀滉大)に離されています。今年の彼は、そこを改善しようと取り組んできたようなのです。
今年はこういった努力工夫が実を結んでの快投ぶりなのですが、ちょっと前に面白い動画がありました。西武の大先輩レジェンド松坂大輔のユーチューブチャンネルでの対談です。松坂が西武に戻った最後だけ一緒になれた光成が、さらに聞いておきたかったことを対談しています。ニコニコと人懐こく、でも結構突っ込んで、心がけや投球について次々と質問を繰り出す光成。
開幕前に録画されたらしいこの動画を見てから最近の光成の試合の投球を振り返ると、彼の飽くなき向上心と目標達成力の高さをひしひしと感じることができます。
例えばこの対談の最後で、松坂が「エース継承で伝えたいことは?」と話題を振られて、「自分は最後までマウンドに立っていたいほうで、他の投手には自分の時は休んでほしいと思っていた。今日は光成か休めるなって言ってもらえるような存在になってほしい」と言って、光成が「わかりました」って答えてるんですよね。
この間の完投勝利はこの目標の達成です。豪快なフォームの光成はなかなか省エネ投球にはなりません。スタが最初に素晴らしいなと思った千賀との投げ合いの時も、7回辺りから「ああちょっと疲れてきたねえ」ってわかりました。去年まではそんなふうに、急激にガス欠していくところがあったのです。
それがこの間の完投では、125級投げた最後の球で自己最速でした。上の対談には前半編があり、その中で、最近はピラティスを習って体の使い方が改善したとも話していたので、色々と工夫をしながら完投できるスタミナをつけたのでしょう。
それから対談では「真っ直ぐに圧がない、出力上げるのを今やってる」「三振が取れない、取るのがテーマ」と、冒頭に紹介した課題についても松坂に相談。そうして速さの違うストレートの投げわけとか変化球のことを話しています。
この球速や三振数の課題についても、光成はかなり目標達成してきているのです。前々回までの平均球速はちゃんと150Kmを超えています。去年より平均で3Kmアップしたそうです。奪三振数については開幕早々に1試合自己最多タイを奪いましたし、リーグでは朗希、種市(ともにM)についで3位につけています。奪三振率はちょっと下がりますけど投球回数が多いですからね。立派なものです。
あと、細かいんですけど、対談の中でちょろっと「フロントドアやりたい」って憧れを口にしているんですよ。それもやったのをスタは見逃しませんでしたよ、うん。
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4月15日のハム戦、右打者ジェイをフロントドアで見逃し三振。対談では左打者には変化球が行くけど……って話してた光成のチャレンジだなって感じました。本当はもっと懐をえぐりたかったかもだけど、それでも、お!来た!って感じがしました。
まあとにかく、言われたことや自分がやりたいことをコツコツと叶えていく実現力、たいしたもんなんですよ、ほんとに。
感心する気持ちを持つのがスタだけではないとわかるのがパテレ動画。奪三振最多の時にフィーチャープレーヤーで光成を取り上げたパテレは、異例な編集で過去年の動画もくっつけて流したんですよね。やっぱり中の人も、彼がコツコツと努力して着々と進化してきた姿に感心したがゆえ、特別編集したんだと思います。
ほんとに、今年の動画とデビューの年の動画を比べてみるとフォーム全然違ってますものね。デビューの頃は腰を落として低くなって投げるひと昔前の正統派スタイル。今はメジャーっぽい立ち投げスタイル。ロン毛&ヒゲになったルックスと同じくらいの変身ぶり。メジャー願望も、彼ぐらい地道だと説得力があります。
若い頃は、西武の先輩で先にメジャーに行った菊池雄星に浮つかないよう叱咤されたという光成。思い返せば、インタビューの受け答えもすっかり大人になりました。ヒロインを受け始めた当時は、あまりにソワソワ落ち着かない態度とたどたどしい喋り方で「たかはしこうなくん、5歳」などとネット界隈で言われていたのが懐かしい。
ちょっぴり舌足らずなのは変わらないけど、今年のインタビューでもコメントの内容は筋道立ててしっかりとしています。そうか、もうパパなのか。技術も体力もメンタルも物腰も着々としっかり者になっていった光成。開幕から飛ばしてバテも出てくるとは思うけど、このまま邁進してどんどん目標を達成してほしい。楽しみです。
がんば。
<動画や記事>
※完投した時の記事
トレーニング等についても書かれてます
※完投した時の動画
森に投げた最後の外角低め157Km、超エグです
※1試合自己最多奪三振の時の動画
過去投球紹介で成長具合がわかります
※デビュー年の初々しい動画
ルックスもフォームも違いますね
※右打者(2人目)をフロントドアで見逃し三振奪取(開始14秒頃)
※慕っていた先輩菊池雄星との記事
※すっかりしっかり者になった今年のヒロインと記事
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— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV【公式】 (@PacificleagueTV) 2023年4月22日
4/22 ヒーローインタビュー⚾
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埼玉西武 #高橋光成 投手✨#seibulions @lions_official pic.twitter.com/KlqWHVQ77F
※松坂動画の前編
ピラティスの話やメジャー願望?の話
※2020年の試合のダイジェスト
スタが最初に光成良くなってる!と思った観戦試合
※去年の観戦試合のツイート
魅了された時のつぶやきです
⚾️ 現地観戦の高橋光成投球
— スタジエンヌ・裕子 (@Stadienne) 2022年9月28日
昨日の西武勝因コーナのピッチング、すごかった。四球出そうと勝負の1球外さない気迫。ギータへのインズバ(35秒辺り)どよめいた。実はコーナの迫力一番好きかも。投げ姿ダイナミックだし、球が丸いまま尾を引いてズドーン!て感じ。火球みたい。
https://t.co/uAQ9eJdC5L