大阪は喫茶店が素晴らしい。
京セラドームでオリックス観戦したのは去年が初めてだけど、大阪の喫茶店が素晴らしいのは結構前から知っていた。独自の味や雰囲気を持った店がたくさん残っていて、どのお店に飛び込んでも大概美味しいものがある。
大阪でちょっと何か食べたい時は、まず喫茶店。それくらい好き。
お店で作られた軽食もそれぞれ美味しいし、何たって、ホットケーキやプリンが素敵。じんわり焼けた、少しムラのある優しい焦げ色。口に入れるとほろほろ広がる、粉や卵の味。
そして、ただ今大阪メトロ(地下鉄)では、その喫茶店とコラボして #プリンめぐり のイベントを開催中(〜12月12日)。リーフレットに紹介された喫茶店のプリンに何らか特典が付いている。レトロな風情のプリンたち。写真を眺めるだけでも沸き上がってくる幸福感。
今年6月に行った際に地下鉄でポスターを見かけたが、よく見れば残念ながらコロナで延期の旨が書いてあった。そのポスターが先月も貼ってあって、やっと開催にこぎつけたのだと知り、「これはぜひ、どこかのお店に食べに行かねば!」となった。
コラボのお店の中には、去年通りすがりに入ったお店もチョイスされていて、「うんうん、確かにあそこのプリンには呼ばれたなあ」と思い出す。
心斎橋の隣の「本町(ほんまち)駅」直結のビルの地下にあった、「純喫茶ヒロ」。
入り口前の冷蔵ケースに、アルミバットにアルミカップで作ったプリンが並んでいた。
「む、昔のプリンじゃないか、、、」
夢遊病者のように吸い寄せられ、玉子サンド(これも看板メニューの模様)とプリンを注文。聞くと、カウンターの奥のオーブンで焼くのだそうだ。この土手にぷつぷつ空いた穴が、歯応えが良いな。カラメルちょい苦め。美味しいわ〜。
コーヒーは濃い目サイフォン。
ついでのエピソードで、お会計の際に財布を紛失していて、帰路新幹線の時間が迫っていてツケにしてもらっちゃった。財布は当日見つかって遅ればせながらお支払いできたけど、アセアセ真っ青なところで、優しく対応していただいたな〜。イベント期間の特典はプリン50円引きとのこと。
オフィス街で喫煙可なので、嫌煙家の方は時間を選んで行かれるといいのかな。小さいけれどお店の調度もアンティーク感があって、お腹も気分も落ち着けるお店。
その6月の観戦では、ドーム前の隣の「大正駅」を散歩して、そこの喫茶店ではホットケーキに舌鼓。「大正」は、路地から蜃気楼のように京セラドームが見える街。駅から幹線道路沿いに歩いて出くわした「サンダー」。
ゲーセンのような、パチンコ屋さんのような、中華屋さんのようなコテコテルックス。
夜はネオンが光るのだろうか? ちょっとそれも見てみたい。
ホットケーキが重なっていない!
バターが塗りやすい!
シロップも満遍なくかかる!
合理的。
でもって、やっぱりソフトなパンケーキより、厚みのあるホットケーキだよなあ、、、としみじみ思いながら噛み締める。
大阪で最初にホットケーキを食べたのは、梅田新道の「なかおか珈琲店」。調べてみたら、数年前に閉店とのこと。カウンターに座ったら、銅板の上でじっくりじっくり狐色に焼き上げてくれた。うっとりした。忘れない。
さてさて、プリンに話を戻しましょう。
今回の旅でリーフレットを見て選んだのは、「動物園前駅」の「喫茶タマイチ」。あべのハルカスに行った帰り、隣駅なので行きやすそうだし、写真のプリンも魅力的。
しかーし、リーフレットの簡略地図でたどり着くのは結構ハードル高かった。目印で書いてあった「ジャンジャン横丁」。ここがね、超ディープな感じなんですよ(汗)。ジャンパー姿のおっちゃんが大勢いて、平日3時頃だったけどカウンターの店でみんな一杯引っ掛けとるし。
囲碁サロンや射的場などの庶民娯楽の店も並び、流れる音楽は仮面ライダー。昭和裏町商店街の雰囲気は興味深いのだけど、旅行姿でカートを引いた女1人は場違い過ぎて、視線を下げてそそくさ歩く。異邦人気分を噛み締めながら、妙に熱気のある横丁をやっと通り抜けると、通天閣のある新世界商店街との境い目に、タマイチさんはちょこんとあった(写真右端の紺色ひさしの店)。
ヒロよりも市井の雰囲気の喫茶店。オムライスやカレーライスがすごーく美味しそうだったけれどお腹一杯で、プリン&コーヒーのみ。特典は可愛いステッカー(イベント開始1日前だったけど頂けた)。FBによると、好評につき今はカードのみ配布とのこと。
https://www.facebook.com/tamaichi.jyanjyan/
リーフレットでこちらに惹かれたのは、ノー生クリームな所。もう、味に自信だから、クリーム無しは。で、さすがのノー生。さっぱりして「つるん!」と来る。ねっとりしたところはいっさい無しの喉越し。カラメルもさらり。真夏でも食べられるな、これ。
また行こう。次回はお腹を空かせて行こう。絶対オムライスも一緒にいただこう。
そんな気持ちが湧いた、ディープ商店街(タマイチの店主さんに聞いたら、以前はもっともっとディープだったとか)の片隅の、正統派シンプルプリン。
振り返れば振り返るほど、大阪の喫茶店は素敵だ。タマイチ店主さんは、大阪喫茶店が好きと伝えたら、「コロナでだいぶ減っちゃってて」と言ってらしたが、きっとしぶとく生き残るお店は多いだろう。
今年はまだまだ京セラドームの試合が続く。よそから遠征に行く皆さん、ぜひぜひ大阪喫茶店で一服しましょ! 今なら #プリンめぐり にも間に合いますよ!