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【オリックス・吉田正尚&杉本裕太郎】パ・リーグベスト9選手の今シーズン活躍を振返り⑧⑨【祝・受賞】

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パ・リーグのベスト9選手の今シーズン振返り8、9人目は外野手2人です。
ふたり分なんで長編ですが、どうしても彼らは併せて紹介したかった。
開幕当初、交流戦頃、五輪期間、後半戦、終盤戦。
そういえば、彼らはそれぞれ、どんな一年を過ごして来たのだっけ?
自分の記事も遡りながら、振り返りたいと思います。

 

 

吉田正尚、杉本裕太郎(オリックス・外野手)

ベスト9(両者)、首位打者・最高出塁率(吉田)、本塁打王(杉本)


総評

快進撃オリックス打線の3番4番、マサタカ(吉田)&ラオウ(杉本)。
大学でも3、4番を張った先輩後輩(ラオウが2つ上)。
ラオウが2年社会人野球で過ごし、プロ入りは同期生。
6年前、彼らは奇しくも同じチームにドラフト指名されます。

吉田は持病の腰痛を克服してすぐに開花し、既にレジェンドレベル。
ラオウは人並外れた長打力を持ちながら、去年半ばまで1軍定着できない状態。
後輩の背中が見えないと思われるほど、差をつけられていた先輩。
それが一気に覚醒して肩を並べ、両輪としてチームを優勝に導きました。

何もかも対照的なふたりです。
左のマサタカ、右のラオウ。
小柄な(マッチョだけど)マサタカ、巨漢のラオウ。
打撃特化早熟天才のマサタカ、投げるのも走るのも得意だったけど遅咲きのラオウ。
マイペース・マイワールドのマサタカ、優しさと気配りのラオウ。

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マサタカは練習以外でもマイペースエピソードを探すと事欠きません。
動画などでは、必ず「ロッカー汚い」と言われている。
遠征先が変更に気づかず一人違う所に行った。
寮のエレベーターにまっ裸で乗っていた(山本由伸にテレビ番組で暴露される)。


ラオウの方は、学生仲間との付き合いや社会人時代チームの応援等に義理堅い。
あまり先輩と思われてない、敬語使われてない(by公式動画の山﨑福也)。
いつも誰かと一緒にいて、誰かにスタバをおごって、誰かを褒めて(公式動画)。
オリ行事看板が「バッファローズ」となってたら「ッ」を昇天ポーズでそっと隠す。

こんなふたり、行動噛み合わないやろ?と思いきや、友情は厚く仲睦まじい。
ラオウの卒業時のアルバムに、予言のように「2年後一緒に」と書いたマサタカ。
ネットを探すと見つかるそのアルバムには、本当に優しい人だったとも添えてある。
先を走る後輩は、中々芽の出ぬ先輩を時に煽りながら待ち続けていたのです。

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優しい先輩の方は、マイペースな後輩について時々ボソッと呟く。
「俺のこと先輩と思ってないやろ」(インスタ)
「マサタカだらしないし」(チーム公式動画)
マイペース後輩に日頃からぼやく姿が目に浮かびます。

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バツグンにキャラが立っている。
そんなふたりがプロでやっと邂逅し、お互いを相棒として優勝に爆進する。
彼らのストーリーは、痛快なバディ・ムービーのようでした。

 

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今年のマサタカは春から絶好調で打ちまくります。
ところが好事魔多しで、優勝争い真っ最中に久々のケガが重なって離脱。
最後の最後に復帰しましたが、完全体には程遠い状態でした。
それでも成績は、打率 .339 でダントツ首位、本塁打21本で6位、打点72で8位。

覚醒ラオウも春から好調で、前半は波があったものの、とうとう通年走り切りました。
特に、マサタカ離脱に揺れた8、9月の頑張りはチームを本当に支えましたね。
成績は、打率 .301 で3位、本塁打32本でひとり30本台の首位、打点83で3位。
打撃主要3部門に3位以内、これはお見事。

 

マサタカの成績は通常運転で、ラオウという花も大輪で開いたのが良かったですね。
タイトルを2人で分け合い、譲った部門でも相棒にすごく引けを取ることもない。
バランスの良い両輪になっていました。
だからチームも突っ走れたのかもしれません。

 

紆余曲折を経て、ふたり一緒に見せた昇天ポーズ、グッときました。

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開幕当初


ふたりとも3月の5試合は低調でしたが、4月に入って爆発します。
チームの方はまだこの頃は若手お試しメンバーで、取りこぼしが多かった。
それでも3連敗せず、少なくとも1試合は引分けに持ち込んで踏ん張ります。
毎年出だしでつまずき早々と競争から脱落すすパターンを、今年は脱却していました。


マサタカの「執念弾」と、この日同じく活躍したラオウとの揃い踏みヒロイン。
感慨深い光景と同時に、何か予兆を感じさせるものがありましたね。

 

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5月に入っても彼らは好調を維持。
特にマサタカは、月間打率 .382 と神懸かり的なバッティング状態でした。
三振の少なさが話題になるほど。
ラオウは月間打率は下げましたが、得点圏では6割超え、本塁打8本の活躍です。

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交流戦頃


5月最終週から始まった交流戦。
整い出した打線に強烈な刺激が入ったのが、最初のカードのDeNA戦でした。
1勝2敗の点数総計、得点25、失点26、、、なんだなんだラグビーか?😅。

ストリートファイトのような猛烈な殴り合いで、打線のアドレナリンが噴出。
後のカードは勝ち越しや連勝が続き、11年ぶりに交流戦優勝。
リーグ再開後もチームは好調で、9連勝をしてとうとう単独首位に。

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ラオウはこの間の打線の立役者。
打率は交流戦で .305、6月月間に至っては .375 の猛打で、月間MVPを受賞します。
マサタカも 交流戦打率 .358、6月月間は .317 ですから十分ハイレベル。
加えてT-岡田や福田(交流戦打率3位)も好調で、チームは破竹の勢いでしたね。

 

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五輪期間


当然のようにジャパンに選出されたマサタカ。
直前のリーグ戦での好調を、本番でも最初から維持。
初めて代表に出た頃はちょっと苦労していたけれど、同じ轍は踏みませんね。

ドミニカ戦マルチ安打に始まり、韓国戦と準決勝のアメリカ戦ではタイムリー。
そして決勝戦(対アメリカ)で決勝タイムリー。
クールに勝負強さを発揮しての大活躍でした。

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ラオウは五輪は関係なくお休み期間。
前半戦大活躍の疲労がピークに達していた頃。
7月に入るとガクンと打率が落ちていましたから、お休みは助けになりましたね。
また、エキシビションマッチで感覚を戻せたのも幸いでした。

オールスターに揃って選出され、ホームランダービーに出たのもいい思い出ですね。

 

後半戦


五輪休み明けのリーグ戦再開。
前半戦、五輪と獅子奮迅の活躍だったマサタカも、8月はさすがに疲れが出ました。
打率 .250 もそうですが、得点圏打率が .214 とめちゃ低い。
体もそうですが、何より集中力を保つ脳みそが一番疲労していたのかも。

 

でも、7月打率1割台のラオウは完全復活してました。
高打率で「マサタカの後」「マサタカが打てない時」に頼りになる相棒ぶりを発揮。
ホームランだけではない確実性が、一時的な現象ではないことを示します。

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終盤戦

 

本格的な優勝争いとなっていく終盤戦。
今年のマサタカ、ラオウのストーリーはここからが長くなりますね。

9月頭、とうとうマサタカに異変が発生します。
福岡でのソフトバンク戦で、1塁に駆け込んだ際に足を引きずり、交代。
翌日テーピングをして代打に出ますがスイングさえできない状態。
左足裏太もも(ハムストリング)の肉離れでした。

 

思い返すと、直前の札幌での日本ハム戦で復調の大活躍をしてます。
2試合で9打数6安打と打ちまくり、3戦目などは5打数4安打で2塁打2本。
そんなに駆け回った後で、翌日の試合が九州のため長時間移動だったんですよね。
筋肉張ったところにバス移動と飛行機での座りっぱ、が響いたんじゃないかなあ。

 

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チームではマサタカ以外でも離脱者が続出。
さすがにこの時期は、4連敗などジリジリと負けが込んでいきます。
力尽きそうなところで、踏ん張らせたのがラオウ。
5連敗を止める1本など、9月はホームラン7本で支えます。
その後西浦効果などで優勝戦線に踏みとどまりました。

 

9月28日にはマサタカ復帰!と思ったら、5日後、今度は手首骨折、、、。
とはいえ、28日からのロッテ3連戦奇跡の3連勝は、マサタカの影響が大きかった。
最初の2試合で7打数2安打1本塁打は相手にショックを与え、流れを呼びました。
この短い復帰は、オリックス優勝のために一瞬だけ吹いた神風だったかも。

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マサタカ2度目の離脱は、首脳陣までがっくりした表情を隠せぬ事態でした。
しかし、ここでもラオウが見事にカバーします。
離脱すぐの試合で放ったホームランとコメントで、仲間を奮い立たせます。

 

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そんなラオウも10月は低空飛行。
最最終盤のオリは、毎日が綱渡りみたいでしたよね。
「全員で勝つ!」のスローガンそのままの日替わりヒーロー。
マサタカ、ラオウが引っ張ってる間に育った紅林なども頑張りました。

こうして達成した25年ぶりの優勝です。
マサタカとラオウのストーリーはエピソード満載で、とても全部は書ききれない。
今年のふたり、大活躍で、補い合って、笑い合って。
うん、つくづくいいコンビだったよなあ。

キャプテンとして、みんなを引っ張る自覚を表に出し始めたマサタカ。
苦労人で、急にもてはやされる状況にも意外に冷静でいられるラオウ。
来年も、ふたりのバディー・ムービーの続編を期待しています。
そのストーリー、今度は日本一まで続くといいな。

 

 

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