フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

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【2021五輪侍JAPAN】マー君、そんなにクソ真面目でなくてもいいんだよ 【アメリカ戦の田中将大 】

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アメリカ戦の田中将大、不調でした。最後のすっぽ抜け棒球なんて、握力に何かアクシデントがあったのかと思うくらい。かつての「ピンチになればギアが上がる」マー君を覚えている者にとってはショッキングな姿。たぶん、もう今シーズンの最初から、調子万全ではないのです。体力の低下、見えない故障、そういったたくさんの問題を抱えながら、残った技術(それでも並の選手よりずっと高い)と経験で闘ってきています。

 

東京ドームでの日本復帰初登板を見に行ったスタは、これは中々苦労するだろうなあ、という印象を持っていました。それでも、代表に選ばれるのは当然だろうと思っていたし、そうかと言って、無双するような投球をするだろうと夢見ていたわけでもない。比較的冷静に代表のマー君を受け止めていたつもりでした。が、アメリカ戦は投げる前からそこはかとなく不安でした。

 

実のところ、スタが懸念していたのは技術よりも気持ち。マー君の真面目すぎる言動です。「遊びに来ているわけではない」という、眉間の縦皺が目に浮かぶような言葉に、うっすら不安を覚えました。もちろん、そんなにキツい言い方をしたのでは無いと思いますけど、書いたらとてもカチカチに強張って見える文字面です。勝つために貢献しなくては、という義務感で自縄自縛になっているのかな、と感じて、心配になりました。

 

日本に帰って来た時から、大変な期待に取り囲まれていたマー君。その様子は、見ていたダルビッシュが、自分の動画で「(自分には)あれはムリやわ……」と怖じ気づくほどのプレッシャーだったわけです。過去の成績が凄すぎるのに、今も同等の活躍を期待される。自分の力で積み上げて獲得したお金について、今の時点の対価で批判される。おまけに、久しぶりに帰って来たのに、球団や代表チームの顔としての振る舞いを期待される……。考えてだけで大変です。

 

そして、今回の代表では彼は最年長で、技能以外の部分でも「上の者」として見られる立ち場。過去を振り返ると、マー君が初めて代表に選ばれた北京で「上の者」の役目を果たしていたのは宮本選手や稲葉選手といった、クソ真面目言動タイプ。もしかしたら、その頃の記憶から、「上の者」=「雰囲気を締める人」っていうイメージがマー君の潜在意識の中に擦り込まれているのだはなかろうか。それで、今年のマー君には「自分を戒める」言葉が増えているのではなかろうか。

 

元々マー君は、ああ見えて、言動での失敗がものすごく少ない優等生タイプ。若い頃から、ダルビッシュや涌井などのやんちゃ連中と仲良くつるんで行動しても、先輩の言葉をやんわり受け止め、尻馬に乗って調子こくなんてことが全く無かった。非常に賢い子でした。だからこそ、今の自分の置かれた状況を的確に把握し、今の自分の不調を十二分に自覚しているからこそ、周りの人に「舐めてる」「チャラチャラしてる」「緩んでる」ように受け取られる言動を、とことん回避しようとしてるのかもしれない。

 

でもねえ、スタは、マー君のいたずらっぽいあの笑顔が見たいなあ。ダルやワクの強烈なツッコミを、困り顔しながら柔軟にいなしてた時の笑顔。現奥様との付き合いが噂されてた頃、テレビの運動会でマイクを向けられ、おおらかに「好きだー!」と叫んでみせた後のニヤニヤ顔。「こいつめ〜」と、相手も思わずつられて笑ってしまう、あの包容力のある笑顔が見たい。今回の代表は、土壇場に強いハートに毛が生えた後輩がたくさんいるし、国内大会だからとんでもない不条理も少ない。マー君は、そんなに自分に厳しく当たらずにいてほしい。でんと構えて、秋田犬わさおのような愛嬌ある笑顔で、後輩たちを包み込んでほしい。周りの選手もマー君の苦労を慮ると思うけど、近づいてほぐしてあげてね。

 

ピンチになれば上がるギアも、そこに至るまでに余裕あるペースを保っていてこその効果ですものね。だから、どんな形でもいい。頼もしい後輩たちに囲まれたマー君の笑顔を待ちたい、と思うスタなのです。