フィールド オブ パリーグ           -パ主義野球ブログ-

なが〜く愛してきたパ・リーグをゆる〜く語るブログ、フィルパリです。

【さちとらトークショー見聞録前編】選手に会うまでのヒヤヒヤドキドキ【新春再タッグお披露目会】

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トークショー告知

 1月10日(水)、念願の「さちとらトークショー」に行ってきました。「さちとら」とは、山﨑福也(さちや)投手と伏見寅威(とらい)捕手のコンビの呼び名。元々オリックスでバッテリーを組んで日本一にもなり、相性抜群だったことから、ファンもセットで呼ぶようになりました。

 それが一昨年オフに寅威が日本ハムへFA移籍。そして去年オフ、福也が同じくFAで、後を追うように日本ハムへ来ることになったのです。決して用意周到に行く末を打ち合わせていたのではありません。それなのに事の成り行きで再びタッグを組むことになり、本人たちもファンも、2人の縁の深さにちょっとびっくりしたわけです。

 そんな中、福也が移籍発表直後に、大宮(埼玉県)で寅威と2人のトークショーを開催する、とSNSで告知しました。FA移籍のバタバタで東京でのオリメンバーとのトークショーに参加できなかった福也が、まずは単独で開催を決めたようでした。そしてその後に、ゲストが寅威だとお知らせされた形です。

 このコンビ、オリックス時代から大人気だったけれど、2人でトークってそんなにあったわけではない。公式動画が活発なオリでもあまりなく、少しの絡みが今でも語り草で拡散されるほど。メディアでは、優勝後のテレビの正月野球選手バラエティにちらっと映ったくらいかな。この番組も、福也はほとんど喋りが映りませんでしたっけ。


 ですから、「さちとら」としてのトークショーなんて、涙ちょちょ切れ(死語)ものなんですよ。しかも、移籍先での劇的再タッグ決定直後ですからね。告知を見た瞬間、ファンの皆さん色めき立ちます。もう臨戦体制です。特にハムの北海道やオリの大阪が遠かった関東のファンには貴重なチャンスの到来ですし、さらに遠方のファンだって、万難を排して参加したい人が手ぐすねを引く。

 いつだ?、どこでだ?、チケ発売は?。早く詳細知りた〜い。

 

続報の雲行きが…

 ところが、この詳細の発表がすぐには無くてですね。みんながざわつき始めたところでやっと出た続報は、なぜか寅威のSNSから。それによれば、チケット発売はなんと翌日の午前中です。たぶん、ギリギリなのに告知が出てないことに気づいた寅威パイセンが、とりあえずお知らせのフォローをしたのでしょうね。

 で、主催の福也からの告知はそのちょっぴり後で、しかも告知文の後半は寅威パイセンのコメントを丸コピペ。文面の最後には、気の利くパイセンへのお礼兼ボクもやりました報告的メンションが。

 もう、頼れる兄ちゃんと頼っちゃう弟の構図丸出しです。その流れがあまりにさちとらさちとらしてて、思わず吹き出したファンも少なくないはず。オリ時代のこのバッテリー、とにかく波が激しい福也を一生懸命手綱をとりながら支える寅威、という姿が印象的でもあったから、他のことでも同じなんだなあ、って妙に感心しちゃったり。

 が、ほっこりばかりしておられません。なんとかチケット発売日時だけは分かったものの、会場やら金額やらは未だ不明なんであります。チケットサイトを開いて見るまでわからないドッキリ仕様。もう、よほどのアレじゃない限りとにかく行くぞ、と腹を括るしかない。

 ということで、括りました。ともかくも、本人たちは、起案したり告知をしたり、一生懸命ファンと接する機会を設けたいと思ってくれているわけで。なんとか成功するよう、祈って応援するっきゃないな、と。会場を埋められるように頑張るっきゃないな、と。

 そう思いながら、チケット発売の開始に備えたのであります。

 

チケット争奪戦 

 こうして迎えたチケ発売日。数分前からスマホを抱え、チケットサイトの興行ページを開いて待機。開始時刻に無事ログインすると、興行の詳細が目に入ります。会場は比較的メジャーなホールの模様、席種と金額は……結構なお値段の自由席一択……うむ、やむなしである……枚数を入れてポチり、スムーズに購入画面へ。

 しかし、ここで一瞬つまずきました。サイト会員パスワードが不安でちょっとだけ再確認しちゃったのです。これで20秒くらいのロス発生。そしたらね、もうあかんかったのであります。パスワード入れてエンター押したけど、時すでに遅し。チケットはありません状態でした。ここまで1分かかっておりません。

 マジかぁ〜…….。

 いやあ、文字通りの "秒殺" を初めて体験いたしました。芸能や音楽ライブに興味無く、チケット争奪戦て野球でしか参加したことないんです。野球の場合は代表戦などでも、1分足らずで買えないっていうことはなかったですから、ほんとにたまげました。もう他人事みたいに、さちとらすごいな〜って、なんか感動を覚えちゃいましたよ。

 まあこれは、客席に対して1人が買える枚数の設定が多かった、という原因もあるようです。1人10枚まで買える条件だったらしい。400ちょっとの座席数だったので、もしみんなが10枚ずつとしたら40人しか買えないわけですからね。そう考えれば即完売もうなずける。だいぶ転売屋に渡ってしまった感じ。

 チケットサイトの正規リセールを待つしかないかなあ。転売屋さんを潤わせたくないなあ。ちょっぴりダルい……。

 ため息をつきながらSNSに戻ってみると、案の定の阿鼻叫喚。しかし、普通のファンの方たちの中にも、運よく手際よくゲットした方達がいらっしゃる。そういう方たちの中に去年知り合ったFFさんがいらして、しかも取り損なった知り合いの方のためにと少しだけ余計にゲットしていらして、お尋ねしたら快く分けてくださったのです。

 なんとありがたいことか(泣)。どうやったらチケット取れるか頭が痛かったのに、おかげさまで余分にドキドキすることなく定価にてチケット入手。神様仏様FF様。出会いとSNSにただただ感謝。ありがとうございました。

 かくしてトークショー参加は決定。しかし、さちとらのお姿拝見までの道のりの険しさはまだ続くのであります。

 

贈り物チョイスに呻吟する

 チケットの発売後もイベントの会社からぽつりぽつりと出る追加情報。開催日の4日前に、選手へのプレゼントや手紙も受け付けるという告知が出ます。それを見てふと、いつも元気をもらっているお礼の気持ちを、今回は物に託そうかと思いつきます。

 実を言えば、過去にファンレターや御守り程度を送ったことはあるものの、物品は贈ったことがなかったんですよ。だって、自分よりはるかに高収入で良い物に目が肥えている選手たちですもんね。彼らが喜ぶ贈り物って、セレブの厳選品だろうと思っちゃうわけです。

 それでも、今回はささやかながらでも気持ちを形で表す良い機会かなと感じました。で、そこからが問題ですよ。何を選んだものか、なかなか思いつかないんですよ。まずはもう、もらって迷惑じゃなさそうなもんを……なんて、及び腰な気持ちが先に立っちゃう。

 本人の好みで好き嫌いが分かれそうなものはやめとこう。使い切るのが楽な実用性があるものにしよう。軽く小さくかさばらないもんがいいな。いざとなれば誰かにあげたり捨てたりも気兼ねいらずなものにしよう。とはいえ、ちょっとぐらいは「お⁈」と気持ちが上がる要素もほしい。う〜む、う〜む……。

 呻吟であります。でも、プレゼントを考えるのって楽しい悩みですよね。スマホひとつであれこれ探せるありがたさ。だんだん気持ちがハイになってきて、ネットリサーチも熱を帯びてまいります。そうして、いくつかの小物を選択しました。2人に同じセットです。

 こういうの公言するの不粋だとは思うんですけど、ブログは記録でもあるので載せますね。センスどうですかね?。貰ってまあまあなチョイスなら嬉しいけれど。

◾️エルメスのネイルオイル
投手も捕手も爪を大事にしてるから実用的かな、と思って。価格もさほどではないです。香りもすごく軽く、お店で聞いたら男性も使うとのことでした。小さいのですぐ使い切れて、合わなくても奥様などにあげられそうですしね。実用品だけど、ハイブランドの箱だとちょっぴり「お⁉︎」と気分が上がりそうな気がしました。

https://www.hermes.com/jp/ja/product/ネイル&キューティクルオイル-%E3%80%88レ-マン-エルメス〉-ユイル-ドゥ-ソワン-V60299HV0/

 

◾️デリーモ(目白)の焼き菓子

自分のテリトリーのお気に入りで、まだ店舗が少ないお店のお菓子を少し。マドレーヌやフィナンシェが美味しいので、いくつか選んで詰めてもらいました。食べ物は体調へのリスクもありますし、寅さんは以前甘い物はあまり食べないと言っていたような気がしたけれど、もし持て余して誰かにあげても美味しがってもらえると思う品です。

de-limmo.jp

※送ったのは別のスタンダードな品

 

◾️その他

写真シール、小さなアクリルの色紙的なもの、手紙

・シールはキヤノンのスマホ専用プリンターで作りました。感熱方式だからどうかなと思ったのですが、専用シールはやや発色は劣りますが、コーティングもされているし、何より使い方が簡単であっという間にシールができて便利でした。ぺこちゃん(寅氏愛犬)写真などを丸いシールにしました。

 

 こんなところをちまちま作ったり袋に詰め込んだりして準備完了。なにせスタは稀代のおっちょこちょいです。相手を取り違えてセットしたり平気でやっちゃう。不安になっては見直ししてドキドキです。

 まあ、とにかくこうして人生初の選手への贈り物は用意でき、当日の朝となりました。

  

座席争奪戦 

 発表があった時からファンの皆さんが不安視していた全席自由席。後日、整理券を朝9時に配るということになりましたが、要は早いもの勝ちです。低血圧の朝寝坊で根性無しなスタには勝ち目がない戦いです。

 しかーし。野球好きになって数十年、初めて推し選手というものができたわけですよ。推しのために体を張ったと実感したいじゃないですか。頑張ったという既成事実を作りたいじゃないですか。よし並ぶぞ、と早起きして出発。

 天気は幸い雨にもならず、寒さもそこまでではありません。通勤通学時間ですが、東京から大宮だと混雑も緩やかです。順調だ。と、思った瞬間がエアポケットなんですな。うっかり乗る電車を間違えました。飛び乗ったのは鈍行途中駅どまり。これで20分くらいロスします。

 さらに、駅から3分のはずの会場にまた落とし穴が待っていました。大宮ソニックシティの小ホール。通路にある看板の矢印に添い、ふらふらと建物に入ってしまったのが運の尽き。歩いていた途中でちょっと横に入れば整理券の列があったのに、またしばし彷徨ってしまいました。ここで15分のロス。

 なんとか列にたどり着いたのは8時過ぎで、もうかなりの人が並んでいます。ああ、皆さんどれだけ早起きされたのだろう(早い方は朝3時に出たそう)。98%ぐらいは女性だったので、道行く人々は野球選手のイベントとは思わなかったでしょうね。しばらく並んで整理券を受け取りました。

 入場整理は11時40分からとのことで、空いてる店を捜し歩き、マクドナルドに潜り込んで時間潰し。指定時間よりやや早めに戻ってみると、運営担当者はまだ不在。当然、順番はまだわからないのでなんとなく位置の当たりをつけて並びます。

 時間になってからも運営さんの手際がもうボロボロでしてね。小さな声で番号を呼びながら歩いて並ばせたりして、なかなか進まない。途中まででやめて先頭グループをホールに案内すると、その後の整列は止まったまま。担当責任らしき人が1人であたふたしてるけど、他のスタッフに指示が通らなくて全部が中途半端なんですね。

 それでも並んでいる皆さんが辛抱強いんですよ。お互いに番号聞きあって入れ替わったりして、穏やかな雰囲気を壊さない。ちょっとイラちな所もあるスタは、スタッフさんに聞いて無責任な反応(さぁ、あの人どっか行っちゃったんでわからないですね)されてピキっとなりそうになったりしたけど、皆さんを見習って我慢しましたよ。眉間の縦ジワ伸ばせ伸ばせと自分に言い聞かせました、はい。  

 結局、第2グループだったスタが入れたのは入場時間をだいぶ過ぎてからでした。それでも、真ん中辺りの良い席に座れました。入り口横のプレゼント受付ボックスを早めに見つけられたのもラッキーでした。選手への質問も書いて箱に入れました。ミッション達成。

 はあ、やっと落ち着いた。だが、こんな調子でトークショーは大丈夫だろうか。ぐだぐだになって選手が戸惑う姿は見たくないぞ。

 まだヒヤヒヤする気持ちが、そこはかとなく残っています。

 

凄腕司会者

 

 さて、告知の時から、実態判明、チケット確保、座席確保と、ヒヤヒヤドキドキの連続だったトークショー。ようやく開始時刻の小一時間前、という所まで辿り着きました。それでも、観客席の右側には階段の上までWCへの列が続いていたり、スタッフの人が歩き回っていたり、まだそわそわした雰囲気が止みません。

 舞台の上には椅子が3脚。そのぽかりと空いた空間がなんとなく不穏。だって最近は、歌手の人が開始直前にドタキャンしたなんてニュースもあったじゃないですか。始まるまで何が起こるかわかりません。いや例え始まっても、トークがスムーズに進むかどうか確証されてないわけで。ああ心配。

 しかし、そんな不安をかき消してくれる人物が出現します。総合司会の女性です。最初のひと声は、観客への注意の読み上げでした。内容はただ、何分前にはドアを閉める、始まったら外には出られない、そんなことなんですよ。でも、アルトの穏やかで落ち着いた声音(こわね)と口調は、場内の雰囲気を一瞬にして落ち着かせました。ああ、この方ならしっかり進行してくれそう。そう思わせる声でした。

 やがて開始時間になると、彼女が自己紹介を始めます。

 「元TBSアナウンサーの田口恵美子と申します」

 え?、ええーー?、まさかあの……と、聞き覚えのある名前。

 「実は私の夫がオリックスでコーチをしておりまして……」

 うわ〜!、やっぱりあの田口さんだ〜。客席も「ええ〜!」と、どよめきました。旧姓は香川さん。TBSの夜のスポーツニュースでバリバリのキャスターをなさってました。田口コーチが選手時代に書いていた笑い話たっぷりのブログにも、しばしば登場した奥様です。いや、なんと。顔がよく見えなかったけど、確かに少しハスキーな声に聞き覚えがある。

 ハムの本拠地からもオリの本拠地からも離れた埼玉の大宮です。司会の女性といっても、選手やチームのことは付け焼き刃に勉強した人しか見つからなさそう、と懸念してたんですよね。それが、ずっと見てきたに違いない人が駆けつけてくれたわけですよ。しかもプロ中のプロのアナですよ。こんなに心強いことはない。この時点で、ここまでのモヤモヤが全部晴れていきましたね。

 しかも田口さん、仕事の経験を重ねた上に、ご主人との丁々発止のやり取りで鍛えられたのか、話の間合いを見極める冷静さとユーモアたっぷりな切り返しの鮮やかさに磨きがかかってました。まずは掴みがお見事でした。

 自己紹介の直後に、「大事な息子を新庄……監督に取られたようで」と言ったのです。もちろん場内大爆笑。このジョブのような軽い煽りで、ファンの気持ちもちゃんとわかってるなと伝わります。そして、ああ、オリックスのこともハムのことも移籍にまつわる心情も、忌憚なく話してくれるショーになりそうだ、という期待が湧きます。

 ほんのひと言で、オリファンもハムファンも融和して、さちとらが自分をよく知ってくれている人の前でリラックスして話してくれたらそれでいいよね、という雰囲気が醸し出されました。トークが始まってからも、彼女はちょいちょいオリ話題を挟んで笑いを誘います。ハムファンにとってもそれはありがたい選手情報で、話を前に進ませる良き潤滑油になっていました。

 また、もう1人、MCとしてお笑いの山本圭壱さんも登場。こちらは事前に告知のあった出演者で、実を言えば、ほとんど観客が女子のイベントにどうなのかなあ、とも思っていたのです。でも、とにかく野球に詳しいし、福也の野球教室の手伝いなどもされていたからか、2人についての情報も浅くないことが伝わります。

 それに、移籍話などのツッコミ方がさすがに上手なんですよね。程よくアクが強い。メディアに流れる内容より、ちょっとだけしつこく本音に近づいてくれる感じで、その分話が面白くなっていきます。

 それから、ファンの方のあしらいも上手。質問コーナーに登場したファンの方からも、短い時間で言葉を引き出すし、ねぎらったり気配りしたりが細やかで優しく、その度に場内がアットホームな雰囲気になりました。テレビなどでは素人は面白おかしくイジっとけばいい、みたいな扱いをする芸人さんが多いけど、山本さんは随分違いました。ファンを大事に扱ってくれるから、それがさちとらに合っていました。

 全くもって、田口さんも山本さんも凄腕でした。しっかりした腕前のプロが仕切ると、こんなにテンポよく盛り上がって、メリハリのついたまとめができるのか、と改めて感心させられました。

 そういう凄腕プロ2人が先に自己紹介を終え、いよいよ主役の登場です。
 固唾を飲むファン。
 ああ長かったあ……
 やっと来たあ……

 

(次回へ続く) 

 

 

<後編>

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