パ・リーグ会心の2連勝!
2日間のお祭りが終わりました。あ〜楽しかった。まあ、まずは勝ちっぷりのおかげです。やっぱりね、ちょっぴり心が狭いパオタなので、パがいいとこ見せてくれるとついついムフフって鼻の穴が広がっちゃう。「いやーどうも、ツイてるねえ、悪いなあ、ツキ過ぎちゃって、ウフフ、エヘヘ、ガハハハハ」と、お大尽よろしく扇子仰いでふんぞり返ってそのまま後ろに倒れそう。
選手達は投打にみんないい所見せてくれて、ほんとに素晴らしかったです。近年は、投手は1イニング交代が定石になりました。すごい投手が1イニング全力で来るのだから、そりゃ打つ方は大変ですよ。去年みたいに、なかなか打てないで少ない点数の争いになっても仕方ない。それを今年のパ野手陣はしっかり対応してガンガン打ってくれたし、いうことなしのゲーム展開でした。
打撃の方は、貫禄の打撃を見せたソフトバンク主軸勢のコンちゃん(近藤)やギータ(柳田)、美味しい所を持っていく華を見せた日本ハムのまんちゅう(万波)とグワチョ(アリエル・マルティネス)。両チームとも後半戦開始後まだ連敗が止みませんが、今後の活躍は期待いっぱい。
オリックスのケンケン(若月)やベニ(紅林)も攻守で見せ場を作ったし、西武はさすがのトノゲン(外崎&源田)だったし、楽天・コブちゃん(小深田)やロッテ・ヤス(安田)もいいとこ見せたし、他野手含めとにかく6チームの選手が皆頑張ってくれました。
投手陣も全員が自分の持ち味を存分に発揮して会心のリレーでお見事。場の雰囲気に飲まれたり、困った表情の選手がいなかったのは本当に良かった。今はブルペンの様子も動画でガンガン紹介されて、楽しそうだったり緊張してたりの様子がわかるから、なおさら好投が嬉しくなります。
とても全員を紹介できないので、皆さんもぜひ、そういった動画をチェックしてくださいね。よそのチームのSNSに思わぬ選手が顔を出していることも多いです。選手の素顔の魅力もそうですし、技術を教えあったりしている場面など、めちゃ貴重なシーンがいっぱい。もう片っ端から見ていくのがおすすめです。お祭りの楽しさが倍増です。
お祭りだって問題はあるのだ
さてオールスターも、毎度毎度やっぱり色々無粋な問題は出てきます。ファン投票や監督選出の顔ぶれはもとより、起用法から日程の組み方、戦い方の気持ちのモードまで、必ず誰かが割を食う部分があって、ファンからは不満の声が上がりがち。いくつかの問題を紹介しておきましょうか。
🔹日程タイト問題
パを率いる中嶋監督が公言した「4日間で2試合はおかしい」問題。雨が降ったら休養日無しでリーグ戦再開でしたからね、確かにちょっとタイト過ぎ。昔は夏休み的に前後に2日間ぐらいずつ休みがあり、ASの移動日もありました。それを思うと今の選手達は確かにキツくなっている。特に、球界の中心のスター選手の負担増しが大変です。
楽しみなイベントとはいえ、去年も今年もコロナ罹患や体調不良の選手が発生しているし、ケガなども合わせてリスクはあり、強行軍になればそれは高まっていきます。何か起きても選手やチームは我慢するしかないのですから、防げる負担は最初から防いであげたいもの。
今年はWBCで押せ押せになっているとはいえ、ただ現場に我慢を強いるのではなく効果のある対策を立てる姿勢が欲しいですよね。まあNPBは元々やり手とは言い難い所があるし、コロナ減収の対応などもあってあたふたしているだろうから、残念ながら、そう簡単にテキパキと処理されていくわけもないでしょう。でも世界大会は数年おきに開催されるのですから、仕方ないで済ませず、検討してほしいと思います。
🔹1試合でいいだろう問題
この意見は結構多いのだけど、まず挙げられるのがNPBの収入問題。1試合減るだけで随分収入の額が変わるようです。では、前夜祭や後夜祭をやるなどしてお金の問題をクリアできたら1試合でいけるのか、と考えると、それでもまだ、なんか難しそうな気がするんですよね。
まずは出場選手の問題ですね。メジャーはチーム数も多くファンも広く分布しているし選手評価の指標なども多いから、毎年そこそこメンバーの入れ替わりが生まれるのでしょう。でも日本程度のチーム数で1試合のメンバー構成だとそうは行かないはず。
まず、今年みたいに、ひとつのチームの選手ばかりファン投票で選ばれるってことがありますからね。そういう状況になった時、1試合で他チームのファンも楽しめるような選手のやりくりはできないんじゃないかな。
じゃあある程度本当に実力者が選ばれる仕組みができたとしましょう。今度は毎年同じような顔ぶれになりそうじゃないですか?。1試合で毎年飽きさせないのはむしろ大変じゃないですか?。特に投手陣。2試合分の人数を考えるから、フレッシュな選手が入って来れる。日本のようにチーム数が少ないと、鮮度が変わるのは実力や人気が2番手のグループだったりするんです。
また、メジャーは選ばれるだけで名誉で試合に行っても出場しない選手もいますが、日本では難しいかなと思います。昔、選ばれたのに試合出してもらえなかった選手いましたけどすごく寂しかったですもん。その後のASに選ばれなかったら千載一遇のチャンスが見るだけで終わるわけです。
1試合でオールスターらしい布陣のやりくりをするには、相当工夫した仕組みと監督の采配力が必要になってくると思います。結構簡単ではありませんね。
🔹メジャー見ちゃうとさあ……問題
真似できそうなところは「こういうのできそう、やろうよ!」でいいし、体格や技量や一朝一夕に追いつけない部分については「少しでも近づけるといいね」でいいし、その他諸々どうしても気持ちの区別がつかない人に関しては、「じゃああちらだけ見てこちらは見ないでおけば良いのでわ?」と言いましょう。
🔹球宴ジャック問題
これはたぶん、定期的に表出してきっと無くならなそうな気がします。パでも昔あったけど、数字的なものが低い選手が忖度辞退させられる気の毒なことになり、それ以来あまりひどいジャックは見なくなった感じ。でも、ただただ好きな選手が見たい!というファンはいますのでね。たまにのことなら、それはそれでいいんじゃないですかね。特に2試合のうちはまあやりくりできると思うし。選ばれた選手もそれなりに頑張る姿を見せてくれたらいいのじゃないかと思いますね。
🔹中嶋監督の他チーム選手の扱い問題
オールスターを率いる監督が、自チーム選手を休ませて他チーム選手を不利な扱いをしているという不満は、毎年必ずファンから出ます。もう何十年も前から「必ず」です。確かにそういう不公平な扱いが垣間見えた起用も昔はありました。
でも、近年のパ・リーグはめちゃ公平になってると思います。これで文句言われるなら、後はくじ引きでやってくれってなるんじゃないですかね。推薦する時は事前に必ず相手チームにお伺い立ててるはずですよ。起用法だって確認した上でのことでしょう。
今年の中嶋監督の場合、まずWBC選手を選ばないという方針が槍玉に上がりました。ファンや選手間で選ばれるのはやむを得ないけれど、選手が経てきた状況を知っている自分が選ぶことはしない、ということで、他チームの監督も皆さん同意してくれたわけです。
で、この点につき、キューバ代表だったアリエル・マルティネスをじゃあなぜ選んだ?という所が矛盾と指摘されます。ここについては、「日本の(WBC代表)」って言葉が抜けただけとスタは思いますね。
そして、アリエルは他国の選手であり、キューバでの環境や本人の体力的な部分も違うかもしれないのに日本人の事情に巻き込むのもどうなんだろう?っていう部分もあったんじゃないですかね。それで、ちゃんと確認したと思いますよ。その上で、大丈夫だしぜひ出たい、ということになったんじゃないですかね。WBC代表ってことで安易にひと括りに除外せず、外国人であることや選手間投票や成績を踏まえてアリエルを推薦した中嶋監督はむしろフェアだ、とスタは感じました。
それから、試合での選手の起用法も、中嶋監督はめちゃめちゃ確認しながら考えていると思います。投手では先発や中継ぎといった役割はもちろん、リーグ戦のローテなども配慮が為され、野手では守備位置なども上手に回しながら、できる限り見せ場を作ってあげようとしてました。
こんなに細かく気を遣い、快勝し、しかもみんなが和気藹々と楽しそうな雰囲気を盛り上げる。ここまでやって文句言われたら、オールスターの監督なんて誰も引き受けんわと思いますよ、本当に。お見事でした!とスタは拍手を送ります。
🔹真剣勝負じゃない問題
いやいや、真剣勝負はリーグ戦で見てるじゃないですか。すごい選手がお遊び野球する姿の方が希少ですよ?。遊んでいるようなプレーの中の凄技に気づきませんか?。笑顔いっぱいな中で選手の目が鋭くなる瞬間にゾクッとしませんか?。どんなに和やかにやってても、瞬間瞬間に覗くプロ選手の負けじ魂を感じませんか?。
野球って、ボールゲームって、本来が遊び心に満ちたスポーツなんですよね。遊びっぽいプレーほど技術の面白さが光ったりする。ギリギリ張り詰めた勝ち負けの場面にしかワクワクできない人は、人が厳しい表情をしてないと物足りない人だから、クソ真面目か、ギャンブル好きか、感情入れ込み派のどれかに違いない(決めつけ過ぎ)。
まあ、とにかく1年でたったの2試合、選手たちが枷を外して野球を楽しむ姿を拝める貴重な試合。誰が一番楽しむのか。楽しんだもの勝ち。勝敗の真剣勝負じゃないかもだけど、楽しさの真剣勝負ではあるのです。
エンジョイ上手なパ・リーガー
色々あって、つまらんつまらん言う人もいるオールスターゲーム。でも、オタクレベルで選手が好きな人間にとっては、お宝情報が溢れかえっているイベントです。しかも、パ・リーグファンにしたら、近年はみんなの活躍ぶりばかり見せてもらえて上機嫌になれる。楽しまないのは損ですね。
こんなにウキウキさせてもらえるのも、パ・リーグの底流にある、その時々を楽しむ才能のおかげかな、ってスタは思います。昔々の不人気時代から色々な仕組みを試行錯誤してきたパ・リーグは、ちょっと馬鹿にされるようなイベントにも一生懸命取り組んできました。特に選手たちは、頭に「?」が浮かんだであろうな新機軸でも、やると決まったら全力投球してくれます。大成功したプレーオフ→CSが良い例です。
ましてやオールスターなんてお祭です。出られたら味わい尽くさなきゃ!、と全員目を輝かせていますからね。ロッカールーム、ブルペン、ベンチ、グラウンド、試合前の交流や練習、試合中の盛り上がり、試合終了後。あらゆる場面で皆が楽しんでいる姿が、次から次へとSNSで流れてくる。ホームラン競争の玉拾いでさえ、選手が小学生みたいにわちゃわちゃやってるんですからこちらも頬が緩んじゃう。
そして、いつもは塩な表情が多い監督さんたちでさえ野球少年の姿を見せるのが近年のパ・リーグベンチ。作戦の成功や選手のプレーにいちいち反応して、監督同士でワイワイしてる。自分の所の選手の損得なんかで動いてないですよね。しっかり観察してれば、彼らの「パ・リーグのいいとこ全部見せたい!」って気持ちわかるはず。
現場がこういう姿を見せてくれる限りオールスターは不滅です。
そう思っているスタであります。