フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

交流戦優勝オリックス 快進撃5つの要因

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オリックスバファローズ、快進撃が止まりません。交流戦に優勝し、リーグ戦再開後も好調を維持して怒涛の9連勝。とうとうパ・リーグ単独首位に立っちゃいました。開幕前からオリの魅力を推していたスタも、こんなに早く投打の歯車が噛み合うとは、正直予想していなかった。あらためて快進撃を振り返り、要因を5つまとめてみました。

 

1. お帰りックス大成功(補強も抹消・登録も)

 今年は「戻ってきた選手」が大活躍。チームの状況をよく理解して、戻ってきた時には、自分に求められている役割をしっかり把握して、的確に働いてくれてる感じ。

補強組
・平野 :メジャー仕様の体幹とハート。安定感を得て磐石になった守護神。
・ロメロ:ほぼ計算通りに活躍できる助っ人。安達とのパフォも滑らか。

二人とも、ブランクを全く感じさせない馴染み方。平野は首痛、ロメロは調整不足で抹消があったけれど、早めの申告でしっかり復活できたのは、かつて知ったる古巣で遠慮が入らなかったからかも。


抹消・再登録組
・ジョーンズ:春先の不調時もラオウ(杉本)の育ての親に。2軍でも腐らず調整。
       抹消・再登録後は驚異の出塁率で代打の切り札に。

・福田 :春先は内野の便利屋さん。何でもこなすがポカする不安定さが同居。
     抹消・再登録後は外野を守り、粘りまくり打法を会得し大活躍。

二人とも、元々やっていたこと、当初求められていたこととは違う役割を果たすようになって戻ってきて、しかも完璧にこなしていますね。抹消時に、何を目指して調整するかすごく具体的に指示されていて、綿密なプランで仕上げてきたように見えます。

中嶋監督は、選手が失敗した時に熱心にメモを取っているので、直すべき部分の指摘が具体的なのかも。太田や佐野も、後々には新たな魅力を携えて戻ってきそう。

 

2. 新顔戦力の春先での見極め大成功

今季は「育てながら戦う」ことを明言していた中嶋監督。春先はやり過ぎかと思われるほど大胆に我慢強く若手を起用。当初はチームがガタガタになったかに見えたけれど、軌道修正後の建て直しの速さに、メタモルフォーゼ計画の緻密さが感じられます。

春先、どんなに失敗が出て批判されても若手新顔野手を使い続けた。

 ・安達のコロナ出遅れたを逆手に取って、10代コンビの太田・紅林を使い続ける。
 ・不安定になるのを承知で、打撃に光るものがある頓宮を捕手ローテに組み込む。
 ・全く打てなくなった佐野も、我慢して使い続ける。
 ・ラオウ(杉本)が崩れそうでも中軸で使い続け、師匠ジョーンズも側に置いた
   ※観戦の時、攻守交代時のラオウのキャッチボール相手はいつもジョーンズおじさんでした。

●若手新顔野手の見切り決定後は、速やかにスムーズに体制変更。

 ・紅林を残すに当たり、将来も見据え、元々のポジションのショートに着かせる。
 ・ショート守備職人の安達をあえてセカンドに回し、内野の心の拠り所とする。
 ・宗が安定していると見たら、本来の外野から、とっととサードに定着させる。
 ・佐野の長い不調を見込んでいたか、いつの間にか福田に外野守備練習させてた。

●弱い中継ぎ陣も、なだめつすかしつしながら何とかかんとかパターン化。

 ・気の弱い子は、ちょっとずつ厳しい場面に変えて投げさせるなどして免疫強化。
 ・中嶋監督はベンチでブチ切れた顔でも、懲罰なきフォローでメンタル安定化。
 ・そうこうする内に打線が強くなり、中継ぎ陣へのプレッシャーも微減した模様。

 

3. 負担軽減とやり甲斐提供でベテラン復活大成功

元々後輩に慕われる優しい選手が多いオリックスのベテラン陣。長年の低迷中は、その責任を背負い過ぎて沈んでしまう感もありましたが、今年は負担が軽くなり、楽しそうに野球をしているように見えます。

ベテラン陣が若い選手の心の支えという役割にやり甲斐を感じている。
・移籍の能見、コーチ兼投手の仕事と若手の憧れの視線にイッキイキのニッコニコ。
・安達は、2塁で体力温存打撃開眼、若手教育と新ポジションの刺激でイッキイキ。
・成長した若手に甘えられまくるT・岡田、主砲の重荷から開放されてイッキイキ。
・ラオウの師匠ジョーンズ、思うように動けなくとも、影で貢献をしてイッキイキ。

 ●ベテラン陣が復活してチーム内の3兄弟の構図が素晴らしく機能。
・強くなるチームはベテラン兄、中堅次兄、若手弟の個性と能力のバランスが良い。
・今のオリックスの構図👇
 おとなしいけど優しくて実績のある長兄(T、安達、能見、平野等)
    地味だけど兄を立て弟を支えるしっかり者次兄(伏見、若月、福田等)
 才能と野心に溢れたやんちゃで甘えん坊な末弟(天才先発投手陣、紅林、宗等)
 ええバランスやん!
         

4. 中嶋監督の信頼感で選手の競争・向上大成功

ここまでに挙げた大成功を招いたのが、中嶋監督は選手を見捨てない、という安心感。
不調に陥ってる時でも、上の人が根本的に自分をわかっていてくれていると思えること、公平な扱いを疑わず信頼できることが、どれほど大切かを示してくれましたね。

監督への信頼が厚いので、ポジションや役割の変更もすんなり受け入れられる。
監督への信頼が厚いので、不調で抹消になったりしても腐らず調整に集中できる。
監督への信頼が厚いので、誰の起用についてもやっかみなどなく素直に競争できる。
監督への信頼が厚いので、励ましやアドバイスについて心が癒される。

こういったことで、どんどんチーム内の雰囲気が良くなるのでしょう。それでなくても、選手同士仲良しで本来は明るくお茶目なタイプが多かったチーム。そういった魅力が、中嶋監督の手綱捌きでどんどん表に出るようになりました。

 

5.  交流戦開幕前後の巡り合わせでブースト大成功

春先ドタバタだったチーム状況が見違えるようになった交流戦。でも、本当に直前まではまだまだ不安定って感じもあったのですよね。例の会食騒動とかあったりしちゃったもので😅、その後は雰囲気も急下降して、あーあ今年もかとみんな思わされました。

それが立ち直れたのは、4.までの要因が成功していたってこともあるけれど、ハプニング的な転換材料もあったと思います。

頓宮の故障で、育成意図と裏腹に捕手が安定。
打撃に非凡な所がある頓宮ですが、守備やリードはやっぱり不安定でした。大事な所で球を逸らしてしまったり、打たれ始めると止められなくなったり。それでも当分は頓宮を捕手のローテに入れて育てていくつもりだろな、と思ってました。

ところが、彼が不運にもケガをして、経験豊富な伏見と若月で捕手を回す形になったため本来の投手力が安定感を増し、落とす試合が減りました。

頓宮は残念だったけど、きっと下でウィークポイントを鍛え直し、また何か可能性を向上させた上で、お帰りックスしてくるでしょう。

交流戦最初で、DeNAとストリートファイトゲーム出来て何かが弾けた。
それまではまだ、打撃の方もそこまで頼もしさはなかったんですけどね。それが、交流戦初っ端でいきなり3戦連続ノーガード殴り合いできちゃって、野手たちのタガが外れちゃったみたいなんですよね。外食騒動以降、ヒーローになっても何となくおとなしかったラオウなんかも、なーんか元の明るさに戻ってたし。

カードとしては負け越したけれど、ボコボコにしたりされたりのやっつけ合いで、アドレナリンとかエンドルフィンとか出まくったのか。

とにかく、これでオリ打撃陣が吹っ切れちゃった。天才先発陣を援護できないことが多く、ずっと肩身が狭かった野手たちのコンプレックスが消えちゃった。

もしも交流戦が投手の良い中日あたりから始まっていたなら、オリックスの打撃開花はもう少し遅れたかもしれないな、と思うのです。

 

現状と今後の展開

今は誰が見てもこのまま突っ走りそうな気配しかないオリックス。打者は日替わりヒーローが出てきて、爆発力もしぶとさも我慢強さも備えてみえる。素直でスレてない天才先発陣たちは、3点ほども取ってもらえば「たくさん援護してくれる!」と目を輝かせ、ニコニコしながらさらに力を発揮する。この状態に持ってきて、さらに投打に強力な助っ人が加入するとか。

いやあ、行くのか? もうこのまま突っ走るのか? 期待は膨らむばかりです。

とはいえ、今年のパは史上空前の大混戦。負けが少し混めばあっという間にBクラス。
主力選手にケガや不調での離脱が出れば、すぐにバランスは崩れます。今下位に甘んじているチームもきっと巻き返してきます。オリンピックやコロナで、過去に無いような管理もしていかなければなりません。

やっぱり、まだまだ先はわからないですね。

才能軍団の歯車がやっと噛み合い、魅力にスポットライトが当たり始めたオリックス。楽しそうに勝ち進む姿は眩しくて、見ている方も幸せな気分になってくる。

降りかかってくるであろう困難を乗り越えて、境地にたどり着いて欲しいものです。

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