さて、アメリカ戦はスリル満点なシーソーゲームをものにしました。後攻の利を活かし切ってる所が見事です。もっと上手くやればもっと確実に勝ててるだろう、みたいな意見がありますが、個々の力が直接試合結果に反映されやすいラグビーなどと違い、野球はずっと完勝で行くなんて無理なスポーツだと思ってます。むしろ接戦をギリギリ勝って行ける方が気持ちが上がるんじゃないかなあ。選手の起用も、今のところ全部いい方に転がってますから、ネガに考える必要ないですものね。運が良かっただけ、というなら、短期決戦での強運こそめちゃラッキー。自分だったらと考えると、「ツイてるじゃん！」て自信が湧いてくると思う。
試合の動きが激しくて、多くのメンバーに出場機会が回って来て、しかも、全て大事な役目を果たす場面だったのが、すごーく良かった！こういう試合って少ない。このチームはついてる。 出番の無かった梅ちゃん（梅野）が、経験豊富なマー君（田中）と、馴染みのあるセ・リーグ投手陣をしっかりリードしてくれました。この起用は、メキシコ戦感想に書いた予想通りで納得です。
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岩崎君、相手に勢いのある場面での初登板で、すごい度胸の１球を投げ込みました。ヤマヤス（山崎）や大野のプレミア12組投手もさすがでしたねー。リーグ戦前半不調だったのに、ここぞの集中力が只者でない。頼もしい。B型仲間の青柳君は、ホームラン打たれてからも続投したことで、こういう舞台で本当に開き直る、度胸を据える、という感覚を少しは掴んだかも。絶対、糧になると思う。スタは、試合の流れによっては、もう１回チャンス来るんじゃないかと期待してるのですけどね。なんか、野球の神様がチャンスくれるような気がする。あんなに雨の神様に愛されてる人だもの。
そして、まあ栗林君の冷静沈着だったこと！ルーキーですよ、ルーキー。オールスターなどでは少し力が入り過ぎる傾向が出てたけど、ドミニカ戦で制球に苦しんで失点した中で、開き直って投げた１球のカーブからガラッと変わりましたよね。昨日も、投げる前に甲斐と打ち合わせしてる時から落ち着き払ってました。平良が先に出て決着つかず、最後の最後になったら方がきつかったと思う。平良休めたから、次は栗林君も休めそうだし。いい巡りになった感じ。
打つ方も、みんな交互にいい仕事やってましたねえ。セーヤ君（鈴木誠也）も、飛距離伸びてきたとメキシコ記事で書いた通り、ホームランが出ました。ボールに当たらないぐらいの不調が内野ゴロになり、メキシコ戦では外野に大きなフライが出るまでになってましたから。まだ本調子じゃないでしょうけど、打席の姿勢も猫背が直って来てるし、そのうちチャンスでも打つんじゃないですか。
ここぞの場面で登場するコンちゃん（近藤）や源田は大変だけど、いつでも準備できていて、進塁打でも盗塁でもきっちりした仕事するぜって雰囲気が満ちてますから。でもって、昨日は栗原ですよ。最後の最後の初出場メンバーで、１球で最高の送りバント。そして満面の笑顔。かわいいですよねー。首脳陣に頭撫でてもらって、投げたボール取ってきて褒められてるスパニエル犬みたいにかわいかった。
この試合、「短期決戦のソフトバンク」の強さが際立ってると皆さんも呆れ……もとい、感心したことでしょう。栗原の後、これも１球で決勝打の甲斐、チャンスで叩きつけたゴロで打点をつけたギータ（柳田）、どん底不調から別人のようなリリーフで流れを変えた千賀。鬼のような勝負強さ。彼らって、自分の状況のキツさよりも、付け込める相手選手の心理に目を向けられるんですね、きっと。「あいつら、切羽詰まってるから、絶対こういうことしてくるから。そこやっつけるだけやね」「やっつけたらオレ、ヒーローやんか、美味しいやんか（笑）」ぐらいの気持ちでいそう。
栗原なんか、あのバントの場面、「やった、一番大事な場面きた！」「どうせなら、１発でスカッと決めたら、盛り上がるし、絶対オレ褒められるな」とか考えてそう。千賀も「ちょっとぐらい不調でも、初見の奴らにオレのフォーク打てるわけないやん」って見下ろして投げてる感じでした。もちろん技術の裏付けあっての自信でしょうが、本当に強い。ソフトバンクでレギュラーを勝ち取るって、こういうことなんでしょうねえ。
さあ、いよいよ大事な試合が続いてきます。韓国戦の予告先発、山本由伸ですね。プレミア12の決勝の韓国戦で、リリーフで完璧な投球を見せました。相手もかなり研究して来るでしょうが、大丈夫でしょう。後はリリーフですね。山本になるべく長く投げてもらってリリーフの負担少なくするのか、山本早めに降ろして、決勝戦にも待機してもらえるようにするのか。今回のやりくり見てると、１試合責任で前者かなあ。とにかく、いい流れをキープできる試合を期待してます。
