昨年あんなに盛り上がったのに、今年はすっかり鎮火してしまったパ・リーグ韋駄天ブーム。寂しい。昨年の韋駄天組だけでなく、快足選手もっとガンガン言ってくれ〜!、と思う中、今日現在(2021.9.6)盗塁部門でトップに立つのが、西武の源田壮亮です。
新人の頃から際立っていた快足
源田といえば、新人の2017年にはそれこそガンガン走って37盗塁。トップの西川にたった2個差の2位だった快足選手。新人の頃の源田って、意外に貪欲でがむしゃらだったような気がします。エラーした後の打席、歯を食いしばった意地のヒットが多かったり。盗塁も「果敢に」という雰囲気があって、目立ちましたね。
翌年の2018年は、34盗塁でリーグ3位。この年もよく走りましたね。1位西川は40個、2位の中村奨吾(ロッテ)が35個で、数は少し差を付けられていますが、シーズン半ばトップだったりして、盗塁を意識させる選手として十分な成績です。
2019年は盗塁数30個ですが、チームメイトの金子に次いでの2位です。安定して、常にリーグの中で3本の指に入っているのは素晴らしい。100盗塁も達成しました。
ただ、年々数が減っているのが気になるところ。2020年はコロナ禍の試合数減という特殊な年でしたが、盗塁数17個で7位。チームメイトの外崎より下でした。走りのスペシャリスト選手たちのインパクトが強くて、源田の走りのイメージが薄くなってしまった感が否めません。
まだ源田を韋駄天選手と呼び切れないわけ
そもそも、源田を「韋駄天選手」と呼んでいいのかな? というためらいが、スタにはあります。まず第一に、源田は「足でメシを食っている」選手ではないことがあります。彼の一番の武器はといえば、球界No.1の守備力。これが、誰の追随も許さない最強の武器であって、例え盗塁数が激減しても、彼の魅力や評価が激減することはないのです。源田の能力の中で、守備は評価リスクの一番高いもの(エラー1個でみんなが驚く)であり、盗塁はそれよりだいぶ下です。韋駄天てレッテルもどうなのかなあと思ってしまったりして、まだ、「快足選手」っていう感じなんです。
「快足選手」と「韋駄天選手」の境って難しいですけどね。イメージですからね。でも、考えてみれば、韋駄天とは神様のこと。走ることが天命。韋駄天の代名詞が似合うのは、基本的にはやっぱり、「足(走り)が命」という特性の選手だろうと思うんですよね。
昨年のブームを牽引した選手たち、周東、和田、佐野などは、他がまだ未熟でも1軍で使いたいと思わせるほどの足を持っていました。まさに「足がメシの種」の選手たちでした。レギュラークラスの荻野、西川、金子たちも、元々は内野手をしていたのに、足を見込まれて外野手に転向して開花していったのです。走ることに賭けている選手たちの盗塁には、それだけの迫力があります。徹底的にマークされても、それでも走る、掻いくぐってセーフになってみせる、という気概が塁上で溢れている。だから、リードひとつにも駆け引きの妙が生まれてきます。
そういう意味でいうと、源田の盗塁はものすごく上手だけど、まだまだ無難で淡白だなーって、スタは感じてしまうのですね。もっともっと、「隙あらば走る」だけじゃなく、隙がなくても俺は行くぜ、走るぜってムードを醸し出してほしい。牽制されればされるほどリードを広げる、ぐらいに塁上で煽ってほしい。ソフトバンクの甲斐やロッテの加藤匠のような強肩を誇る捕手たちと、バチバチのバトルを繰り広げてほしい。対戦チームの韋駄天が走ったら、すぐ自分も走り返したりしてほしい。全く勝手な話だと承知の上で、源田にはいっぱいの「ほしい」があります。だってできると思うから。
今年源田が「韋駄天」になるために
今年は春先から盗塁に意欲的だった源田。目立つのは成功率の高さです。これまでは、2018年の .810 が最高でほぼ7割台だったのが、現時点では .880 という高さ。天性の韋駄天、ロッテ和田の .909 に迫る成功率です。打率も2割8分目前ですから、このままペースを維持していけば、初の盗塁王も現実的です。だがしかし、1回盗塁王をとったからって、先にあげた自分基準を翻して「韋駄天選手」と称せるのだろうか? ちょっと悩むわ〜(ちっちゃいことで悩むタイプ)。
う〜ん、でも韋駄天選手増やしたいしなあ。源ちゃん、韋駄天て呼びたいしなあ。
よし、ならば、元々は足メシ選手ではない内野手の守備名人源ちゃんを、へそ曲がりなスタが素直に「韋駄天選手」と呼べるためのハードルを考えてみようではないか。と、いうことで、これを満たして!という条件が浮かびました(勝手基準すぎる)。
・もちろん盗塁王ゲット
・40盗塁到達
・盗塁成功率8割超え(できれば現状キープ)
です。
盗塁王
ちょっと有利? でも、周東が不調とはいえ出塁すれば確実に増やすだろうし、西川もひっそりと調子を上げてきてるから、いつもの猛烈追い上げがあるかもしれないし、油断なりません。けど、今はこのまま行けそうな勢いを感じる。
盗塁数
ここ最近だと、王者感が出る数字の基準が40個かと。源ちゃんあと18個。ここまでが22個なんで大変かも? チームの状態が悪いので、勝手に走ることはできないかも? でも、貪欲に次の塁狙う姿はきっとチームも鼓舞すると思うので、頑張ってほしい。
成功率
だんだんマークがきつくなるだろうけど、今のところそんなに下がることはなさそうだと思うし。頑張って3条件満たしてくれると信じたい。要するに……、
源ちゃん、ギラギラ狙って盗塁王とれ〜!!
まあ、ファンの身勝手基準と願望で語りました。皆さんは、韋駄天選手の基準ありますか? また色々な選手取り上げて行きたいと思います。これまでの韋駄天選手記事を未読の方はぜひ読んでみてくださいね! ではでは。