フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【WBC出場】ダルビッシュの変わらなかったNPB愛【12年ぶり里帰り】

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 WBCに出場する代表選手30人が発表になりました。今回はメジャーの選手たちも所属チームから快く送り出され、豪華メンバーが揃います。

 思い起こせば第1回の時は、出場依頼を片っ端から断られて王監督が困っていたりメジャーだった松坂大輔が出場するのにチームの反対を押し切ったりしなければならなかったんだものなあ。主催の米国が本腰を入れ始めたWBCは、本当に、頂上決定戦らしい華のある大会になりましたね。

 今回メジャーから駆けつけてくれる選手の中で、スタが一番思い入れがあるのはやっぱりダルビッシュ。

 2004年球界再編問題の選手会ストライキの直後のドラフトで日本ハムに指名された彼は、入団直後こそちょっぴり問題児だった時期があったものの、すぐに熱心に野球に取り組み始め、頭角を表し、ぐいぐいパ・リーグを牽引します。

 他チームの選手たちとも球団の垣根を越えて交流し、怖じけることなくSNSで発信して選手とファンとの距離を縮め、最先端のトレーニングや投球術を取り入れて学ぶ。学んだことは惜しみなくまた情報発信する。そんな姿は当時としては革新的。今、そういうことを選手たちは皆当たり前にやってるけれど、始まりは全てダルだったと言っても過言でないくらい。

 消滅寸前からかろうじて存続した崖っぷちのパ・リーグは、ダルたちの入団年から急激に一枚岩となって巻き返しを図ります。自由で自信に満ち、明るく仲良く、でも真剣に競い合うダルたちの溌剌とした姿は、スタにとってはベル・エポック。パ・リーグ新時代の象徴でした。

 ダルがいなかったら各球団の頭の固さは残っていただろうし、選手たちがあんなに伸び伸び振る舞うことはなかったでしょう、パ・リーグ全体の変革ももっと遅くなっていたと思います。変革できたかどうかさえ疑問です。スタは心の底から、ダルはパ・リーグの恩人だ、と感じてるのです。めちゃくちゃ思い入れてます。

 そんなダルは、WBCは日本が優勝した第2回に出場し、決勝戦で守護神を任され、9回は同点に追いつかれるも日本が勝ち越した後の10回を見事に抑え、胴上げ投手になりました。

 その頃は、まだ細身でしなやかな若者で。同じく招集された涌井やマー君(田中)といつも一緒のやんちゃトリオ。でも、ピッチングはしっかりしてて。中継ぎという役割転向に戸惑いながらもその才能を遺憾なく発揮したことで、メジャーの目に留まったのですから、WBCは彼にとっても運命に関わった大会です。

 メジャーに移籍した後は、アメリカ内での風潮もあり、参加することはありませんでした。今回は、筋トレでふた回りほども大きくした体と髭面の、いかつくてすっかり落ち着いた大人の選手となって、満を持しての里帰りです。たしかアメリカに渡ってからは帰ってないと言っていたはずなので、日本の土を踏むのは12年ぶりでしょうか。

 本当に楽しみです。日本を離れることが決まり、札幌ドームで日本ハムファンの前で公開会見を開いた時、最後にふとスタンドを振り返り、本当に懐かしそうな、名残り惜しそうな眼差しで球場内を見渡していた姿が思い出されます。

 10年以上を経て再び日本のファンの前に立ち、その歓声を聞いた時、どんな感慨を抱いてくれるのかな。ああ見えて、結構情緒的なタイプのダルだから、思いっきりジ〜ンとするのかな。狭いロッカーや鳴り物の音を聞いて、ああ日本だなあって懐かしがるのかな。

 それとも、意外にすんなり距離や場所を飛び越え、すぐに今の日本に馴染んでしまうかもしれませんよ。と、いうのも、彼はメジャーに行ってからも日本の野球への興味を失わず、いつも情報チェックしたりしてるから。

 熱いNPB愛がずっと消えない。

 ダルは、ほかのメジャー移籍した日本人選手とそこが違います。ほかの選手たちは、やっぱりNPBへの関心が薄くなっていきますものね。気には掛けているけれど、自分がメジャーでやってる最中に、NPB選手たちの情報まで追っかけたりすることはない。

 でも、ダルは追っかけてるんですよねえ。ダルのプロスピ野球ゲーム動画見ましたか?。子供時代に見ていた選手から自分と一緒にやってた選手の思い出話の面白いこと!。そして、まあ、今の選手のこともよく知ってて、スタはびっくりしましたね。自分がやらないのでゲームのことはちんぷんかんぷんなのに、ダルの選手話が聞きたくて、全部ゲーム動画見ちゃいましたよ。

 で、思いました。彼は、NPBオタクだなあ、って。野球オタクで変化球オタクでNPBオタク。選手見かけて「中村紀やぁ!」って仲間とワイワイしたりして夢中だった子供の頃のまま、今でもNPBに興味津々。技量や力や組織としてはメジャーの方が上でも、NPBにはNPBの魅力があるのを知っていて、彼の中では全然色褪せてないな、って。

 それがまた嬉しいんですよね。自分が育った日本ハムやパ・リーグ、そしてNPBを、思い出としてだけではなく、現在進行形で身近で大切なものとして扱ってくれる。だからますます、ダルへの思い入れは強くなってしまいます。

 マー君みたいに復帰してくれたら嬉しいな、最後だけでも日本ハムに戻らないかな、なんてことも夢見ないわけではない。でも、本人が戻った時の期待の大きさに怯んでたし、メジャーも手離さない実績を重ねているし、なかなか難しいでしょう。

 それに、帰るってなったら、大男のダルと奥様と5人のお子さんと数匹のでかいワンコとピーピー鳴く鳥たちが広々住めてプライバシー守れる家を確保しなきゃならんのですよ、日本で。大変ですよこれは😅。

 それでも、今回のWBCで、ダルの日本との12年の空白が埋まるといいなあって思ってます。懐かしいな、居心地いいな、面白いな、楽しいな、ってポジな気持ちで胸一杯になってほしい。そして、今やゲームの中の世界になってるであろうNPBが、また少し彼のリアルに加わってほしい。

 勝ち抜いて、いい思い出ができますように。

 がんば!。